夢の中の飴 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

アメーバブログにて超短編小説を発表しています。
「目次(超短編)」から全作品を読んでいただけます。
短い物語ばかりですので、よろしくお願いします。

 「ここは夢の中だよ」と友人は言った。「そして、ここに一個の飴玉がある。美味しそうだろう?実際、これはとても美味しい飴だよ。さあ、舐めてみてくれよ。どうだ?美味しいだろう?しかも、夢の中だから君の想像力が及ぶ限界まで美味しくできる。君は至上の幸福を味わえるよ。目を閉じて意識を舌に集中させてみたらいいよ。ほら。口の中にある飴がどんどんと美味しくなっていくだろう?このような機会は滅多にないよ。これは途轍もなく幸せな夢だ。君は最大限の美味しさを味わえる。しかも、夢の中だから飴はずっと消えないよ。君は至上の幸福を感じ続けていられる。せいぜい目が醒めないように祈っておけばいいよ。同じ夢は二度と見れないという法則があるのだからね。今、君はとても幸せな人間だよ」

目次(超短編小説)