本当は教えたくない店第二弾。
歴史や素晴らしき技術・伝統は受け継がれていくもの。
そしてそれは、食文化の世界でも同じです。
「四川料理の父」、四川飯店初代オーナーシェフ、陳健民さんの一番弟子が作る中華料理のお店をご紹介します。
『吉華 上野毛店』です。
東急大井町線 上野毛駅から歩いて約10分。
環八通りを杉並方面へ向かっていくとオレンジ色のお洒落な建物が。
そっちらには陳健民さんから学び、、陳健一さんや名だたる中華料理シェフの兄弟子。
本場中華を受け継ぐ、久田大吉さんがシェフを務めますお店です。
著名人の方や石原都知事も食べに来る、受け継がれた本物の麻婆豆腐ランチがこちら。
「「甘味」「辛味」「酸味」、そのバランスがどれも崩れてはいけないんですよ。」久田先生がおっしゃるように、辛いだけのただの麻婆豆腐でありません。
コク、辛さ、そしてその中にある深見、ほんのわずかに感じる甘さ。
そして、何より豆腐が美味しい。プルプルした舌ざわりと食感。ソースだけでなく、ここにもこだわりを感じました。
受け継がれてきた歴史と、作り続けた年月と技術、そして熱く優しい気持ちが詰まった一品です。
今まで、高級店やホテルの中華も食べてきましたが、こんなに深く美味しい味わいは初めて。
自分は本当に感動した味です。
でも、しかし、他にもオススメの料理はたくさんあります。
海老のチリソース炒め
二品はランチメニューにはないのですが、特別に作っていただきました。
海老は肉厚。プリップリの最上級。
カシューナッツ炒めは、山椒の辛みと、生姜の香り、うま味。そしてカシューナッツの甘味が見事に重なり合います。
陳健民シェフが初めて広めた日本風「ケチャップ」を使ったチリソース。
辛味、そしてコクがあり、ネギの甘さが際立つソース。これが海老と非常に合います。
素材にこだわり、味にこだわり、それをずっと守り続けてこられている久田先生。
ホールにいる人間が一番お客さんを知っている。ホールさんと話し、お客さんに合わせて、好みの味や麺の固さなどを決めてらっしゃるそうです。
フレンチの一流店でも、客の背丈に合わせて盛り合わせを変えたり、味付けを変える、という話をフードアナリストの講座で学びました。
味だけでなく、来てくれるお客さんへの感謝や優しさ。まさに最上級のホスピタリティ。
お話を聞いているだけで、その優しさ、思いやりがひしひしと伝わってきました。
常に料理の事、美味しいもののことを考えて、それが夢にも出てきてしまう。
そんな久田先生だから、受け継がれた味をずっと変わらず守り、進化し、今の味があるのだと思います
今風の中華の味に慣れてしまった人には、ちょっと違和感を感じる人もいるかも知れません。
辛いだけの麻婆豆腐が大好きな人には?マークがつくかもしれません。
興味あって行かれるそんな人は、「ちょっと辛めに」って言ってみてください。
これは受け継がれし本物の味だと自分は思います。
ホッできる雰囲気と、素晴らしい美味しい料理と笑顔が迎えてくれる店。
ぜひ機会がありましたら、試してみてください。
吉華 上野毛店
東京都世田谷区上野毛3-14-10 カーサ上野毛2階
03-3704-6234