松山市住宅情報館会長日記 『円高99円』

 

上がったモノは下がる。下がったモノは上がる。原油価格だって穀物相場だって、株価だって成績だって、物価だって政治家の支持率だって、上がったモノは下がり下がったモノは上がる。当然為替レートの変動も同じです。昨夜1ドル99円の速報が入った。1ドルが110円台だった為替相場だったが再び100円を切ってしまった。

 

私達が子供のころ1ドル360円だった。アメリカで1ドルの商品を買うには360円支払っていた。2000年ころには100円で買えるようになり、4年前では75円で買えるようになった。輸入業者や海外旅行をする者にとっては追い風となった。同じ商品を売っても沢山のドルに換算されるからだ。同じ100円でも沢山の商品(沢山のドル)を買う事が出来るからだ。 しかし円高は輸出業者は打撃となる。同じ商品を輸出しても手取りのドルが減ってくるからです。日本は輸出で儲かる貿易立国の為、輸出産業にとっては厳しい環境が続き、不景気なデフレが20年以上続いたのでした。

 

その後安倍政権の登場になってアベノミクスで物価を上げると言う政策が発表された。景気が良くなると言うことで株価も上がった。物価が上がれば日本商品の価値は下がる筈です。先を見越して円安が始まった。1ドルが100円を越え110円を越え円の価値は下がっていった。円安に向かった。円安によって外国からの投資も増えた。日本の土地も中国人始め外国人にたくさん買われた。自動車産業など輸出業者は息を吹き返した。

 

しかし輸出業者は何時までも円安に浮かれてはおられない。なぜなら安倍政権があの手この手と経済政策をとっても消費者物価は上がらない。日本の商品はインフレにならない。ゼロ金利政策も効果が薄い。安倍政権の失敗と言うが誰がやっても経済政策は難しい。外交力で外国のリーダーと伍して戦える政治家は今の日本には居ない。近々民進党のリーダーが変わる。政治は弁論大会ではない。知識を使った聡明才弁な人でなく、広い見識に立った深沈重厚な人間力のあるリーダーの登場に期待する。話は戻るがインフレ政策の限界を感じている人が増えたと言うことにもなる。すなわち日本の円は強い価値があるという事で円は再び上がり始めた。再び円高が始まったと言う事になる。

 

 遂に昨日1ドルが再び99円になってしまった。浮かれていた輸出業者は大変です。しんどかった輸入業者は再び喜ぶ。円高になると外国から見たら日本の土地や日本の商品は高くなる。海外からやってくる観光客には逆風になるが、海外旅行する者は嬉しい話である。消費者にとっては外国商品が安く手に入るので良い面もある。人間社会においては上がったモノは下がり、下がったモノは上がる。為替の歴史も繰り返される。為替変動には一長一短があり、悪い面だけ見てはいけないし良い面だけを見てもいけない。どちらが良いのか単純に判断できるようなことではない。