★ あ の 夏 の う た ★ | 徒然なるままに…。

徒然なるままに…。

日々、思うことをつらつらと書いていきます。

 
今年もあの季節がやってきた。

 青春ドラマチックフォーク

 路地裏ナキムシ楽団

 第八泣き『あの夏のうた』

↑回じゃなく【泣き】が好き♪

今年もやっぱり

泣いて笑って感動して。

優しくて切なくて愛おしい

とっても温かい時間を

過ごしてきましたハート

千秋楽の観劇だったから

内容を書いても

ネタバレにはならないので

あれこれ綴ろうと思います。

よろしければ

お付き合いくださいませaya

 

 

ステージ少し奥・左寄りに

バンド演奏スペースが、

右手にはレトロな置物や時計が

ひっそりと佇んでおりました。

今年はどんなお話なんだろう…。

 

 ナキムシ楽団は

 劇団ではありません。楽団です。

 総勢18人のバンドです。

 音楽の要素はリズム、メロディ、

 ハーモーニーと言われていますが、

 ナキムシ楽団は

 詩、曲、歌、芝居があって

 初めて1つの作品になります。

 ※去年頂いたリーフレットから抜粋

 

物語は素敵な生音楽からスタート。

ひとつひとつの話の終わりに

登場人物の心や、見た風景を

音符にのせ場面が展開していきます。

斜め書き部分が音楽(生演奏)。

劇中歌収録CDの

歌詞カードから抜粋しました。

カギのあとは私のつぶやき。

 

 

カギ

ポリバケツ&猫のイラストが

路地裏っぽくてよいですよね。

 

ひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわり

 

『あの夏のうた』

 

雨の音が聞えます。

セミの声が聞えます。

夏を感じる空気が漂います。

『陽炎』

あれは遠い夏の記憶

 鍵をかけた昔話

淡い夢は風に吹かれ

 やがて高い空に消えた

カギ

思い浮かぶのは青空とか

白く浮かぶ雲とか、海とか

とっても綺麗なのに

切ないのはどうしてだろう。

 

 

~ピロローグ~

古びた品が並ぶ店先で傘を持ち

店内を覗きこむ青年の背中に店主が

「もう雨やんでるよ」と声をかける。

「見て頂きたいものがあるんです!」

と興奮気味に青年が取り出したのは

錆びかけたとても古い鍵。

「うちは骨董品屋じゃない」

「どこにでもありそうな鍵だ」

「最近のひとは

 すぐいくら(値段)になるか聞いてくる」

と友好的な態度ではないものの

青年にコーヒーを勧め、

飲んでいくよう促す年老いた店主。

 青年(町村)…児島督弘さん

 古道具や「昔屋」店主…小西良太郎さん

カギ

傘を持った人物に「雨やんでるよ」

って声をかける最初のシーンは

ナキムシ全作品共通しかしら。

 

 

~幸せの扉を開ける鍵~

時は戦時中。

しっかり者の妹/キヌヨと

兄/ヒロアキのいつもの口喧嘩。

「相変わらずだなぁ」と笑いながら

「これ、おふくろの煮物」と鍋を持って

やってきたのはヒロアキの友人/ジロウ。

キヌヨが家の中へ入ると改まった様子で

ジロウが「彼女と結婚させてほしい」

とヒロアキに頭をさげる。両親亡きあと

ずっと二人で暮らしてきたヒロアキは

突然のことに驚くが、動揺を抑え

「もらってくれるのか!」と笑顔で応える。

そしてその会話を奥で聞いていたキヌヨ。

嬉しそうに寄り添う二人。

可愛い妹。昔からの友。

なんの異議もない…お祝いだ!

とキヌヨに追加の酒を取りに

再び家の中へ戻したヒロアキに

「キヌヨちゃんの誕生日に

 祝言を挙げたい」と話すジロウ。

「俺は出られない」「出征が決まった」

と赤紙を見せ、キヌヨがいつも

首からさげている鍵は自宅前に

置き去りにされていたとき

一緒に置いてあったものだと話す。

そしてジロウとキヌヨが二人で

幸福の扉を開けることを願い

ヒロアキは戦地へ赴く。

 ヒロアキ…千年弘高さん

 キヌヨ…原田里佳子さん

 ジロウ…上村剛史さん

 

♪『蛍』

ホー ホー 蛍来い

 夏の夜の刹那よ

ヒラ ヒラ 命燃やし

 帰らぬ夢が散りゆく

カギ

赤紙のことをキヌヨに話していない

ヒロアキを思うと心が痛かった。

すごく大切にしてたんだな…。

お国のため、と思わされた時代。

本当なら愛する人の側に居たいのに。

 

 

