12月1日、試聴会やります。 | くるまの達人

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とか、タイトルで謳いながら、実はただの日記だったりするけど、いいですか?

いつかやる、いつかやる、と言いつつ
そば屋の出前状態になっていたスピー
カーシステムの試聴&調整会ですが、
次の日曜日、12月1日に開催すること
にしました。


思えばスピーカーシステムの試聴会を
最初に開催したのは2011年5月ですか
ら、もう2年半も前のことになります。
神戸、名古屋、東京の順でそれぞれシ
ルバースター、ナガセ自動車、J-AUTO
の各店のご協力の下で開催させていた
だいたのでした。それ以来、音質につ
いてのご意見や、スピーカー以外のオ
ーディオについてのW124、W126なら
ではの悩みなどを大勢の方々から聞か
せていただくことができました。今回
の試聴会&調整会は、そんな声にお応
えするいくつかの新提案と、すでにス
ピーカーシステムを装着してくださっ
ている方への音質調整等の相談会を兼
ねて開催したいと思っています。



今回の試聴会で確かめていただける新
しい提案は、以下の4つです。


1 セダン、クーペ用サブウーファー
ボード(パイオニアTS-WX710A搭載)

2 iPod+DAC(HRT iStreamer)

3 純正オーディオとiPodオーディオ
の自動切り替え

4 グラフィックイコライザーの使用
によるスピーカーシステムのコンデン
サーレス化



それぞれ、簡単に説明します。

1=以前より、大容量かつキレ味のよ
いサブウーファーとの組み合わせをお
勧めしてきました。セダンやクーペの
トランクスペースをほとんど犠牲にし
ないで、そのようなサブウーファーを
搭載することができるオーディオボー
ドの図面や製作手順などのホームペー
ジへの掲載もしました。けれどもそれ
から2年半、この仕様で組み上げたオ
ーナー車を1台も見たことがありませ
ん。皆さんから話を聞いていると、や
はり自分で作るのは面倒くさいし、上
手にDIYできる自信がないという声が
圧倒的なんですね。整備工場では木工
作業はやってくれないし、オーディオ
のプロショップへ製作依頼するほどデ
ィープでハイエンドな音世界に浸かる
つもりもない、と。そこでスペアタイ
ヤのホイール内にセットできるパイオ
ニアTS-WX610Aをお勧めすることにし
ましたし、これからもコレはこれでお
勧めアイテムではあります。サブウー
ファー装着のスペースが限られている
ステーションワゴンやカブリオレでは
この選択がベストですし、あるいは手
軽さを最優先するのであれば、音質と
のバランスを考えてもこれ以上の選択
はないと思っています。けれども、も
っと異次元な音楽感動体験をW124で、
ということになると、やっぱりリーズ
ナブルさを考えても、最初の試聴車に
セットしたボードマウントのサブウー
ファーをなかったことにするのはもっ
たいないんですね。

くるまの達人-2013_11_25_W124_shichokai_01

というわけで、W124、W126にポン
づけできるサブウーファーボードを製
作して販売することにしました。スピ
ーカーシステム同様、大切な車両には
一切穴開け加工などのキズをつけずに
取り付けられるように、ステーやねじ
類などもセットします。初期型ベッカ
ー製吊り下げ式CDチェンジャー装着
車用はオーダー時に申告していただけ
れば専用のカットを施します。電源と
オーディオの簡単な配線作業は必要で
すが、これは整備工場でやってもらえ
るでしょう。今回の試聴会で確かめて
いただける1番目は、このサブウーフ
ァーボードの装着による異次元の迫力
と豊かな音場再現性です。スピーカー
システムを装着してくださった方全員
に、土台がしっかりしたときのこのユ
ニットの表現力の豊かさを手に入れて
ほしいという思いで、時間のすき間を
作ってでも提供してみようと思った次
第です。どうにも施策の時間がなくな
るまでは、がんばって作ります。


2=iPodやiPhoneなどのiOSガジェッ
トは、操作のしやすさや、かさばらず
に多くの曲を持ち出せるなどの利便性
の高さが特徴です。また、音楽を取り
込むときの設定を選択するだけで、CD
とまったく同じクオリティで音楽を楽
しめます。最近のヘッドユニットには、
USB入力端子が備わっているものが多
いので、すでにカーオーディオの再生
機として活用されてる方も多いと思い
ます。

今回の試聴車には、ベッカー製の純正
ヘッドユニットが装着されています。
ベッカー製に限らず純正のヘッドユニ
ットを交換したくないというリクエス
トは意外に多く、またMacIntoshや
DENON、Nakamichi、Sound Monitor
などの往年の名機を愛用しているとい
う方もけっこういらっしゃいました。
確かに、高級カーオーディオ全盛期の
超高級機は、プリアンプの設計がとて
もいいものが多く、必ずしも最新型=
ベストとならないあたりは、クルマに
も通じるところがあります。けれども、
当然この頃のオーディオには、USB入
力端子がなく、AUX外部入力端子を使
用することになるのですが、iPod、
iPhoneともに出力端子がデジタルのみ
に変更されてしまったために、以前の
ように専用ケーブルのみでは接続でき
なくなり、またiOSガジェットに内蔵
されているデジタルアナログコンバー
ターの音質は、とても満足できるレベ
ルではありませんでした。

