某店で,毎週火曜日の深夜帯に,該当週末に販売開始する新商品のリリース告知を行っているのですが,何とその告知日の早朝(と言うか深夜 1:00前後?)に緊急告知がありました.
『16/10/11 NEW!
Brand New Source of "928"
12 minutes recording before the show-start
「まさかこの中に警察の方 いらっしゃらないでしょうね?」(9:13)→場内困惑
Sound quality: VG+/Excellent
Total recording time: 177 minutes (all new source)
Includes the complete version of "Whole Lotta Love"
Unfortunately there are some serious tape damaged and several cuts on "Since I've Been Loving You" & "Dazed And Confused"
Some important tracks are missing from the original tapes (sadly), but sound is mostly OK and this is enjoyable stuff
詳細は10月11日(火)深夜にご紹介致します。』
同時掲載されていたカセットの写真
何と,レッド・ツェッペリン初来日 4公演目に当たる,1971年9月28日大坂フェスティバル・ホール公演の新発掘ソースでの商品リリースです.
この日の音源は既発で,Wendyレーベルから 『 Please Please Me (WECD-710928) 』,Tranturaレーベルから 『 Please Please Me (T3CD4-1~3) 』,Last Stand Discレーベルから13枚組の 『 Live In Japan 1971 (LSD-47~59) 』,Mud Dogsレーベルから 『 Come On Everybody (MUD DOGS-008~010) 』,Empress Valley Supreme Discレーベルから 『 GTO 928 』等々、数多くのタイトルがリリースされています.
7月に,BLIND FATH から,『ロックカーニバル 飛行船野郎狂熱のロック』 がリリースされ,そのボーナス・ディスクとして1971年9月28日大坂フェスティバルホール公演の Black Dog の SBD(:SoundBoard)音源が付属していたのは記憶に新しいですし,レッド・ツェッペリン・ファンにとっては驚きでしたが,今回は,新発掘の同日のオーディエンス音源がリリースされました.
しかも,今まで "Whole Lotta Love" メドレーは,不完全で,後半部分は不明だったのですが,今回は "Whole Lotta Love" メドレーを完全収録.
これだけでも,無条件に買いです.(笑)
ピンク・フロイドの箱根アフロディーテ新音源がリリースされる前日にも,このような緊急告知がありましたが,店のこの音源にかける意気込みが判りますね.
当然,10月11日深夜告知の翌日には
「 10/12 ★レッド・ツェッペリン「928」のナンバー入りシール・ステッカー付きは予約完売致しました。お問合せ多数の為、急遽100セット(No.201~300)を用意させて頂きました。本タイトルはこれにて終了となりますので、オーダーの方はお早めにお願い致します。 」
通常,200枚のプレスですが,今回はプレス数も増加させた模様.
11時20分頃にお店のHPを参照すると,既に予約完売
「 10/12 ★レッド・ツェッペリン「928」は予約完売致しました。 」
凄い!
プレスCD 300枚を半日で予約完売.
音像は少し遠目ですが,中々バランス良く各楽器の音を捉えています.
開演前の12分間収録しており,開演を待つ当日の様子をドキュメント的に知る事ができるのも興味深いですね.
充分,聴ける音質ですが,"Black Dog" 以降,篭った感があるのは少し残念,またマスター・テープの劣化等に伴う "Since I've BeenLoving You","Dazed And Confused" 等は,流石に厳しいものがあります.
今回は,提供者からのカセットをそのままプレスしているようですが,この公演日は複数のオーディエンス録音("Black Dog" はサウンドボード有)が存在するので,後,数か月もすれば,トリートメントのし直し含め,同日の疑似完全盤が販売されるのでは無いかと思います.(笑)
ただ音の質感等を調整するのは,かなりの作業になるでしょう.
後は,BLIND FAITH がボーナス・ディスクとしてリリースした,同日の "Black Dog" のサウンド・ボード音源の全長盤が何時頃リリースされるのか.年末商戦でしょうか.
