バイクシェアリングの時代 | 徐さんの中国通信

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渡航する度に新しい発見があるのは、中国です。

3月、当社「中国投資視察団」で上海と杭州を見て回りました。視察団は上場企業を視察するための旅ですが、今回はその上場予備軍を目の当たりにして、日進月歩とはこういうことかと改めて中国の変化の激しいことに驚きを感じました。レンタル自転車です。

日本では、カーシェアリングのアイデアがもう数年も前から紹介されていますが、普及にはハードルが高く、一部に止まっているようです。ところが、昨年中国訪問の時、あまり見かけなかったレンタル自転車ですが、もう上海の町中を走り回っているのではありませんか。

後発ですが、バイクシェアリングの時代に突入したのです。

 

 

バイクシェアリングことレンタル自転車のことですが、スマホアプリをダウンロードし、デポジット99~299元(各社により)をアリペイ(アリババ)やWe Chat Pay(テンセント)などの電子決済で支払えば、誰でも自由にこれを利用することができる便利なシステムです。

 

4月22日はアースデー(Earth Day・地球の日)。昨年(2016年)のこの日、摩拜単車(Mobike)科技有限公司は上海でMobikeアプリのオンラインを発表し、レンタル自転車の運営開始を宣言しました。そして同年9月1日北京でも同業務を開始して現在で主要36の都市で自転車のレンタル事業を開始しました。

摩拜単車は2014年自動車ジャーナリストの胡瑋煒(35)が独立して創業したもので、2015年法人化し、上海でスマホアプリのオンラインを発表した同社王暁峰CEOは「市民一人一人が支払える価格で便利な短距離移動を手助けしたい」と摩拜単車の理念を語りました。

 

しかし、摩拜単車は中国初ではありません。最初にバイクシェアリングを実用化したのは、北京大学のキャンパスで始めたoFoというプラットホームです。在校生5人が考案し、キャンパス内で始めたレンタル事業が評判になって間もなく一般公開し、レンタル料金も学生の場合は0.5元(30分)、社会人は1元(30分)のお手軽料金で、あっという間に普及し始め、現在43の都市までサービスを拡大し、今年から米シリコンバレーと英ロンドンでサービスを開始する計画だと言います。

「中国投資視察団」の最終日、上海で旧租界地の四川北路を見てみようと、虹口公園(現在名:魯迅公園)を朝早く向かったところ、入り口周辺には黄色やピンク、青など遠目でも業務用とわかるレンタル自転車があちこちにずらりと並んでいるのが見えたのです。スマホでバーコードを読み取ると、簡単にアプリがダウンロードでき、電子決済でデポジットを支払えばだれでもすぐに利用できる優れモノでした。

 

前出、摩拜単車は2月20日、シンガポール政府傘下の投資会社テマセク・ホールディングスからの投資を受けたことを発表し、3月1日から同事業をシンガポールで始めたことを明らかにしました。

現在、レンタル自転車の事業に国内では少なくとも6社が参入し、大手VCやエンジェル投資家から億ドルを超える出資を受けていることも伝えられています。バーコードやデポジットの安全性など問題点も指摘されていますが、需要が旺盛で、問題点を改善されながら、ベンチャー企業として上場する日もそう遠くはないでしょう。

 

 

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