アホのおじさん初登場 | ローマでお散歩

ローマでお散歩

ときどきローマ在住で、気まぐれ生活を送る私の、ガイドブックには載っていない、素敵なイタリア〈ローマ〉や
日本での生活、イタリア料理などをご紹介します。

朝早く、
アホのおじさんを迎えに
病院にいく。

アホのおじさんとは、
戸籍上の母の弟で←母とは父が違う。
身寄りのない
精神と身体の
障害者の叔父である。

私の人生、
なんだか知らないけど、
ばあちゃんに、
ばあちゃんの妹に
母にと介護がつづいて、
やっと自由になれた、、、
と思った矢先

アホのおじさんが、
駅前のエスカレーターから
転んで落ちて、
頭だけでなく、
体も身体障害者になってしまい、、、

姪の私が、
イヤイヤ、、なぜだか、、
面倒を見ている状態である。
東京にも
いとこや叔母はいるんだけど、、
な。。。

アホのおじさんがもう、
一人暮らしはもう出来ないと
わかった時は、
病院の先生に泣きついて
事情を話し、
出来るだけ
長く病院において欲しいと
頼みにいった。

ついでに、
長くではなく←できれば短くといいたいが、
楽しい人生が送れるようにと、、、

そんなアホのおじさんを連れて
今日は市民病院の眼科に行く。
前回は
市民病院のイケメン先生に←私の主治医
ニアミスで心臓が止まるかと思った。

神様お願いです。
どうか誰にも会いませんように、、
と、
毎回、
アホのおじさんを連れ出す時には
思っているが、

アホの野郎!
そんな私の気持ちは知らず、
行きたがる店は
若いカップルが行くような
お洒落なレストランや、
人が集まるモールなど、、、

まったく腹がたつ。

なぜ腹がたつかって、、
アホのおじさんは
60代。でも若く見える。

私の父に見えてくれるならまだましだが
運が悪いと、
年の離れたダンナに見られる
可能性もあるからだ。

それに、アホだから、
色彩センスはない。
上から下まで
全て違う色のボロボロの服で来やがった!

「この人は、障害者で
姪が親切に面倒見ている最中ですと、
タスキをつけて歩きたい。」

パスタがだめなら
寿司屋が良いというので
病院がえりに
寿司屋による。

まともに歩けないおじさんを
車から抱えて、
カウンターに座らせるだけでも
ジムで2時間鍛えるくらいのパワーを使う。

寿司屋の大将に
障害があり、手足が痺れている客がカウンターに
くることを断り←箸が使えない。

{26EAA81A-9644-4FFA-8FD2-D605924E630B}

特上寿司を注文する。

寄り添ってくるから、
気持ち悪いからやめろ!と言うと、
身体がくねっているからしょうがないと
文句を言うので
椅子を離す。

なんで、
アホのおじさんの面倒から
ランチまで 
おごらなきゃーいけないの
といつも腹を立てていた私だが、

おじさんの通帳をみたら、
私より
たくさん持っていたので、
今日からは、
おじさんのおごり。。。に決定

{812B9948-08F2-46D0-91F2-F15B108BB114}

⬆︎お寿司を食べてご満悦なアホのおじさん初登場

美味しいお寿司も
今日はおじさんのおごり。
でも、おじさんと一緒だと
美味しさがなぜか半減する。
ゆっくり味わっていられない。
{3BDD209D-9227-475D-84C0-1A43F50D3507}

奥にやってきた、
杖をついたおじいさんも
市民病院帰りの模様。
派手なタクシーの運転手のおばさん誘って
昼からいっぱいやっている。

今時の老人は、
スナックに行くのではなく
タクシーの運転手と
昼間からいちゃつくんだと、、
ビックリした。
これなら家で待ってる
母ちゃんにバレなく楽しめるのね。
{F1094B8F-698B-4E4F-96A6-CB57451D5F93}

やだな。
私も老人からたかるヘルパーにみえたかも?
いやいや、旦那に見えるくらいなら
悪徳ヘルパーにみえたほうがましかも知れない。


壁には美少年の絵が。
それも、フランスで活躍する
超有名な画家 松井守男作である。
あのコルシカ島に住む画家です。
{120D0C03-91FE-4E67-AF20-38FD011CA7DD}


実は、
松井守男氏は、
アホのおじさんの三軒隣の家で育った
地元出身の画家。

おじさんは、
年が離れているので
面識はないらしいが
私の母は、
一緒に小学校に通っていたらしい。

友達のS子の家にも
松井守男氏が描いたS子ママの
デッサンが飾ってあった。

どの作品も素晴らしい。

大将にに聞く。
takayukiってお孫さんですか??
微笑を浮かべた大将が俺だよと、、、

えっ??

もう一度、大将の写真⬇︎と⬆︎の絵画をみる。

無許可なので、大将みてたらごめんなさいよ。
{4B853367-77BB-44BB-A5FE-1482BF50C91C}


世界的な画伯には
すべてのものが美しく見えるようだ。

寿司屋の帰りに
アホのおじさんと買い物に行く。
上から下まで
ブランドもので、
トータルコーディネートしてやった。


オナラをプップコプップする
アホの野郎をつれて、
お買い物は、
本当に恥ずかしいが、
見るからにアホのファッションの
おじさんをつれて病院にいくより
ましだと我慢する。

歩けないはずのアホが、、
買い物に来て興奮したせいか
支えのカートなしでも、歩いてるし?!

あんた歩けるじゃん!

あ、あ、、、呆れて
疲れきった1日。
10時間労働だった。←労働基準法超えてるし。笑。


新しいハンティング帽をかぶった
おじさんが帰りの車の中で
悩みがあるとつぶやき出す。
 

医師も看護師も凄く親切で、
居心地が良いので
いつまでも置いてもらいたいが、
入院している患者が、
みんな頭がおかしくて困っていると。


アホは、やっぱり、アホだった。

あんたが入院しているのは
精神科ですよ、、、!!!

ホームも入れないから
長く置いてもらってるの。
と言っても
あ、そっかぁ〜と言うだけで
自分がアホな事には
気づいてないようである。

せめて、
楽しい人生を長くはなく送っておくれ。

あなたのために
私の人生が、、
終わりたくはないからさ。

障害者をもつ
正直な姪の気持ちである。

綺麗な病院で、
不自由なくくらし、
ときどき美味しい寿司を食べ
お洒落して看護士さんに
自慢して
院内で一番優等生でいれる叔父は
幸せな人生だと。
思うようにしている。