今日、訪問リハビリで、屋外歩行練習をしました。その利用者さん(Bさん)は、左片麻痺。屋内では装具を装着してT字杖で歩行自立されている方で、屋外でもう少し早く長い距離を歩けるようになりたいという希望があります。最近、屋内では膝、股関節を上手く使って歩けるようになってきましたが、外では前の歩き方(ピーンと突っ張った下肢を骨盤から持ち上げてぶんまわす)になってしまいます。アスファルトは凸凹で、しかも歩行者が歩く道路の端は坂になっているので、そう思って歩いているとのこと。凸凹を感じて恐怖心が出るのか、あらかじめそう思って硬くなっているのか、どっちもあるかなあ・・・と言われていました。

そのBさんに、今日はアスファルトの道路に出たところで私がBさんの後ろに立ち、Bさんの骨盤に触れながら一緒に足の裏を感じて「馴染む」ことから始めました。Bさんは足尖のほうが浮いていることに気いたので、私も一緒に足尖を感じて・・・をしばらくやってから歩きました。一緒に歩きながら私も自分に言い聞かせるように「馴染んで」と声に出していいながら歩いていると、屋内で歩いているのとあまり変わらないくらい、膝が前にでて歩けました。

 

しばらく歩いていると、私はなんだか立ち止まりたくなりました。外を歩いているんだけど、周りの空間がないことに気づきました。そこで「一度とまりましょう」といい、止まって周りの風を一緒に感じました。春のいい風です。今日のBさんは、まだ歩きながら同時に周りを思うことは難しい感じがしたので立ち止まることにしました。それから、道路からBさんの自宅のガレージに入った瞬間、私はBさんの気持ちがすごくわかりました。「ほっとする・・・」道路とガレージでは空気が全然違う。一歩入っただけで、まだ屋外には変わりないのですが、守られた空気を感じました。Bさんが外で緊張するのがよくわかりました。

 

実は、以前、屋内でBさんの歩行練習をしている際、少しバランスを崩されて装具の中で足が動き、軽い捻挫をしてしましました。Bさんは骨粗鬆症もある方で、その前にも屋外を歩いているときにバランスを崩して足のゆびを骨折されたことがあると聞いていたので、私自身、今日の屋外歩行練習はかなり慎重になっていました。私もBさんと一緒に緊張して歩いていたのです。だから、ガレージに入った時、一気に緊張がほぐれたんだろうと思います。

私自身が緊張していたら相手もそうなります。反省。でも、Bさんの気持ちが少しわかったようで、私にとってはいい体験にもなりました。今度はアスファルトに加えて、「空間に馴染む」ことを私がまずやってみようと思います。