そこで高品位なデジタル→アナログ変
換を行うコンバーターを使うことの提
案をしたいと思います。純正ヘッドユ
ニットにカセット型アダプターを差し
込んだり、FMトランスミッターを使っ
たりするのではなく、段違いに高音質
の音源を、純正ヘッドユニットを外す
ことなく楽しめるようになります。ま
た、往年の高級ヘッドユニットの使用
ににおいても、iOSガジェット内蔵の
チープなデジタルアナログコンバータ
ーから大きく飛躍した音源を得ること
ができます。もちろん、肝心なのは、
そのどちらもが、メルセデスのセンタ
ーコンソールの雰囲気を保ったまま得
られるということです。そのために
iOSガジェットを差し込むUSB端子を車
両側にセットできるコネクターの試作
をしています。端子自体は今回の試聴
会には間に合いませんでしたが、もち
ろん、車両をきずつけるような加工は
一切必要がなく、目立たず、その手が
あったか的な格好のいいものとして検
討しています。来年の春までにはお披
露目できると思います。


3=純正ヘッドユニットのあるドライ
バーズシートの風景をそのままにして
おきたい、という声はとてもよく理解
できます。けれども、純正ヘッドユニ
ットを使った高音質化のテストをいろ
いろ行っていくなかで、解決しがたい
問題にぶつかりました。まず、トラン
ク内にチューナー&アンプ・ユニット
を備えているベッカー製のシステムは、
ノーマルの状態で相当のノイズを拾っ
ているということです。これを解消す
るには恐らく一箇所ではないノイズの
進入経路を特定して、それぞれに対し
て対策を講じる必要があります。また、
すべてのノイズが解消したところで、
プリ&パワーともにオーディオ増幅系
が上級ラジオレベルの音質であるよう
で、費用対効果がよくないようです。
このことは、ベッカー製システムをノ
ーマルのまま、音源とスピーカーのク
オリティをどんどん高めるテストをし
ている過程で判明しました。

そこで、ノーマルのオーディオはその
ままに、iPodやiPhoneによるオーディ
オを別系統として用意し、ヘッドユニ
ットの操作によって自動的に切り替わ
るようにしました。ヘッドユニットの
電源を入れると、純正のラジオやカセ
ット、CDチェンジャーが純正ユニット
のまま再生されます。ヘッドユニット
をオフにするとiOSガジェットによる
高音質なオーディオ系統を楽しむこと
ができます。この仕組みを確認しても
らえるようにしました。


4=現在、すべてのスピーカーシステ
ムには、耳障りで聴き疲れする帯域を
減衰させるためのコンデンサーが組み
込まれています。このコンデンサーの
容量選定にあたっては、試聴会でいた
だいた感想の声を参考にしつつ十分に
吟味しましたが、理論的には緩やかな
高音域の減衰傾向が見られます。これ
は、低コスト&高音質を両立させるた
めの方策です。もちろん、その状態で
もとても高い評価をいただけているわ
けでですが、今回はさらに踏み込んだ
仕様を試聴していただけるようにしま
した。耳障りな音域の減衰や、構成上
やや中域に盛りあがり感があるスピー
カーシステムの特性の補正などをグラ
フィックイコライザーで行うシステム
とし、スピーカーシステムからはコン
デンサーを取り外しました。このこと
により、聴き疲れがないだけでなく、
高音域のスカッと抜けるような広がり
感が実現できます。

くるまの達人-2013_11_25_W124_shichokai_02

またパワーアンプには、少し懐かしい
機材ですが、SoundStreamのD60-IIを
セットしました。スピーカーシステム
との組み合わせだと、20W×2程度の
出力だと思いますが、オーディオは数
字じゃないということに納得していた
だけると思います。この辺も、クルマ
と似ていますね。



今回の試聴会のもう1つの“是非とも”
ポイントは、試聴会の会場を提供と、
1日お付き合いいただくことを快諾し
てくれたメカニックの門間さんです。
この人、私が知っている大勢のメカニ
ックの中で、ナンバー1エンジンチュ
ーナーです。その門間さんに、四半世
紀くらい経ったベンツが来るんだけど、
エンジンについて悩みとかある人がい
たら話を聞いてあげることは可能? 
と訊ねたら笑いながら、いいよ、と言
ってくれました。とにかく、本気で本
物のエンジン屋さんですから、エンジ
ンという機械の“そもそも論”が見え
てくるようなディープな話が聞けると
思います。門間さんのことは「クルマ
の達人」で、8年越しで2回も紹介し
ています。興味があったら読んでみて
ください。

《クルマの達人「門間哲男」》


会場は、東名高速・横浜町田ICから20
分くらいのところです。9時半から18
時くらいまで、いるようにしたいと思
っています。会場の住所は、金曜日に
この場所でお知らせします。

楽しい時間が過ごせればといいですね。


山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
Twitter / nineover
facebook / Yamaguchi Munehisa