図書館で、たまたま目についた 沙藤一樹『D-ブリッジ・テープ』。
…著者名と、タイトルになんだか覚えがあるような?
「どなたかのブログでオススメ記事を読んだかな?」
はっきりと思い出すことはせきなかったけど、薄~い本だし、
お金がかかる訳じゃないし…借りてきて、読み始めたら。


あぁ!もしかしてこれはっ!?

以前、Kyatutaさんが「絶対に読まないでください」と忠告をしていた本だっ。


…読み始めてすぐにその忠告を思い出したので、助かりました(T▽T;)
「残酷で生理的嫌悪感を煽る様な描写が多々…。」

私はそういう作品、好きでも得意でもないけど、
身構えていれば、それほどショックは受けない。想像力をシャットダウンしておく、というか。
感情移入しないで、客観的にストーリーを追う、というか…。
このお話はとても短いので、そういうドライな読み方で読み切れました!


感想は。「ちょっと勿体無かったなー」です。


ある少年の死体と一緒に見つかった一本のカセットテープ。
そのテープには、彼の声が吹き込まれていた。

読者は既にこの世にはいない、彼の悲痛な訴えを聴かせられる…。


この趣向、この設定!!ちょっと心惹かれますよね?
でも、残酷シーンに気をとられずにサクサク読み進んでしまうと、
「面白い」と思えるような展開も無く、サプライズも無く。
…行間に彼の息遣いを感じられるくらい、どっぷり浸って読まないと
この作品の実力は分からないんでしょうね~。

私にはムリっ(>_<)!!


私と同じく、「浸る」自信が無い方は、読まないほうが、良いです。


D-ブリッジ・テープ/沙藤一樹
虚構と日常。

評価:☆
近未来。不法投棄のゴミに溢れた横浜ベイブリッジは、“D-ブリッジ”と呼ばれている。
D-ブリッジで、1人の少年の死体と1本のカセットテープが発見された。
清潔な会議室に集まる大人たちの前で、今、カセットデッキの再生ボタンが押される…。
「もし、今、これを…聞いてる奴が、いたとしたら…最後まで、聞け」