物理的な○○○○が、
観念的な○○○○を作り出してしまったって事?
ちょっと長めです。
□□□□□□質問□□□□□□
例えばこんな会話。
後輩:「暑っ。キンキンに冷えたビール飲みてぇ!欧米では、平日の昼食にビール飲んだりする奴もいるみたいっすね。」
先輩:「あー、そうなんだ。」
後輩:「ヨーロッパがOKなら、それがグローバルスタンダードでしょ。うちの会社もOKになんないっすかねぇ?」
先輩:「それは無理……だろ。」
後輩:「えーっ!何でっすか?あっちはOKなのに?何でダメなんすか?」
先輩:「それは、………………………………………」
さて、どう反論しましょう?
□□□□□□私なら…□□□□□□
私なら、こんな感じ。
「個人差はあるけど、一般的に日本人の方がアルコールの分解能力が低くて、その影響を排除出来ないからかな?欧米人はビールくらいじゃ酔わねぇんじゃねーの?……」
どうです?皆さんもこんな感じ?
この理屈の前提は、
当たり前の事を言うようですが、
・一般的にサラリーマンやOLが昼食や休憩時間にビールを飲む事は許されない
・そしてその理由は「お酒だから」
つまり、
アルコールが脳、中枢神経に影響し、仕事に支障を来すリスクがある、、、
だからダメ……
……だと思うんですけど・・・?
□□□□□□ノンアルはダメ?□□□□□□
6月、ノンアルコールビール(以下「ノンアルビール」)に関する議論がありました。
ヨミウリオンラインの「発言小町」の投稿によると、
30代OLの投稿者が、休憩時間に職場でノンアルビールを飲んだら、
上司に1時間も注意されたうえ、会社を休み反省文を書くよう命じられたとか。
本件そのものの問題点は、他にあったかも知れませんが、、、
「休憩時間にノンアルビールを飲む事」に関して、、、
コメント欄は、否定、批判の嵐。
「非常識」「信じられない」「節度ある行動をすべき」「だらしない」等々。
何故、ダメなんでしょう?
□□□□□□アルコール含有?□□□□□□
前述の通り、良いと悪いの境界線はアルコール含有か否か…のはず。
その意味では、
「ノンアルビールと言ってもアルコールが全く無いという訳ではないから」
という意見は、理屈は理解出来ますね。
特に、初期の製品や輸入品には、
「1%未満のアルコールを含む」ものがあるようです。
ただ、この理屈だったら結論は超シンプル。
アルコールを含むノンアルビールはダメだけど、
アルコールを含まないノンアルビールは何の問題も無い!
「0.00%」表示のものなら問題無いようです。
「職場でノンアルビール」一般を否定する根拠にはなりませんね。
逆にこの理屈では、アルコールを微量でも含む食品はダメって事になるはずですけど、
昼食に奈良漬けはダメって事?
※ちなみに、
【ビール酒造組合によると、2010年12月現在において日本の大手4社ではアルコール分を含む商品は生産していない】(Wikipediaより引用)
□□□□□□TPO?□□□□□□
でも多くの人は、
「ビールがダメな理由」とは別に、
「ノンアルビールがダメな理由」があるみたいです。
どんな理由でしょう?
ダイヤモンドオンラインの記事によると、
否定意見の多くは、「TPOへの配慮」らしいです。
「なぜ勤務中にアルコール気分を味わう必要があるのか」
コーラを「ノンアルコールコーラ」と呼ばないのと比較して、
「ノンアルコール○○」と銘打っているものは、
「アルコールの代用品」で、
アルコールを連想させるので、
アルコールを飲むシーンを想定したTPOが求められる、、、
……っていう事らしいです。
「アルコール気分」が曖昧ですが、
おそらく、
「お酒を飲むような華やかな雰囲気」
「仕事を終えた後のリラックスした雰囲気」
が、オフィスというTPOに相応しくないって事かな?
それでは質問ですが、、、
お茶やコーヒーでリラックスするのは問題無い?
「スカッと爽やか」な雰囲気の飲み物はダメではない?
……何故?
どうやら「スカッと爽やか」とも「コーヒーで息抜き」とも違う何かが、
「アルコール気分」にはあるようですね?
□□□□□□アルコール気分の源□□□□□□
ではそもそも、その「アルコール気分」なるものを醸し出すものは何でしょう?
「ノンアルビールはお酒コーナーにあります。だからそういう扱いです」
何気無い意見ですが、ポイント突いてます。
ただその先を考えましょう。
では質問、、、
何故「お酒コーナーにある」んでしょう?
そもそもノンアルビールとは何かといえば、
製造法は幾つかあるようですが、
「麦芽を主原料とした炭酸飲料」
とでも言えばいいでしょうか。
それ以上でもそれ以下でもない。
それが「ビールの代用品」として認識されるのは、
「お酒コーナーでノンアルビールとして売られている」から。
では何故「お酒コーナーでノンアルビールとして売られている」か……
確かに、ビールの代用品として開発されたんだと思いますし、
「未成年の飲酒の切っ掛けになるリスク」や、
「問題が起きた時の予防線」等の理由もあると思いますが、(この点について後述…)
要するに、
売り手が売る方法としてそう決めたからですよね?
