可能性というもの論、その14。
ひとつ前のその13はこちら 。
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やはり、Aちゃんの問題を説く姿を見ると、迷いがありました。
私は、彼女に届くように、ちょっと特徴的な点と、
今までのやり方で十分解けることを一生懸命に伝えた記憶があります。
またおいでね、と話し、
親御さんにも今日の授業の趣旨などを報告する電話もし。
しかし、Aちゃんはもう塾には姿を現しませんでした。
受験の日を迎え、合格発表を迎え・・・
結果、不合格でした。
いや、持っていた偏差値でも合格確率は決して高くありませんでしたから、
当然に不合格だったのかもしれません。
塾に来なかった影響は私にはわかりません。
ただ、Aちゃんはこれだけの受験勉強をしてきたものの、
S心だけしか受けていませんでした。
親のエゴ、と片付けるべきか私はわかりません。
でも、ひとつだけ、学力相応の学校を受けて受かっていれば、
きっと自信にはなっただろうに。
そう思わずにはいられませんでした。
最後にAちゃんと話をした電話。
彼女は落ち込んでいる様子が伝わってきます。
私は、ここまで頑張ったことは絶対今後生きるし、
中学に行っても勉強は続けるんだよ、という趣旨のことを
話したように覚えています。
いや、伝わったかなぁ・・・。
きっと、人生で初めて、競争社会での負け戦を経験した。
これがなんらかのステップアップに繋がれば。
だって、彼女だって偏差値を20くらい、上げたのですから。
これって、すごいですよね。頑張ったのだ、間違いなく。
それに、まだ小学生。
中学受験の失敗なんて、高校受験、大学受験、就職活動、
あるいは大学院などなど。
いろんな場面でリカバリーできるし、可能性はまだあるのだから。
さて、Sくんは、どうなったのでしょうか。
その15に続く。