なのは「3か月ぶりのエントリーだよー」

はやて「ずっとさぼっとったん?w」

なのは「そ、そんなことないよ。史料集めたり整理したり、仕事も忙しかったし、冬コミの合同誌原稿もあったし…」

はやて「って、ちゃっかり冬コミの原稿やっとったんかい!」

フェイト「仕事の日程上、サークル参加も一般参加もできないけど、合同誌2つに寄稿させてもらったんだって。それより史料を集めてたっていうのはどいうこと?」

なのは「うん。以前にHPの『戦後朝鮮人の送還について』っていうコンテンツで、終戦直後の在地在留朝鮮人の朝鮮帰還について見てみたよね」

はやて「あー、十年ほど前のことになるんやなぁ…たしか軍人軍属や徴用で来た人を優先して送還して、一般在住者はそのあとで集団送還とかなんとか」

フェイト「GHQの指令SCAPINや大阪府の史料とかも見ることになったんだよね」

なのは「それそれ。当初は一般在住者の話だけ見ていたんだけど、行きがかり上、復員軍人・軍属や応徴士(被徴用者)の送還についても見ていくことになったんだよ。でもね…」

フェイトはやてでも?」

なのは「ここ数ヶ月の間にいろいろあって、徴用に関してもっと突っ込んで見ていく必要が出てきたの」

フェイト「いろいろあってって、どんなこと?」

なのは「うーん、ややこしいし長くなるしちょっと公表できないような話になるので、そこはスルーして。とにかく、徴用そのものについて見ていくことになったの」

フェイト「先行研究はいっぱいあるんでしょ?」

なのは「徴用だけじゃなくて一般在住者も含めての送還になると多くないの。作者がHPでコンテンツを作ったころに、同じ大阪府史料を用いた論文が出たりしてるんだけどね」

はやて「まさかパクったw」

なのは「作者がその論文の存在を知ったのが今年だし、作者がパクったってことはないわ。それにその論文を読んだけど、作者が使っている別の史料を読めばある程度分かるようなことに触れてなかったから、向こうがこっちをパクったり参考にしたことも無いと思うの」

フェイト「その論文の中身はともかく、先行研究や参考史料についての記述、紹介があったから役には立っているみたいだね」

はやて「ほんで、具体的にはどんなことを見ていくん?」

なのは「やっぱりまずは送還関係が主体かな。コンテンツ作成時にはわからなかったことや見られなかった史料に触れて、穴埋めをしていく感じ。たとえば、初期の段階で送還の実務に当たるよう規定された興生会がその後どうなったかの話とかね」

フェイト「えーと(コンテンツを読み直す)、中央興生会が1945(昭和20)年11月15日に解散、地方の興生会はそれ以降順次解散したり改組したりしながら朝鮮人送還に関与していった…のかな?」

はやて「大阪の場合は翌1946(昭和21)年1月31日に解散して、日鮮協会ってのが後継団体になったんやったね」

なのは「うん。でもね、それは大阪の話であって、他の府県では事情も変わってくるの。送還業務に関与するのが、興生会やその後継団体のままだったり、県の厚生課になったりとバラバラっぽいんだよね」

フェイト「自治体ごとに違うんだね」

なのは「そんなわけでいろいろ史料も集まったし、見ていこうかな?ってね」

フェイト「でも、徴用の話って、ここ最近、数年くらいでいろいろ問題出てるよね?」

はやて「ん?あー、個人補償がどうのこうのとか『軍艦島』がどうとか」

なのは「個人補償については昔からある運動だけど、日韓基本条約に伴う協定等によって相手国への請求は実現しないし、条約は個人補償の放棄までは既定していないという判決は昔から出ているけど、自国政府に訴えろ、でおしまいだしね…問題は後者の方だよ」

フェイト「軍艦島?」

なのは「長崎市の沖合にある島で正式名称は『端島』、明治以降海底炭坑で栄えた島だよ。2015年に、この島を含む遺跡・遺物群が、国際記念物遺跡会議(イコモス)によって『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』として世界文化遺産に登録されたの」

はやて「あ!強制連行で朝鮮人らがどうのこうのされたからふさわしくない!って韓国や日本国内の団体が反対しとったやつや」

なのは「それだよー。その反対に対する問題は二つあってね。まず一つ目は明治期の産業発展の遺産の話なのに、昭和期の話を持ちだすことが妥当か?ってこと。二つ目は朝鮮人に強制連行や過酷な労働が強いられたのか?ってことだと思うの」

フェイト「一つ目は言いがかりだよねぇ…まるで『現代中国の建国功労者』として毛沢東に触れるときに、『大躍進政策や文化大革命の罪悪があるから建国の功労者ではない』なんて言うようなものだよね。時期も内容も別の問題だもん」

はやて「二つ目はややこしそうやな…強制連行や過酷な労働、あるいは差別とかが『無かった』こと自体は証明しにくいし」

なのは「とある物事について『有った』ことは証明しやすいけど、『無かった』ことの証明は難しいよね。政府かその関係で『軍艦島』の実相についての展示、施設の企画もあるみたいだし、そこでは『過酷だった』『過酷ではなかった』のような結論主張は要らないから、史料を淡々と展示してほしいよね」

はやて「相手と同じ土俵に乗ったらあかん、いうわけやなw」

なのは「というか、主張や結論ありきで動いたらダメだよ。もしどこかの国や団体、研究者が何らかの主張・結論を持った研究を出してきたなら、それを実証的に批判検証していけばいいだけなんだから」

フェイト「作者の好きなやり方だね」

なのは「というわけで、徴用について見ていくと、『軍艦島』の話にも関係してくるかもしれないよ、ってことなの。それとあと一つ…『歴史戦』なんて唱えて噴き上がっている連中はさっさとくたばってほしいの」

はやて「えらい過激なことをサラッと言うんやな」

なのは「主張や結論ありきで史料を読んだり報道したりする上に、『敵』に簡単に揚げ足を取られる程度の稚拙な理解把握、言説を垂れ流すからね。しかもこっちまで『味方』と思われかねないし、無能な働き者以上に迷惑だよ」

フェイト「(そんな新聞あるのかなぁ…)」