関西系のスタイルを売りにしているチェーン店で、都内中心にかなり多数の店舗を展開している。二度漬け厳禁ソース、突き出し代わりのキャベツは食べ放題という大阪の名店「だるま」等のサービスを踏襲しているのが売りで、全体的に安いし昼にはランチもやっているので何回か行ったことがある。ただランチは安いだけでしょぼいし、揚げ物は頻繁に食べたいと思うこともないので訪問数は少なかった。この日は仕事終わりの日曜の夜、降り立った十条駅近辺で一杯引っ掛けようかな、とふらついている時。タイミング的には直前に訪問したのが「七ふく 」という串揚げの店だったものの、もっとベタベタな串カツの店に入りたい、と考えていたところに日替わりサービスの看板が目に入ったことがきっかけだった。

本当は十条駅近辺で串かつを食べるなら、「串一」という店に行きたかったのだが、つい先日閉店してしまった。ほとんどカウンターだけのこじんまりとした店で、タイムサービスとかもやっていて安かったし、店長のあしらいも好きだった。そんな店に不似合いなチャレンジメニューとしてワニとかカンガルーなんかも扱っていて、ワニは昔食ったことあるけど硬かったな、でも今度は食ってみようかな、なんて考えつつも訪問が滞っていたら無くなってしまった。急すぎるよ! 第一、元々この「でんかな」のある所には「龍馬」という立ち飲み串カツの店があったはず。人知れず静かな串カツ抗争が繰り広げられていたのかな。

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日替わりはセロリ浅漬け。「ひなた 」とかでよく頼む手軽な一品で、最近のお気に入り。脂っ気のあるものにはさっぱりして良く合う。まず店内のポップで目についた野菜5本セット。それと、さすがに野菜だけだと寂しいので肉5本セットも。直後に気付いたが、それなら10本セットの方がお得だった…。

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あと、塩煮込みというのがある。これはもしや「第三秋元屋 」の同メニューに触発されたのか? 思わず頼んでしまう。飲み物はもちろんホッピー白。

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最初に出てきたセロリは、やたら削り節がかかっていたけど、これはいらないんじゃ……。

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野菜は玉ねぎ・なす・しいたけ・アスパラ・レンコン。失敗した、アスパラ嫌い! 野菜の中でも数少ない、酸性だから。俺は肉ばかり食うから体が酸性に傾いていて、野菜でアルカリ性にしたいんだ! 味的にもアスパラに何の魅力も感じない。中身を聞いてから頼めば良かった。

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肉は牛、鶏、もち豚、ウインナ、メンチ。全て揚げ物は揚げ立てが一番美味い。特にこの中では一番安っぽいメニューのはずのメンチがジューシー感も味わえて一番美味しく感じた。衣も厚過ぎず、柔らかさも魅力に感じる。

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塩煮込みは味付けに関してはやはり秋元の方が圧倒的に洗練されている。あそこの具はもつだけだったように思うが、ここのは具にやたら大根が目立つ。いろいろ入れたせいか雑味が出てしまったようで、生臭さもただよう。また、豆腐は後入れなのか、やや冷たい。こうなりゃ備え付けの柚子胡椒をたっぷり入れて、ふろふき大根みたいにしてやる。

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最近は「田中 」等他にも関西を意識した串カツ屋が都内近郊でも目立つ。ここのドリンクメニューにも「なにわ○○サワー」とか前面に関西色を押し出しているが、本当の関西の人からしたらしょせんバッタもんやないか、怒るでしかし!と突っ込まれてしまうと思う。情報や人の流れも盛んになって、味付けとかはかなり平均的に同じようになりつつある。どうしても関西色を味わいたければ関西まで足を伸ばすのが一番であり、そこに行くと個性が強過ぎてどうしても関東まで流れてこない味を味わえる。それが口に合うか合わないかはともかく、求めているものは間違いなくその違和感、非日常の物に遭遇する驚きだろう。俺も昔は出不精だったが、仕事の都合もあってここのところ旅に出ることも多い。そして楽しい感動を体験している。皆にもぜひ旅食いの良さを伝えたいので…この後の俺のレポはけっこう旅ものが増えます!

Text by 大王

串かつでんがな 十条店串揚げ / 十条駅東十条駅
夜総合点★★☆☆☆ 2.7