大山にある巨大なアーケード街・ハッピーロードを駅からどんどん進むと、川越街道に当たる。その先には以前書いた「鳥多希 」があり、今はときわ台に移転した「龍神」もかつて存在した。さらにその先には家系ラーメンがあり、続いてこれまた以前書いた「土佐っ子 」がある。川越街道を進めばまだまだ愛用している飲食店が続くのだが、今回はハッピーロードを出るすぐ手前にある「香源」という店に来た。

この店舗、かつては我ら(執事含む)が溺愛する「福しん 」があった所で、居抜きで代わった。やたらとメニューが増加し、売りは「ちゃんぽん」「皿うどん」って…長崎か? 明らかに中国人の店員ばかりで、注文がおぼつかない。入店してもお冷一つ出される雰囲気が無い。いや、入った時点で店内が臭いのに辟易した。今まで俺の鼻が効いたのか自然と入店を避けていたけど、どうやら地雷のようだ。今回はそれをあえて踏みに行ったところもあった。

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何故避けていたこの店に入ったかというと、あまり持ち合わせが無かったのだ。中国人経営の中国料理屋ってとにかく安い。大丈夫かってくらい安い。「福しん 」にも中国人店員はいっぱいいたけど、味付けは完全な「日本の中華料理」だった。しかし、新店舗になったことでリミッターが振り切れるかのようにそっち側へ。値段も格段に安い。と言っても福しんも全然安いんだけど。もう一つの理由は、俺はこの時チャーハンが食いたかった。しかも目一杯食いたかった。「福しん 」の大盛りチャーハンも食ったことがあるが、ちょっとインパクトに欠ける。少しくらい野暮でもいい、強烈なインパクトが欲しい。そんな胃の状態だった。最安値の玉子炒飯(480円)を大盛り(100円)にすると580円。これに決めた。

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接客の遅れを取り戻すがごとく、ものすごく早く大量の奴がお出ましになりやがった。だが、多いのはご飯だけ。具は卵とわずかなチャーシューとネギ。明らかにバランスが悪い。五目とか頼んだわけじゃないから文句は言えないが、この寂しさは何だ。撹拌が足りないせいか、ご飯が白いまんまの部分がある。黄金炒飯とは言わないが、もう少ししっかり馴染ませてくれよ。調理をしてくれよ! 作業じゃないんだよ! スープも卵、基本だからそれに則ったのだろうが、卵がかぶるからわかめにアレンジするとかないのかよ(めんどくせー奴)。全く感動の無いまま腹だけは満タンになり、店を出た。

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福しん 」は何故こんなのに取って代わられたのだろうか。中国人店員は元々「福しん 」の人で、クーデターでも起こして乗っ取ったのだろうか。気になって検索してみたら、同じ名前の店は大山だけでなく曙橋や下井草にもあった。それも、どこも同様に旧「福しん 」の店舗だという。福しんグループが相次いで撤退したのか、独立を推奨したのかは定かではない。今も営業している「福しん 」には、相変わらず中国人店員がいる。彼らにも彼らなりの派閥みたいなものがあるのかもしれない。そんなこと俺は知る由もない。ただ、代わるなら代わるで全く違うテイストの店にするか、良い部分だけでも受け継いでもらうとかして欲しかった。

聞く所によると、大山は商店街としては日本でも指折りの規模と動きがあることから、店舗の賃料がバカ高いそうだ。実際、入れ替わりも激しい。大山の場合は「福しん 」が一時3店舗もあったので、淘汰されるのは致し方ないが、どうせなら全く違う魅力を持った店に代わってもらいたかった。中途半端に似ているから、どうしても比較しちゃうんだよなあ。

Text by 大王

香源 大山店中華料理 / 大山駅中板橋駅
夜総合点☆☆☆☆ 1.6