酒類販売業免許が不要な「麦芽を主原料とした炭酸飲料」を、
「ノンアルビール」として「お酒コーナー」に置いているのは、
売り手が判断、決定した売り方に過ぎません。
【注:業界団体、メーカー、小売店含めて『売り手』と表記しています】
□□□□□□ビジネスの判断□□□□□□
例えば、
同じ商品が、ターゲットや目的を変えて、
違う商品名、違う流通ルートで売られる事ありますよね。
・カゴメの「甘熟トマト鍋」は、
元々、プチ贅沢なイメージで共働き夫婦をターゲットしていたそうですが、
中身を少し変えて、
子供がいる家庭をターゲットにして大成功。
・シュレッダー用ハサミも、
元々は刻み海苔をつくるためのハサミ。
お客さんからの「シュレッダーとして使ってる」という意見を聞いて、
商品本体はそのままで、使い道と商品名だけ変えて売ったたんだとか。
・「ストッキング」も、今は「シアータイツ」。
今の若い女性が「昔からあるアイテムであるパンスト」を身に付けず、売上が減ってきたので、
「新しいアイテムとしてのシアータイツ」として売っている訳です。
・ノンアルコールスパークリング梅酒とかもほぼ梅ソーダと同じじゃない?
「どんなカテゴリーで」「いくらで」「どのターゲットに」「どんなイメージで」「どの流通にのせて」「どういう風に宣伝して」など「商品をどう売るか」は、
マーケティング戦略として、
売り手が売るために勝手に判断して決める事です。
複数刃のハサミを、
「刻み海苔用」として売るのも、
「シュレッダー用」として売るのも、
売り手のビジネス上の判断。
「麦芽を主原料とした炭酸飲料」を、
「ノンアルビール」として売るのだって、
売り手のビジネス上の判断。
梅ソーダではなく、ノンアルコールスパークリング梅酒を売るのも、
売り手の判断。
数ある選択肢の中から選択した、
企業のビジネス上の判断の一つに過ぎません。
□□□□□□ただの○○○○です□□□□□□
つまり、
「アルコール気分」なるものの源である「ノンアルコールビール」は、
○○○○って事です。
分かります?
「ノンアルコールビール」は、
企業が商品を売るために判断して貼り付けた
「レッテル」に過ぎないって事です。
ちなみに、
ここでの「レッテル」は、
「商品にはりつける商品名などを表示した札」
の意味。
□□□□□□消費者の自由□□□□□□
でも、
法に反したり、健康に害がある場合はべつとして、
消費者が売り手の都合や、その貼られたレッテルに縛られる必要は全くないでしょう。
・全身CHANELで、
コンビニで電気代払うのも自由。
・ロールスロイスを『痛車』にするのだって自由です。
・大人が粉ミルク飲んでもいいし、
・「一晩置いたカレー」を再現するために、コクと甘みを加える目的で桃のジュースを加えてもOK。
・高校生でも浪人生でもないのに大学受験用の英語の文法書を使うのも自由です。
・もちろん、刻み海苔用のハサミをシュレッダー代わりに使うのも自由だし、
・「甘熟トマト鍋」を大人の味にアレンジしても構いません。
売り手の貼ったレッテル、
売り手の想定する消費のされ方ではないでしょうが、
消費者がそんなものに縛られる必要は全くありません!
売り手の都合で、
「ビールの代用品」のレッテルが貼られたものを、
「アルコール気分」で飲もうが、
「喉の乾きを潤すため」に飲もうが、
消費者の自由。
□□□□□□レッテルに騙されるな!□□□□□□
「麦芽を主原料とした炭酸飲料」を、
職場で飲むのは良くないと感じるのは、
売り手が売るために作ったイメージに無意識に縛られているという事ですよね。
大企業の影響力すげーなー。
社会の常識とかマナーとかのスタンダードまで決めちゃうんだから。
ただの経営判断なのに、、、
ただのレッテルなのに、、、
ちなみに、「レッテル」は、
「人物や物事についての断定的な評価」
の意味でも使われますね。
つまり、
売り手が売るために「ノンアルビール」という物理的なレッテルを貼り、
↓
「ビールの代用品」として、「お酒を飲んではいけない時に雰囲気を味わう用」
「お酒を飲めない人が、酒の席の雰囲気を壊さない用」
「お酒を飲まない奥さんが夫の晩酌に付き合う時用」
等のプロモーションをし、
↓
「お酒コーナー」で売ったら、↓
結果として、世間によって、「アルコール気分」「オフィスで飲んではいけないもの」という観念的なレッテルが貼られてしまった訳ですね。
しかもそれが「マナー」と認識されて、
何の疑いもなく、自由であるはずの人間の行動を制約してしまう……
企業や団体のマーケティング戦略は、
社会人として弁えなければならないマナーの基礎となる価値観ではないでしょう。
□□□□□□何?何故?が大事□□□□□□
企業の貼ったレッテルに過ぎない固定観念の枠を外して、
物事の本質から考えるべきでしょう。
原材料は何か?
