オージーサッカーの特徴として、「各チームは、移民たちを中心としたコミュニティを母体にして
成り立っている」ということは以前から取り上げています。

例えば、多久嶋顕悟選手が所属するBonnyrig City White Ealgesは、セルビア系。

僕が所属しているHurstville City Minotaursは、ギリシャ系というふうに。

本日は、日本人の南部隆太くんも所属している、ポルトガル移民によって立ち上げられたFraser
Park FCというチームの紹介です。

Fraser Park FCは、現在NSW州2部(日本のJFL相当)に所属するチーム。

Fraser Parkのホームグラウンドは、レストラン、バーなどが併設された複合コミュニティサイト内
にありました。

オージーサッカー・フットサルに挑戦!
ごらんの通り、チームエンブレムには、サッカーポルトガル代表チームと同じものが使われています。

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スタジアムゲート。入場料はAU$10。

リーグでは、最下位から2番目と苦しい状況ですが、また残り2試合の結果次第では、残留も
確定する大事なときです。

この日の相手は、Dullhich Hills。ともに、残留争いをしており、絶対に負けられない試合。
南部隆太は、前節でスーパーゴールを決めており、この日もスタメン出場!

試合は、後半、イングランドでプロ経験もあり、Fraser Parkのエースでもあるアレックスがヘ
ディングシュートを決め、先制。

しかし、その直後に、GKのミスから痛い同点弾を決められ、1対1の振り出しに。

しかし、我らがジャパニーズ、南部隆太がだまっちゃいませんでした。

ゴール前で得たフリーキックをアレックスがゴールニアサイドに蹴り込み、GKがはじいた所を、
抜群のコントロールで押し込みました!

もみくちゃにされる南部隆太。。

そして、そのまま試合は2対1のまま終了し、Fraser Parkが残留に向け、大きな大きな勝ち星を
あげました。

詳しい試合の様子は、南部隆太ブログにて。


試合後、チームの祝勝会があるということで、南部君の取り計らいもあり、参加させてもらっちゃ
いました。
オージーサッカー・フットサルに挑戦!
チームの勝利ということもあり、会場はポルトガル系オーストラリア人たちでごった返していました。
料理なども無料でサービスされます。


近くのバーでチームメンバーの祝勝会が行われました。

オージーサッカー・フットサルに挑戦!
もちろん、看板はポルトガルカラー。

オージーサッカー・フットサルに挑戦!
バーの壁には、オーストラリアポルトガルコミュニティを支え続けたであろう歴代のお偉いさん
たちのネームがずらりと並んでいました。

そんなコミュ二ティの人たちに見守られ、チームメンバー・スタッフたちが勝利を祝いだしました。
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そして、もちろん、この日のヒーローは得点を決めた、アレックスと南部隆太!

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チーム全員がビールを浴び続ける中、南部隆太が飲んでいたものは、オレンジジュース。

プロ意識が違います。

こんなやり取りもありました。

監督「ナン、おまえもビールを飲め!」

南部「いや、お酒は控えてるんで、ぼくは飲まないっす。」


This is Australia~♪♪

ちなみに、チーム関係者でも何でもないのに、僕もビールを一本ごちそうになっちゃいました。

This is Australia~♪♪

それにしても、シーズン途中での移籍で、チームに加入することですら、困難な状況なのに、よく
ここまで、チームにとけ込んだと思います。

もちろん、結果をだし、チームの勝利に貢献したということが、なによりも大きな信頼を得られた
要因。

逆に言ったら、ただのアジア人が、コミュニティを中心としたオーストラリアサッカーチームに受け
入れられるということは、並大抵の努力では不可能なのです。

同じ程度の実力であれば、当然バックグラウンドが同じ選手を使うのは当たり前のこと。

そうしたハンデを乗り越え、オーストラリアの各チームで活躍する日本人選手を暖かく見守っていた
だけたらと思います。

ところで、こうしたオーストラリアのコミュニティサッカーを表現するのによく使われる単語があり
ます。

representative

日本人には、「代表者、代理人」という意味でお馴染みの単語だと思います。

しかし、こうしたコミュニティチームを表現するときには、「代表選手」という意味合い。

もちろん、「国を代表する」なんていう時にも使われますが、やはりここでは、


「俺たちのコミュニティを代表する選手たち」


単一民族国家である日本では、存在しない概念なので、なかなか理解するのに難しいと思いますが。

そうそう、僕の所属するギリシャ系のチームは、先週末、同じギリシャ系のチーム(Belmore
Hercures FC)と対戦したのですが、もうそりゃ試合前から火花散りまくってます。

このチームと対戦する1週間前の練習から、「あいつらにまけたら、死ぬのと同じだ」なんて監督
から言われるわけですよ。

そんで、練習もいつにもまして、みんな気合い入ってるし。

渦中の外に置かれた僕は、モチベーションづくりに困ります。笑
まあ、日韓戦のようなものだと言えば、分かりやすいと思います。

試合は、3対4で我がチームが負けたのですが、両チームロッカールームに戻っても、相手チーム
は僕らに向かって、勝利の歌を歌い続けます。

それにプッツンした、うちのチームのメンバー1人が、相手ロッカールームに殴り込みに行くわ、
本当にもう大変。

そんなコミュニティ同士の戦い、という意味合いが強いオージーサッカー。
ラグビーなどを見てもわかるように、あの屈強な闘争精神は、こうしたことから育まれるのかも
しれません。

最後に、南部選手の試合風景と試合後のインタビューです。





英語もこんなに上達しちゃいました。