前回の記事の続きです。

さて、こうした状況を踏まえて日本サッカーはどうしていくべきなのか。

私たちは日本サッカーのために何ができるのかということを考えていかなければならないと思います。

「日本サッカー発展のためにオレらは何が出来るのか」

さて、ここまで書いてきましたが1つ言っておきたいのは、日本サッカーのレベルが決して低いわけではないということです。

最近海外リーグに挑戦する日本人も増えてきており、日本代表ナショナルチームのFIFAランキングも昨年10月までは44位とアジアで1番。

何度も言いますが、アジアナンバー1なのです。

ちなみにサッカーのルール変更の決定権を持つ国際サッカー評議会(IFAB)はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドサッカー協会の「英国4協会」とFIFAによって組織されていますが、そのうちのスコットランド、ウェールズ、北アイルランドにはFIFAランキングで上回っており、Jリーグ発足20年でここまでの成果が現れているのは自信を持って良い部分だと思います。

そしてこれは私自身の経験によるところですが、日本でプロになれなかった選手はこうしたFIFAランキングが格下の国でプロになれるチームを探した方が給料も良いし、サッカー環境も恵まれていると思うのです。

これが私たちが出来ることの1つ目。

・日本でプロなれなかった奴はどんどん海外リーグへ挑戦しろ!

私自身、高校生の時に全国優勝を経験しましたが、ベンチメンバーとして途中出場ばかりでした。

大学生では九州1部リーグに所属するチームで1年生からレギュラーでしたが、関東リーグや関西リーグのレベルの高さに驚き、とてもプロを目指そうなどと考えていませんでした。

しかし、ロンドン留学で実際にヨーロッパでプロを目指している人たちとプレーして「正直、オレ通用する部分あるわ!」と思ったのです。

しかも自分で思っただけではなくチームメートからも何でプロ目指さないの?と聞かれました。

友達に詳しく話を聞くとスコットランド2部リーグで月20万もらいながらサッカー出来るというありえない話だったので、本当に悩みましたが日本でサッカー関係でしたい仕事が見つかったということもあり帰ってきました。

だから日本でプロになれずにくすぶっている選手には声を大にして言います「海外へいけ!!と。

現在タイリーグやオーストラリアリーグに挑戦する日本人が増えていますが、現在は日本人が飽和状態みたいなので、私はヨーロッパに挑戦することを強くオススメします。

そしてその方法が分からないなら、サポートもします。

とにかく海外へ行って、プロ選手としてキャリアを積んでコーチになるも良し、語学をマスターするのも良し、日本とその国との架け橋になったり、日本の若者に情報を提供できるような存在になったり、日本を世界に開国させるために尽力するといった活動こそが日本サッカー発展に貢献することだと思います!

そして、私たちはサッカーをもっと身近にするべきです。サッカーを見て、プレーして、伝えていくことが大切だと思います。

・サッカーに本気になれる場所づくり。

これが次にすることではないでしょうか?実際に文部科学省が2000年に出した「スポーツ振興基本計画」で掲げられた課題として「生涯スポーツ社会の実現に向けた、地域におけるスポーツ環境の整備充実」があり、全国の市町村に少なくとも1つは総合型スポーツクラブを育成し、成人の週1回のスポーツ実施率が2人に1人となることを目指すとしています。

また、現在日本ではJリーグ百年構想プロジェクトをJリーグが中心となって進めています。

地元に芝生のグラウンドを。地域スポーツクラブを。という活動を行っており少しずつその成果も上がってきています。

私たちにできるのはこういった活動に参加すること。自らもスポーツ活動を行うことが第一歩だと思います。

これは私の尊敬する起業家の本田直之さんが自身の本「エクササイズのレバリッジ」として紹介されていたことですが、「企業トップ80人を9カ月にわたって調査した結果、日常的にエクササイズをしていた人は、していなかった人に比べて、体調が良くなった人が22%多く、複雑な決断を下す際の能力が向上した人も70%多かった。

またGM社によると、フィットネスプログラムに参加していた社員は仕事に不満を述べることが、参加していなかった社員に比べて50%少なく、時間のロスも40%少なかったという」という研究結果もあります。

どんなに仕事が忙しくとも、体が疲れていようとも休日をゴロゴロ過ごすのではなくスポーツ活動を通して仲間と汗をかくことは気持ちが良いことに加えて、仕事の効率も上がるのです。

最後、3つ目に実際に競技場に足を運んで、試合を観ることです。

最初にも言いましたが、これから日本サッカーが発展していくためにはサポーターがレベルアップしていかなければなりません。

地元のクラブをスタジアムへ行って全力で応援し、エールやブーイングを選手に浴びせることが最高の愛情表現だと思います。

私自身も帰って来てからサンフレッチェ広島のサポーター会員になりました!
今年はサンフレッチェ広島とともに歩もうと思っています。

また友達や家族を巻き込んで応援に行くことも、とても大切なことです。

試合を観に行かない人の大半は、試合の見所や面白い所が理解できていないまま漠然と観ているからです。

サッカーを知っているあなただからこそ伝えることのできる知識や、面白さを教えてあげることできっと更に試合を楽しめ、感情を共有できることでしょう。

さいごにここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

日本サッカーとイングランドサッカーの違いとこれから私たちが出来ることについて、ここまで述べてきた訳ですが、1つ言っておきたいのが、ここで書いたことはあくまで私個人の感じたことであるということです。

私自身もまだそこまでサッカーに詳しいかというと自信はありませんし、これからまだまだ経験しなければならないことがたくさんあります。

しかし私がこうして発信しようと思ったのは、これは私にしかできない役割だと思ったからです。

先日、立命館大学で講師をされていて日本人サッカー選手の海外挑戦を語学面からサポートされている西条正樹さんとお会いさせて頂く機会があり、日本で海外の情報の少なさ、日本人選手の海外志向の低さという観点でとても熱いお話をしていただきました。

この話に私はとても深く共感するとともに、私の持っている情報は発信しなければ意味がないと思いました。

それがロンドンでお世話をしてくださった渋谷さんをはじめとするロンドンジャパンの方々やWinchmore hillのAndy監督、FAライセンス取得に協力して下さったスタッフや友達に対する恩返しである、また義務であると思ったからです。

私自身はこれからもっとサッカーやスポーツを日本に普及していくような仕組み作りに関わっていける人間なりたいと思っています。

こちらでしかできないことも多くあると感じているので、これを読んでくださっている方々の「スポーツ活動の実践」そして私は「仕組み作り」をともにしていくことが重要であると考えています。

日本サッカー協会のアクションプラン2015で掲げている日本代表ナショナルチームのFIFAランキング10位以内、サッカーファミリー500万人を目指して一緒に頑張っていきましょう!

山室