謝罪する部下 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 また始まったよ。君はまた謝るつもりなのか?なんで酔っ払う度にその話を聞かされなくてはならないのかな?君はまた同じ話をするつもりなのだろう?

 いや。それは前回も前々回も聞いたよ。それどころか、前々々回も前々々々回も聞いたはずだ。なんなら、私が君の替わりに言ってやろうか?君は子供だった頃に近所のマンションの屋上から中庭に向かって小便をしたのだろう?また、その話を繰り返すつもりなのだろう?

 だから、それを今になって私に打ち明けて謝ってもらっても困るんだよ。泣かれても鬱陶しいだけだ。そうだろう?私はそのマンションの住人ではないし、君から小便を浴びせ掛けられた経験もない。それに、そもそも君の小便は誰かに命中したのか?どうなんだ?

 そうなのか。君はいつも肝心なところで爪が甘いな。私はそんな曖昧な返答なんて求めていないよ。ひょっとして君の小便は誰にも当たっていないのじゃないのか?それなのに謝られているものだから私が小便を掛けられたみたいになっているじゃないか。実に不愉快だよ。だから、今後は一切その話はしないでくれ。いいね?君の小便は私には当たっていないのだからね。そこのところをくれぐれも履き違えないでくれ。

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