東京区政会館で「特別区議会議員講演会」を受講しました。講師は、明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科長 市川宏雄教授です。市川教授は、中央区基本構想審議会委員であり、中央区民でもあります。本日の演題は、「東京一極集中が日本を救う」です。
市川教授は、長年にわたり日本社会で東京一極集中の是非が問われてきたが、これからは東京が頑張らないと日本全体がもたない!という現実を全国民が認識し、共有すべきであると話されました。従来型の地方間の均衡ある発展や小東京を育成する政策などの見直しを行い、より厳しい政策の選択と集中が不可欠であると述べられました。加速する国際競争や日本の労働力人口が減少、そして社会インフラの老朽化対策などに対応していくためには、国家運営の視点から大都市東京の果たすべき役割や都市政策のあり方等について提起していく必要性があると訴えられました。その東京の役割とは、日本のエンジンになることです。
2020年東京オリンピック・パラリンピック大会を追い風に、日本に居住滞在する外国人が急増することが見込まれています。今後、日本が国際社会で生き延びていくためには、世界で一番ビジネスのしやすい国際都市づくりが重要であり、そのためには国の規制改革が不可欠です。中央区は、アジアヘッドクォーター特区の国家戦略特区の指定区域として積極的にバージョンアップしていかなければならないのかもしれません。皆さんは、この国家戦略をいかがお考えでしょうか。
■内閣府 国家戦略特区 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/
【法案概要】経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から、国が定めた国家戦略特別区域において、規制改革等の施策を総合的かつ集中的に推進するもの。
【指定区域】18区/23区
【規制改革メニュー】http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/menu.html
【規制改革検討方針】(平成25年10月)
1、医療
①国際医療拠点における外国医師の診察、外国看護師の業務解禁
②病床規制の特例による病床の新設・増設の容認
③保険外併用医療の拡充
2、雇用
①雇用条件の明確化
②有期雇用の特例 全国規模で有期雇用の期間延長
3、教育
①公立学校運営の民間への開放(公設民営学校の設置)
4、都市再生・まちづくり
①都心居住促進のための容積率・用途等土地利用規制の見直し
都心におけるマンション建設に際し、オフィスビルに容積を移転するなどの特例措置
②エリアマネジメントの民間開放(都市機能の高度化を図るための道路の占有基準緩和)
③滞在施設の旅館業法の適用除外
5、歴史的建造物の活用
①古民家などの歴史的建築物の活用のため建築基準法の適用除外など
②歴史的建築物に関する旅館業法の特例
■2020東京大会での外的危機要因
1、台風・水害対策:台風・ゲリラ豪雨・洪水など、気象災害の発生の可能性が高い。
2、地震対策:首都直下など可能性は常にあるが、台風等よりは低い。
しかし、発生のタイミングで対応の方法が異なる。
3、熱暑対策:2020東京大会が開催される8月は世界最高の酷暑。熱中症と集団食中毒への対応が必要。
4、電力確保対策:いかなる事態に対しても電力を確保しなければならない。
5、テロ対策:多様な形態に対しての対応レベルも進化。
6、火山対策:市街地内の自動車・鉄道運行と空港・新幹線などの交通への影響と停電対策。