伝承怪異事典 悲鳴猿 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 ※体長 不明。
 ※体重 不明。
 ※生息地 不明。
 ※身体的特徴 鳴き声が猿に似ている。姿は伝わっていない。悲鳴猿と呼ばれているが、猿ではないかもしれない。

 ※備考 凶兆を嗅ぎ付ける能力があると思われている。そして、凶兆を見つけると悲鳴を発して人々に知らせるらしい。その声は過去に体験した悪い出来事を思い出している時にも聞こえてくる場合があるらしい。

 ※伝承1 昔、ある村人が長老の家の前を通り掛かった時に猿の悲鳴を聞いた。しかし、周りを見ても姿は確認できなかった。それから何日も掛けて猿は鳴き続けた。何人もの村人達がその悲鳴を聞き、長老本人も耳にした。しかし、聞こえない人もいた。猿は発見されなかった。数日後に長老の家に隕石が墜落し、その衝撃によって猿の悲鳴を聞いた数十人が死傷したらしい。

 ※伝承2 昔、ある村人が病を患った。何日も高熱が出た。周りの人間には聞こえなかったが、その村人は猿の悲鳴が聞こえると言っていた。そして、その村人は自分が過去に犯した殺人の罪を家族に打ち明け、それから悶え苦しんで死んだ。


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