◆給与法改正案の呆れた中身
2010年11月25日10時00分 / 提供:ゲンダイネット
●首相の給与カットたった5000円
またかよ……。菅・民主党の公約違反にはゲンナリしてしまう。
先週末(18日)、与党などの賛成多数で衆院を通過した国家公務員の給与法改正案。結局、今年度の国家公務員の平均年間給与は、人事院勧告通りの1.5%引き下げにとどまった。これじゃあ公約の「国家公務員の人件費2割削減」には程遠い。かけ声倒れもいいところだ。
改正案には「一般職」の公務員だけでなく、大臣や政務官など「特別職」の給与引き下げも盛り込んでいるが、中身をよく見ると、これがまたヒドイ代物なのだ。
例えば、総理大臣の給与は改正前の月額206万5000円から206万円に、たったの5000円減るだけ。カット率0.24%に過ぎない。こんなの誤差の範囲内だろう。痛くもなんともない。国務大臣の引き下げ額も、月額で4000円(0.27%)ぽっち。公務員の削減水準に合わせたつもりだろうが、こんな形だけの削減で国民の目をくらまそうという魂胆がこすっからい。菅内閣には、お手盛り法案に異議を唱える閣僚もいないのか。
民主党は参院選のマニフェストで「政治家、幹部職員が率先して」給与を削減すると約束していたが、〈表〉を見れば分かるように、一般職の地方機関課長など末端の人ほど下げ幅が大きいのだからアベコベだ。
9月の代表選でも「人勧を超えた削減を目指す」と勇ましいことを言っていた菅首相は、「次の通常国会で給与をさらに削減できる法案を出す予定」とか言い訳し始めている。それなら、まずは自ら身を切ってみせたらどうだ。本気で公務員の人件費に切り込む気があるのなら、閣僚の給与10%自主返納とかでお茶を濁している場合じゃないだろう。
「民間企業だって、業績が悪ければ、まず経営陣の報酬を下げるのは当たり前。菅首相は消費税増税にまで言及したのだから、国民に痛みを押し付ける前に、率先して自分の報酬を大幅カットするのがスジです。だいたい、大臣や副大臣や政務官は人事院勧告の適用範囲外だから、一般職公務員の水準に準じる必要性はまったくない。それこそ政治主導で、2割でも3割でも、自分たちで決めてカットすればいいのです」(政策研究大学院大学客員准教授・原英史氏)
“良識の府”というのなら、参議院はこんなデタラメ法案は絶対に通しちゃダメだ。
◇改正前(月額)/改正後(月額)/引き下げ額/カット率
内閣総理大臣/206万5000円/206万円/5000円/0.24%
国務大臣/150万7000円/150万3000円/4000円/0.27%
副大臣/144万4000円/144万1000円/3000円/0.21%
大臣政務官/123万1000円/122万8000円/3000円/0.24%
事務次官/142万4260円/142万720円/3540円/0.25%
局長クラス/108万4420円/108万2060円/2360円/0.22%
地方機関課長(一般職)/48万3000円/47万6000円/7000円/1.45%
(日刊ゲンダイ2010年11月22日掲載)
<コメント>
国家予算93兆円というのは天下りの独立行政法人など作りすぎて雪だるま式に国の予算が増えたのが 原因になっているんです。10年前の予算と比べてみてください。デフレ時代なのにどれだけ国の予讃が膨れ上がっているか。その異常さがわかります。公務員が税金食い放題。これが実態なわけです。最近、公務員、元気でしょう? で、税金収入より毎年支出が大きいから、借金(国債発行で調達)して足りない分をまかなっているわけです。それで負債が止まらない。なので、どうにかしなければいけないけれど、正論から言うと、まず借金が増える原因を解消する必要があるのは当然ですよね。つまり国家予算を減らせばいいわけです。そのための国家公務員改革だったはずなんですね。それが財務省の入れ知恵だったのでしょう菅直人が鳩山に代わって総理になった途端、消費税増税を表明しました、そのときに公務員改革は頓挫したと見てよかったのでしょうね。つまり公務員数を削減するんじゃなくて国民から取って借金を減らせばいいだろう、ということですね。わかります?
菅の給料カットがたったの5000円なんだそうです。改革をひっぱる人間がですよ。総理大臣ですよ。大阪の橋下知事の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいぐらいですよ。これで本気で国の借金減らそうと考えていると思えますか?改革の意志を持っていると思えますか?昨日、鳩山と会談したときにたとえ政権支持率が1%になっても総理を辞める気はないと発言したそうですよ。ニュースになっています。菅は国会周辺の一流ホテルの一流レストランで毎晩仲間と会食ですよ。官房機密費あたりから出ているのでしょう。妻も一緒によく合流しています。実にあさましいと感じるのは私だけでしょうか。代表選のときのスピーチで小沢をさして「金にまみれた政治」と攻撃した菅ですが、改革どころか給料カットを公務員が決めた人事院勧告どおりの5000円減額で乗り切ろうという彼が果たしてこの国を変えられると思いますか?菅に一票投じた人もそのへん、よーく考えてください。カネへの執念を感じさせるのはいったい、どっちなんだ。カネまみれとか他人を攻撃している場合かって。ほんと、ココまで来ると大多数の国民も笑ってしまうしかないんじゃないでしょうか。