~窓からやってきた友だち~

時は経ち、昭和五十年(かな?)。

窓から侵入してきた怪しげな男に

留守番少年/オサムが声をかける。

「おじさん、なにしてんの?」

なんとか誤魔化して、その場から

逃げようとする泥棒だったが

「泥棒でしょ?金目のものはないよ」

父親はいない。友だちもいない。

俺なんかいないほうがいいんだ、

と投げやりで強がる様子が気になり、

亡くした息子の姿とも重なった泥棒は

思わず声をかけてしまい、

二人は交流をもつことになる。

少年にとってその数時間は

夏休みの作文の題材になるほど

プロ野球選手を目指し

達成するきっかけになるほど

心に残る夏の一日だった。

 ニシムラオサム…藍沢彩羽さん

 泥棒(小倉武造)…橋下幸坪さん

 

♪『僕と野球と夏休み』

いつかダイヤモンドの主役に…

三振でもフルスイングならOK

人生はフルスイングならOK

カギ

二人のやりとりが微笑ましい。

オサムくんがとびきりの笑顔で

野球をしてる姿が浮かんだ。

 

 

~大事なのは鍵じゃない~

更に時は経ち1990年(平成2年)。

新社長に就任する男が

大事な鍵がない!と大慌て。

そんな姿もなんのその、

マイペースな女性社員と

ジェラートが食べたい、から始まり

あれこれねだりにきた派手な女と

3人でいたオフィスに弁護士が現れ

親会社が倒産したから

社長の座を解任する、と言い渡す。

俺は安泰だ、という言葉を鵜呑みにし

結婚しようとしていた派手な女は

それまでの社長が描いていた

新しいアイディアの数々を

手のひらを返したように小馬鹿にし

あっさり弁護士に乗り換えて消える。

鍵がないと俺はもう駄目だと肩を落し

早く退職してやり直せ、という社長に

それまでと違う口調で言い返す女性社員。

その言葉に元社長は

かつての夢や希望を取り戻し

青山のお洒落なジェラートではなく、

2人の好きなアイスキャンディを買いに

駄菓子屋へ楽しそうに向かう。

 社長…押田健史さん

 女性社員(山下)…中島貴月さん

 弁護士…小森薫さん

 派手な女(関口美里)…小沢あきこさん

 

♪『未来』

テレビリモコンなんて珍しくて

自動改札なんて漫画の世界

カギ

いちばん身近な話でホッコリした曲。

便利なデジタル世代じゃないけど

想像力はすごくあった時代かも。

 

 

~もうひとつの男と女~

派手な女と元?弁護士。

「海でも行く?金かかんねぇし」

という元弁護士に

(懲戒免職になったらしい)

「これ、行く?」と派手な女が

ヒラヒラさせたチケットは

大人気と噂のナキムシ楽団。

ライブ会場はオンボロ観覧車

人気の古びた遊園地。

『恋のサソリ固め』が大ヒット。

幽霊とも話せるアイドル夢野さくらと

「わくわくゴー☆」がモットー!?

陽気なクリーンスタッフ中西が登場し

楽しいライブの世界へ誘います。

 夢野さくら…原田里佳子さん

 中西良太…千年弘高さん

カギ

まさかこの2人が、しかも

去年の衣装のまま登場するとは!

だいぶびっくりして超ウケた。

予想外の展開に盛り上がりました。

ここでリアルな世界と混ぜこぜセリフ。

派手な女に「小沢あきこさんに似てる」

って言われません?って!!笑

ロビーに並んでた小沢あきこさんのCD。

横目にチラリと見えて気になってたけど

ほんとの演歌歌手さんだったんですね。

 

♪ライブタイム

今まで上演した作品から1曲ずつ

(「指切りげんまん」「うそつき」かな?)

ナキムシ楽団ライブといえば!な曲。

 バンドメンバー

 Vo&A.G / たむらかかし さん

 Vo&P / ハマモトええじゃろ さん

 Vo&A.G / 暮らしべ四畳半さん

 E.G / カト・ベックさん

 Bass / アンドレ・マサシさん

 Drum / 遠藤若大将さん

カギ

いつものライブハウスじゃ

絶対に味わえない豪華なひととき。

 

鍵を無くした!シーン後の

暮らしべさんの「鍵拾っちゃった♪」

と下駄箱の鍵を取り出したのには

場内に笑いが広がりました。

あれもプチお芝居のひとつかな?

カギ

鍵は居酒屋にあるような木製。

やたらデカかったけど…

あれって本物?小道具??

