昨晩、一色伸幸さん脚本のBSプレミアムのドラマを観たんだけど、実験的な撮影方法の難しいドラマだった。WOWOWでやっていた三谷幸喜の「大空港」のようにワンシーン・ワンカットのカメラワークで、キャラクターの点でも、まとも、な金儲けを嫌う父親・寛治に翻弄されてしまう子供の秀一が「いい人」じゃない。

主人公の秀一には弟がいて、弟の方は、あたかも、今日から始まった朝ドラの『まれ』のヒロインのように、父を反面教師に「地道でコツコツ」穏やかな家庭を求めているんだけどね。


結末の駅前食堂のシーンの、奥田さんと瑛太さんがブルーハーツを歌う場面は秀逸だった。私には、踏み越えたように見えた。「4分間のピアニスト」というドイツ映画があったが、そのラストもこんな感じだったいうに思う。こういう書き方も、出来たんだ。どのみち激しい対峙の中から、相手に対する優しさの欠片を、あくまで欠片だけど、掴み取れるんじゃないか。

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