深夜に腹が減って上板橋南口界隈をフラフラ。上板南口銀座の辺りで決断に迫られる。川越街道を渡れば、ちょっと前に行った「大番 」があるけど、すぐまた行く気(獣臭を嗅ぐ気)にはなれない。「福しん 上板橋店」も悪くないんだけど、たまには違う店にも行ってみたい。そこで目についたのが、深夜営業をしているこの店。初訪問か、あるいは相当以前に入ったことはあるけど、全く味は覚えていない。初心の気分で入る。

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入るとカウンター席しか見えず、一見客にとっての敷居は高めだが、オッサンになった俺には全然問題無し。深夜営業が定着しているようで、先客は常連らしく泥酔して完全に呂律が回っていない。中板橋の「昇家 」やさっきの「大番 」みたいに、深夜の居酒屋替わりに使う客も多いみたいだ。

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ラーメンセットは850円。ラーメンと餃子とライスとお新香でその値段は高いと見るか低いと見るか。出てきた物次第。

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卓上常備調味料に業務用の豆板醤がドカンと置いてあるのがすごい。どんだけ辛党が集まる店なんだ。そういえば、辛いだけのラーメンだかタンメンを出すので有名な店 が、このすぐ近くでやっていたな。若い頃は行列に並んでそこの極地探検にも挑んだ。汗をかきまくりつつ挑んだ結果出てきた結論は「辛いだけで旨味は皆無」。今思い出しただけでも、鼻の下に汗をかく。同じ辛いなら、「大沢食堂」みたいに辛いけどそれ以上に美味いというものを出して欲しい。なんにせよ、この界隈には辛い物好きが集まるのか?

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そんなことを考えていたら、まず餃子が出てきた。ニンニクがタップリ利いた小振りのもの。俺はニンニクが好きだし、明日大切な誰かと会わなければいけないわけでもないからいいけど、接客業の人とか営業の人はやばいな。

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続いてラーメン登場。丼はなかなか大きく、ボリュームは十分。スープは塩味が強い。基本的な中華そば風で醤油ラーメンではあるが、透明感が強い。獣臭とかもない。チャーシューはバラ系で味は薄目。柔らかく、臭みも無い良い出来だ。具は他にわかめとメンマの細切りがたっぷり、海苔が一枚乗っかっているけど、ワカメと海藻系がかぶるからいらないのでは? 麺は極細縮れ麺なので、早く食べないと伸びそう。全体としては、まずくはないが絶品かと言われたらそうでもない。ただ、しょっぱさ以外は丁寧に作られている感じがして好感が持てる。一杯550円だが、それだけの価値は十分あると思う。再訪して食べてみてもいいが、その際には運動して塩分を体が求めている状態で臨みたい。

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なお、お新香は卓上に置いてあるつぼ入りたくあんを食べ放題。しかし、ここに置きっ放しだとセットとか関係無いのでは…ご飯のおかずにはちょうどいいけど。また塩分摂りすぎだ。

深夜というのに、店主はやたら大声を張り上げている。鍋蓋をどかす音もうるさい。作業が乱暴で雑だ。ラーメンはあれだけ小奇麗な感じで臭みとか雑さを感じないのに。むしろ、丁寧とか慎重とかいう感覚を、全てラーメン作りに投じたのかもしれない。塩味だけは雑さが抜けなかったが。

Text by 大王

あおやぎラーメン / 上板橋駅
夜総合点★★☆☆☆ 2.5