 

恒例[ナキムシネーム]タイム。

希望したお客様、男女2名様が

たむらかかしさんから授けられます。

今年は隣に座っていた女性が

手をあげて名付けられていました。

カギ

相変わらずあんまり

カッコよくないけど←失礼な(笑)

やっぱり羨ましいなと思ってたら

思いがけず付けて頂ける機会が。

そのお話はまた後ほど。

 

 

~やっと会えた~

ときは現代。

この鍵は祖父がぐうぜん見つけ

それから大事そうに持ちながら

昔の話をしてくれるようになった。

と話す青年・町村。

祖母の名はキヌヨ、と言う。

そして「この鍵を開けられるのは

店主である貴方です、ジロウさん」

という言葉に意を決したように

木箱を差し出してくる店主。

 店主/ジロウ(老年期)…小西良太郎さん

 青年(町村)/絹代の孫…児島督弘さん

 

~あの日の約束~(回想)

その木箱は小さなキヌヨと鍵と一緒に

置き去られていた絆が入っている箱。

鍵はその箱を開けるためのものだった。

ヒロアキが戦地へ立つ前夜

「ジロウとキヌヨ、二人で開けてほしい」

でも、開けるのは今ではなく

ジロウがこれから行く戦地へ携え

そのまま持って無事に生きて

帰ってきたとき二人で開けてほしい。

必ずだ、約束してくれ。と

強く言われて渡された箱だった。

 ヒロアキ…千年弘高さん

 キヌヨ…原田里佳子さん

 ジロウ…上村剛史さん

カギジロウもヒロアキの数日後に出征。

 祝言は挙げられなかったんだ…。

 

~果たされた約束~

もうあまり長くないから、と

青年が差し出したキヌヨの連絡先を

戸惑いながらも受け取り、訪ねるジロウ。

兄・ヒロアキとの約束通り二人で開けた

“絆の箱”にはキヌヨのへその緒と

ヒロアキからの長い手紙が入っていた。

 ジロウ(老年期)…小西良太郎さん

 キヌヨ(老年期)…堀裕子さん

 手紙朗読(ヒロアキ)…千年弘高さん

 

♪『晩夏』

どんな風に生きて来たの

幸せならそれだけでいい

カギ

このへんは大号泣しすぎて

曲がどの場面のあとか

記憶が定かじゃないです。

大切な想いが溢れてて

胸がいっぱいいっぱいでした。

 

 

~エピローグ~

車椅子にのったキヌヨと

それを優しく支えるジロウ。

いつのまにか

その周りには時代を超え

二人の鍵に携わった人々が集う。

二人の、なによりキヌヨの

幸せを願っていたヒロアキ。

野球選手の夢を叶えた少年。

泥棒という罪の罰を受けた男。

三人目の家族をもうすぐ迎える

アイスキャンディが大好きな夫婦。

卑しい毒気が抜けたカップル。

約束の鍵を開ける手渡しをした青年。

人々の優しく真っ直ぐな視線の先には

行くことが叶わなかった海があった。

 

♪『あの夏のうた』

傷つきながら迷いながら

それでも真っすぐな夏でした

 

 

ひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりおわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわり

 

 

カギ鍵のあしあと

これを見つけてから運がいい、

といわれてきた古びた鍵。

はっきりとした

受け渡しのシーンはないけれど

言葉のはしばしから

私なりに考えた鍵の移動。

 

 キヌヨの実両親からキヌヨへ。

 それを守り続けた育ての両親と兄

 ↓キヌヨが首から下げていた

 戦時中の金属類回収の役人

 (泥棒の祖父)

 ↓戦火を逃れる

 少年と出会った泥棒。

 祖父の死後に見つけ

 身につけながら盗みを働く。

 ↓改心して自首

 少年

 ↓夢だったプロ野球選手になる

 社長 

 転校生でいじめられっこだった

 同級生が自分にはもう必要ないから

 と笑顔でくれた大切なもの。

 もらってからはアイディアが

 次々沸き商売が絶好調だった。

 ↓紛失。社長解任。

 鍵は誰かに拾われて

 ガラクタ市に出品される

 ↓

 青年の祖父

 偶然見つけ、その場から

 離れなくなったため購入。

 いつも大事そうに触りながら

 昔話をするようになった。

 ↓祖父の死

 青年

 とても大事なものに違いない、と

 ルーツを探り「昔屋」にたどり着く。

 ↓

 祖母/キヌヨ

 かつての恋人/ジロウ

 

 

ひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわりひまわり

 

 

もっと楽しいポイントや

素敵な場面もあったけど、

流れ的にはこんな感じかな?

私の印象だけで綴ったから

違う部分もあると思います。

セリフもこの通りではないし

名前も覚えてるかぎりです。

そして去年同様、

それぞれのタイトルも

私が勝手につけてますごめんね

 

ひとつの鍵に色々なエピソードと

思い出や願いが込められたお話でした。

最初の曲からなんだかもう切なくて

心をキュッとつかまれて、

祝言には出られないってセリフに

赤紙がきたんだ!と悲しくなって

ここからほとんど泣きっぱなし。

あまりにも泣きすぎて

いろんな感情が溢れすぎて

記憶がとぎれとぎれなのだけど…

こどもみたいな言葉になるけど…

この作品が伝えたいことからは

外れてしまうかもしれないけれど。

いちばんに思ったことは。

【戦争がない世界でいてほしい】

でも、ひとりひとりがそう願うことが

まずは大切なことだと思います。

 

カギ

最前列で観劇しました。

うしろのほうが全体が見られていいかな

とも思うけど…ココはここでいいのです。