日曜日の昼。チャーハンを食いたくなってやってきた。前に一回だけ入ったことがあるが、その時は爺さんがワンオペでやっていたのが、今回行ったら婆さんと若いメガネの店員の二人になっていた。ほどなくして爺さんは出前から帰ってきた。確認したわけではないが、爺さん夫妻とその息子で営業してるっぽい。先客は酒飲みに利用する中年が二人。ビール瓶を並べて盛んにダベっている。常連か？ ビールをどんどん追加している。俺のすぐ後からも中年一人が入ってきた。俺以外の三人が盛んにタバコを吸っているので副流煙がキツイ。これは雰囲気ポイントに反映しておこう。
前に来た時にはチャーハンを食べた。普通のチャーハンで、普通に美味かった。俺は街の日式中華屋のチャーハンが大好きなので、今回もまたチャーハンに。後から来た客はラーメン半カレーを頼んでいた。
実は今回は最初からこの店に入ろうと思っていたわけではない。最初は上板橋～東武練馬間（住所は若木）にある、一部で話題になっている「珍々亭」を狙っていた。430円のチャーハン、良いじゃないの！ そう思って向かったところ、店に着いたらやっていない。調べたら、平日の昼しかやっていないとのこと。仕方なく「それでもチャーハン食いてえなあ～、すっかりチャーハン腹だよ！」と思ってさまよっていたところで「光陽桜」を発見。ここだって500円。手頃な値段だ。店頭に自転車も停めて、すっかり入る気になっていたが、この瞬間、ふとすぐ近くの「あさひ庵」を思い出した。検索してみると、「あさひ庵」の口コミは一つも無い。「あさひ庵」の口コミ、俺が書いてやろうじゃないの！と意気に感じて入ったわけだ。なお、「あさひ庵」のチャーハンは550円。この時点ではちょっと後悔していた。
出てきたチャーハン、やけに盛りが良い。明らかに前回より多い。大盛りって頼んでないのに。付け合せは紅ショウガと福神漬け。具はごくわずかにチャーシューと卵とナルトやネギを刻んだの。味は薄目に感じたが、今回もやはり普通に美味い。必須の付け合せである中華スープは、豚の出汁が強めの具がネギだけのスープ。ややコッテリか。この匂い、スイーツ系「女子」はきついだろうな。恐らくこの豚強めスープがラーメンにも流用されるのだろう。
テレビでしっとり系板橋チャーハンが話題になったことがあり、中には行列を作った店もあった。しかし、しっとりチャーハンなんてそんなに珍しくなくない？ 俺はむしろ、素人にはなかなか真似できないパラパラ系の方が店で食べる時には嬉しい。ただ、しっとり系も嫌いではない。嫌いなのはベチャベチャ系。しっとり系も紙一重でベチャベチャ系になりかねない。それにパラパラ系は脂（ラード）を家庭ではありえないくらいたっぷり使うから、揚げたようになってパラパラするわけで、素人にできない理由は脂を投入する時にどうしても躊躇するからなのだ。なお、『美味しんぼ』の極初期に「パラパラチャーハンは鍋振りが云々」というネタがあったけど、あれは必ずしもそうではないことに最近気づいた。
同じような現象を利用したのが「揚げタコ焼き」だ。タコ焼きを焼いていて、仕上げに油をかけることで揚げるようにすると、表面がカリカリの美味いタコ焼きができる。チェーン展開する「銀だこ 」は、この方法を導入することで、焼き技術がそれほど熟練していない従業員でも美味しいタコ焼きを焼けるようにした。目から鱗、コロンブスの卵的な斬新な発想で成功している。焼き技術にこだわる大阪人からは「あんなんタコ焼きやない！」と毛嫌いされているようだが…いつものように話がすっかり脱線してしまった。
もう少しだけ脱線すると、鍋振りは具とご飯の撹拌の意味があるが、この撹拌がちゃんとできていないチャーハンも嫌いだ。前にレポした、撹拌ができていないチャーハンの店「香源 大山店 」は、その他の料理も撹拌ができていなかったのだろう。いや、とにかく雑だったのが悪評に繋がったようで、レポ書いてしばらくしたら閉店していた。今は同じ場所に家系ラーメン屋ができていたが、大山に家系ばっかり作ってどうするのか。
後からデザートとして切ったリンゴが出てきた。こういうの、ちょっと嬉しい。前は無かったはずだが。いや、あったかな？ 覚えていないだけかも。
店内に貼ってあった日替わり定食のメニューを見ると、ここは本格中華を堪能する店ではないことがわかる。本当に日常の食事を食べるための店。目の前の道をちょっと北上すると、四川料理の名店「吉祥軒」というのがある。店の造りは普通の街の中華屋だが、価格帯はやや高めで、出てくる料理もちょっと本格的。街に埋もれた名店って感じで、客の入りも良い。そういう店とは立ち位置が違う。この通りには、何故かこういったこじんまりとした中華屋が近くに4軒も並んでおり、いつも目移りしている。食べログの口コミによって店の傾向を把握しておけば、その時のニーズに合わせた店選びができる。実は俺自身、自分が過去に上げた口コミを後になって確認して「そうだそうだ、こういう店だったんだ。忘れてた！」と思うことが多くなった。便利な世の中になったもんだ（ジジイか）。
