ゼロ・ポイント・フィールド | イージー・ゴーイング 山川健一

ゼロ・ポイント・フィールド

 リン・マクタガートという医療関係のジャーナリストが書いた『フィールド響き合う生命・意識・宇宙』という本を読んだ。今回、2回めね。インターシフトという出版社から2004年に出版された本だ。


フィールド 響き合う生命・意識・宇宙/リン マクタガート
¥3,360
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 ゼロ・ポイント・フィールドという新しい概念についての本だ。ゼロ・ポイント・フィールドというのは、原子と電子の間は真空だとされていたが、じつはそうではなく微妙な振動の海であるというのだ。

 もしこれが事実なら、ぼくらの宇宙の奥底に存在するのは、エネルギーに満ちた海、巨大な量子場なのである。

 というわけで、本書は、量子力学から導き出されたミクロの物質における不可思議な現象を考察することから、さまざまな科学の分野で新しい発見があることを報告しているんだよね。

 本書は、2001年に欧米で発売されるやいなや、大きな反響を巻き起こした。これまでばらばらに進んでいた科学上の研究を、整合性のある全体にまとめることで、神秘主義、代替医療、ニューエイジなどで語られてきた世界観に科学的な妥当性を与える試みだ。

 リン・マクタガートは、こんなふうに述べている。

「量子物理学者ならだれでも、ゼロ・ポイント・フィールドについて十分承知している。不確定性原理によれば、いかなる粒子もまったくの静止状態に止まることはなく、あらゆる原子内物質と相互作用をしつづける基底状態のエネルギー場(フィールド)によって、つねに運動状態にあることが示唆される。このことは、宇宙の基本的な構造が、既知の物理法則によっても消すことのできない、量子場の海であることを意味している」

「ゼロ・ポイント・フィールドの存在は、宇宙のあらゆる物質が波動によって相互に結びついており、その波動は時間と空間を超えて無限の彼方にまで広がり、宇宙のある部分をそれ以外のすべての部分と結びつけていることを暗示していた。ゼロ・ポイント・フィールドはもしかすると、中国で古代からエネルギー場に似たものとして記述される生命の力、すなわち『気』などを、科学的に説明しているだけなのかもしれない」

 かつてリチャード・ドーキンスは「すべての生き物はDNAの乗り物(ヴィークル)だ」と言った。しかし、ドーキンス説では、一個の受精卵がなぜ赤ん坊になるのかは説明できないし、ぼくらの人生はなんだか無駄なものように思える。

 しかしゼロ・ポイント・フィールドを前提にすれば、これをやっているのは細胞の間での「光通信」ではないかということだ。受精卵は場と共鳴しあって赤ん坊になる。

 ぼくらは、他者に影響を与え共鳴するためにこの次元に存在しているということになる。ぼくらの想いは全宇宙に届く。

 難解な本なのでもう一度読んでみるつもりなんだが、感動的だよね。

 読んだことのある人がいたら、感想を聞かせてください。