アルコールを含むか否か?
他人に迷惑をかけるか?
物事の本質(本件の場合は、「原材料」、「アルコール含有量」)からは、
麦芽を主原料とした炭酸飲料であって、お酒じゃない。
オフィスで、
ビールを飲んでいい気分になられると迷惑ですが、
ノンアルビールを飲んでリラックスしてもらっても誰にも迷惑はかかりません。
□□□□□□付加価値は?□□□□□□
問題は上司の対応でしょう。
1時間も注意したうえ、
会社を休み反省文を書くよう命じる?
その上司とOLの1時間、、、
反省文を書く一日、、、
その時間は、何の「付加価値」も生み出していません!
ただ「労働生産性」を下げてるだけです!
ノンアルコールメーカーのビジネスの都合で貼られたレッテルに囚われて、
従業員の人生の貴重な時間を奪っちゃってます!
上司のやった事って、
企業のマーケティング戦略に過ぎない商品イメージに縛られ、
そのイメージこそが真理だと思い込み、
そのイメージを基にマナーを仮想し、
勝手に仮想したマナーの普遍性を盲信し、
その盲信したマナーを共有しない事を蔑視し、
人間の限りある時間を無駄に費やし、
会社の労働生産性を低下させた、
要するにそういう事。
□□□□□□創造性は?□□□□□□
上司は、「職場でノンアルビール」がビジネスマンとして問題と思っているんでしょうが、
たかだか企業が貼り付けたレッテルにさえ囚われている方がビジネスマンとしては問題ありだと思います。
そんな固定観念に囚われているようでは、
創造性も発揮出来ません。
「この物質の性質からはこの製品には使えないはず」という固定観念に捕らわれていると、
画期的な製品の開発なんて出来ません。
「この機能はこういう目的の為にしか使えないはず」という固定観念に捕らわれていると、
巨大なマーケットを見逃してしまうかも知れません。
□□□□□□提案□□□□□□
同じ事はノンアルビールメーカーにも言えますよね。
この出来事から分かるのは、
ノンアルビールをオフィスでの息抜きに飲みたい人はいるのに、
ノンアルビールメーカーが自ら貼ったレッテルが原因で、
「オフィスでのリラックスタイムに飲む、コーヒーやお茶の代替品」
というマーケットを逃しているって事ですね。
そのマーケットにアプローチしない手はありません。
中身そのままで、
「ノンアルコールビールとは言わせない!会社で飲んでも文句を言われない麦芽炭酸飲料」
「難消化性デキストリン」とか「コラーゲン」ではなく、
「医薬部外品のタウリン3000mg入りノンアルコールビール」
「残業を乗りきれ!麦芽炭酸エナジードリンク」
等の可能性があるかも知れません。
流通ルートには工夫が必要かも知れませんが。。。
むしろ、
中身もカテゴリーも流通もそのままで、
「ノンアルコールビールを飲んで、終業まで頑張ろうキャンペーン」
なんてどうでしょう?
オフィスでノンアルビールをゴクッと飲んで、
力強く、
「よし!今日中に仕上げるぞ!」
って仲間と頷きあう、、、
……そんな企業戦士CM流すだけでも良さそうに思うんですけど。。。
レッテルの貼り直しですね。
このアイデアを無料でお譲りしますので、
メーカーさん、御一考を。m(__)m
□□□□□□私なりの反対意見□□□□□□
「お酒コーナーで売る」理由の一つである、
「未成年者の飲酒を助長するおそれを抑制するという趣旨」とか、
「問題が起きた場合に、対策は採っていたというエクスキューズの趣旨」が、
「休憩時間にオフィスでノンアルビールを飲むのはTPOに合わない」
という意見を正当化する根拠にはならない事も、
一応ことわっておきます。
ただし、
従業員に未成年者がいる場合は、、、
「未成年者の飲酒を助長するおそれがあるから…」
……という理屈は無い訳ではないですね。
まぁ、自分の所の従業員に遵法意識、判断力が欠けているって事を想定する方が問題ですけど。。。
あと、お客さんと直接触れる場面は別です。
そこには、正当な論理とは別の力学が働きますので。。。
□□□□□□おわり□□□□□□
長々と書きましたが、簡単に言うと、
「ノンアルビール」は商品を売るためのただのレッテル。
マナーの基礎となる価値観などではありません。
「麦芽を主原料とした炭酸飲料」を飲んでも迷惑にはなりませんよね。
逆に、コーヒーの薫りは苦手って人、いるんじゃないですか?
コメントの傾向通り、
納得してもらえない?
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長めの記事にお付き合い頂き有り難うございました。
m(__)m