ところで会計の時に爺さんに多めに請求されて戸惑っていると、メガネの店員が修正したが、あれは「あれ大盛りじゃね？」って爺さんも思ったのかも。
Text by 大王
前に来た時にはチャーハンを食べた。普通のチャーハンで、普通に美味かった。俺は街の日式中華屋のチャーハンが大好きなので、今回もまたチャーハンに。後から来た客はラーメン半カレーを頼んでいた。
実は今回は最初からこの店に入ろうと思っていたわけではない。最初は上板橋～東武練馬間（住所は若木）にある、一部で話題になっている「珍々亭」を狙っていた。430円のチャーハン、良いじゃないの！ そう思って向かったところ、店に着いたらやっていない。調べたら、平日の昼しかやっていないとのこと。仕方なく「それでもチャーハン食いてえなあ～、すっかりチャーハン腹だよ！」と思ってさまよっていたところで「光陽桜」を発見。ここだって500円。手頃な値段だ。店頭に自転車も停めて、すっかり入る気になっていたが、この瞬間、ふとすぐ近くの「あさひ庵」を思い出した。検索してみると、「あさひ庵」の口コミは一つも無い。「あさひ庵」の口コミ、俺が書いてやろうじゃないの！と意気に感じて入ったわけだ。なお、「あさひ庵」のチャーハンは550円。この時点ではちょっと後悔していた。
出てきたチャーハン、やけに盛りが良い。明らかに前回より多い。大盛りって頼んでないのに。付け合せは紅ショウガと福神漬け。具はごくわずかにチャーシューと卵とナルトやネギを刻んだの。味は薄目に感じたが、今回もやはり普通に美味い。必須の付け合せである中華スープは、豚の出汁が強めの具がネギだけのスープ。ややコッテリか。この匂い、スイーツ系「女子」はきついだろうな。恐らくこの豚強めスープがラーメンにも流用されるのだろう。
テレビでしっとり系板橋チャーハンが話題になったことがあり、中には行列を作った店もあった。しかし、しっとりチャーハンなんてそんなに珍しくなくない？ 俺はむしろ、素人にはなかなか真似できないパラパラ系の方が店で食べる時には嬉しい。ただ、しっとり系も嫌いではない。嫌いなのはベチャベチャ系。しっとり系も紙一重でベチャベチャ系になりかねない。それにパラパラ系は脂（ラード）を家庭ではありえないくらいたっぷり使うから、揚げたようになってパラパラするわけで、素人にできない理由は脂を投入する時にどうしても躊躇するからなのだ。なお、『美味しんぼ』の極初期に「パラパラチャーハンは鍋振りが云々」というネタがあったけど、あれは必ずしもそうではないことに最近気づいた。
同じような現象を利用したのが「揚げタコ焼き」だ。タコ焼きを焼いていて、仕上げに油をかけることで揚げるようにすると、表面がカリカリの美味いタコ焼きができる。チェーン展開する「銀だこ 」は、この方法を導入することで、焼き技術がそれほど熟練していない従業員でも美味しいタコ焼きを焼けるようにした。目から鱗、コロンブスの卵的な斬新な発想で成功している。焼き技術にこだわる大阪人からは「あんなんタコ焼きやない！」と毛嫌いされているようだが…いつものように話がすっかり脱線してしまった。
もう少しだけ脱線すると、鍋振りは具とご飯の撹拌の意味があるが、この撹拌がちゃんとできていないチャーハンも嫌いだ。前にレポした、撹拌ができていないチャーハンの店「香源 大山店 」は、その他の料理も撹拌ができていなかったのだろう。いや、とにかく雑だったのが悪評に繋がったようで、レポ書いてしばらくしたら閉店していた。今は同じ場所に家系ラーメン屋ができていたが、大山に家系ばっかり作ってどうするのか。
後からデザートとして切ったリンゴが出てきた。こういうの、ちょっと嬉しい。前は無かったはずだが。いや、あったかな？ 覚えていないだけかも。
店内に貼ってあった日替わり定食のメニューを見ると、ここは本格中華を堪能する店ではないことがわかる。本当に日常の食事を食べるための店。目の前の道をちょっと北上すると、四川料理の名店「吉祥軒」というのがある。店の造りは普通の街の中華屋だが、価格帯はやや高めで、出てくる料理もちょっと本格的。街に埋もれた名店って感じで、客の入りも良い。そういう店とは立ち位置が違う。この通りには、何故かこういったこじんまりとした中華屋が近くに4軒も並んでおり、いつも目移りしている。食べログの口コミによって店の傾向を把握しておけば、その時のニーズに合わせた店選びができる。実は俺自身、自分が過去に上げた口コミを後になって確認して「そうだそうだ、こういう店だったんだ。忘れてた！」と思うことが多くなった。便利な世の中になったもんだ（ジジイか）。
ところで会計の時に爺さんに多めに請求されて戸惑っていると、メガネの店員が修正したが、あれは「あれ大盛りじゃね？」って爺さんも思ったのかも。
Text by 大王