久々に書きます。
昨年末と新年から、今までお取引をしていないお客様と連続で沢山会いました。
直ぐ様、お取引を開始して下さる方、ゆっくりお時間を使って、今後のお取引を模索する方といらっしゃいます。
既存商品の切り替えと、商品開発的な関係で商談するのでは意味合いが違うので、当然な流れにはなります。
うちの農場の理念は農業ルネサンスを目指す。
そして、農業ルネサンスには、ただ、自分の作ったものを売るのでは無く、お客様のニーズに合ったものを作る、それが「売れる」コツであり、自己満足のモノを作るのをやめる、作る側の理論で作らないと考えてきた。
だから、新しいお客様には、ニーズを聞く、ニーズを理解する努力をする、お客様が抱える課題を聞く、こんな事を意識してきた。
しかし、年末にお会いした大手小売業の方に、農業現場で困っている原材料を活用して商品を作る事こそが、今の農業を良くする為には必要だと、逆説のような温かいお言葉を頂き、
そして昨日の飲食業の方からは、ニーズとしてこんな言葉を頂いた。
「私どもの考え方は得意な事を、得意な人がやるという事です。不得意な事を無理難題でお願いするのは間違えています。御社は何が得意なのですか?どんな野菜ならば、安価で、良い品質で、安定して作れるのですか?その野菜を教えてもらえれば、その野菜を使って商品を考えます。」
ずっと、お客様の課題を見事達成する事こそが、技術であると思っていました。
お客様のニーズに応える事が出来るのが、生命線だと。
しかし、ある意味、逆説的になるが、この野菜ならば絶対にお値打ちだというモノを提案してくれというニーズは、とても新鮮なニーズであった。
うちの武器は、こういうものを作ってみてくれ、こういうものが欲しいんだという課題を、調査能力と情報収集能力で乗り越える事が他社にないものだと思い込んでいた。
では、逆にうちの農場が誰にも負けないパフォーマンスで提供出来る野菜って本当は何なんだろう?
確かに農場を設立して、10数年。見たことも聞いた事も無い様な野菜を沢山作って来た。
抽象的なニーズを手探りで具現化する事をずっとやってきた。
その結果として、今、作り続けている野菜がある。
作るのが苦手な野菜は明確に把握している。では、得意な野菜って・・・・・
本当にイタリア野菜が得意なのだろうか?
それはたまたまニーズで作ってきただけで、本当はもっともっと、付加価値が高い野菜ってあるのかもしれません。
新しい角度からのニーズ。
新しいお客様から刺激を頂きながら、ニーズという言葉の深さに感嘆しながら、
お客様が喜んでくれる野菜を目指して、前に進んでいきたいと思います。