メーカー情報では
『二週間ほど前の929関連アイテムの再リリースは元々ZEP初来日公演から45周年を記念して企画されたものであり、新音源リリースではなかったにもかかわらず、ここでの告知から驚くべき速さで完売、改めて1971年来日公演の絶大なる人気ぶりを痛感させられました。それどころか、この時の再リリースをきっかけとして初来日公演の新たなテープの提供者が現れたのだから驚きのタイミングでした。
ZEP初来日公演と言えば今や武道館初日と929こそ決定的な高音質音源のアイテムがそれぞれに存在していますが、それら以外の公演となれば音質が悪かろうが、不完全収録であろうとも注目されるであろう、大きな歴史的価値を持っているもの。なんということでしょう、今回のリリースに当たって提供されたマスター・カセットの音源は9月28日の大阪フェスティバル・ホール初日公演、つまり「928」の新たなオーディエンス録音だったのです。
929ほど決定的な音源やアイテムが存在しないことから、こちらも凄まじい名演だったにもかかわらず印象の薄い928。そこで今回の音源を紹介する前に、これまでに出回ってきた928の音源についておさらいしてみましょう。
recorder 1
928ショーを捉えたオーディエンス録音としてはもっともポピュラーなもの。
ステレオ録音で音像は意外なほどオンな状態。ただし音質が濁った感が否めず、もう少しマスターかジェネレーションの低いバージョンが登場すればさらに聴きやすくなるのでは。全体的な録音イメージが同年のフロイド大阪(当店が各種リリース済)の音源によく似ているので、同じテーパーによって録音された可能性も考えられます。
そして録音は「Whole Lotta Love Medley」の「Hello Mary Lou」が終わったところまで。
recorder 2
recorder 1では聴かれなかった「C'Mon Everybody」や「High Heeled Sneakers」といった曲が演奏されたアンコール部を解き明かしてくれたという点で意義のある音源ではありましたが音質が非常に悪く、ダビングを繰り返したようなヒスノイズの強さと、それの向こうから音像の遠い演奏が鳴って来るという状態が辛い。
recorder 3
こちらは最近になって「Black Dog」のみが発掘されたサウンドボード録音。
完全版の登場が待たれます。
このように今まで三種類の音源が確認されていましたが、今回は「recorder 4」であり、オーディエンス録音としては三番目の登場となるもの。
928ショー全体を捉えたオーディエンス録音としては、LPブートの時代からの定番音源と呼べる「recorder 1」以来。そうした状況からも、今までいかなる形でも出回っていなかったブランニュー・ソースであることを理解していただけるかと思います。そんな衝撃のニュー・マテリアルではありますが、45年もの間眠っていただけのことはあり、いくつかの劣化や録音の欠損というデメリットもあります。
最初にそれらの問題を挙げておきますと
「Since I've Been Loving You」の 4分半ばから一分近くにかけて起こるテープの劣化のドロップアウト。
「Dazed And Confused」では長い演奏が災いしてテープの面変え(7:30)と劣化によるカットがエンディング付近で確認できます。
さらに「Stairway To Heaven」が終わった辺りで、今度は二本目のカセットにかけ変えとなってしまい(録音者としては余裕を持ってチェンジしようとしたのだと思いますが)、結果、さわりだけ演奏してみせた「Please Please Me」と「From Me To You」というビートルズの二曲の場面と「Celebration Day」の出だしが欠けてしまいました。今回の新音源における最大の欠点と呼べる箇所です。
その後はスムーズに録音が進行しましたが、今度は「Moby Dick」でテープチェンジのカットが入り(13:06)、アンコール「High Heeled Sneakers」の終盤で遂にテーパーが用意したカセットが尽きてしまいました。初来日の中でも大阪二日間はショーがあまりに長かったことから、単一ソースで完全収録されたオーディエンス録音というのがまったく存在しないのですが、今回の音源もまたしかり。
そして音質に関してですが、演奏の音像は奥行きのあるもので「recorder 1」には及びません。しかしながら「recorder 2」のようなザラザラに荒れた質感とはまるで別次元な、非常にナチュラルで鮮度の高い状態はマスター・カセットからの収録ならではのもの。今回の音源によって「High Heeled~」などのアンコール部分をようやく「音楽」として聴けるように感じるマニアが多いかと思われます。
それでは今回の音源のメリットを紹介いたしましょう。
先に挙げた欠点を補って余りある、928の新事実が明らかとなるのです!それがCDボタンを押した瞬間からさっそく訪れるという衝撃。何しろZEPが登場する前におけるフェスティバル・ホールの雰囲気を12分にも渡ってドキュメントしてくれるのです。まずは出ました、司会者によるMCが聴かれるのですが「ロックファンとして、レベルの高い大阪の方々へお願いが…」と語り掛ければ、テーパー近くのファンが「名古屋もいるよ、名古屋も」と答える。この場面だけでも捧腹絶倒の場面なのですが、その後に聴かれた「まさかこの中に警察の方 いらっしゃらないでしょうね?」という客席からの意味不明な野次には周囲がドン引き(笑)。ZEP登場前、正に嵐の前の静けさと呼ぶべきのどかな光景でした。
今回の音源が明らかにしてくれた928の新事実はライブの終盤に集中します。
まず何といっても遂に登場した「Whole Lotta Love」の完全版は世界中のマニアの注目を浴びることでしょう。そうです、ようやく「Hello Mary Lou」の後が聴けるようになったのです!
それに続いたのはジーン・ヴィンセントの「Be-Bop-A-Lula」。これは前日の広島でも取り上げていましたが、ここではペイジが間奏でエルヴィス・プレスリー「Heartbreak Hotel」のソロを弾くという面白い展開。広島ではこの曲からエンディングへと向かいましたが、ここではさらにヴィンセントつながりの「Say Mama」。これも71年のメドレーらしい選曲で、そこからさらにファッツ・ドミノやプレスリーで知られる「Lawdy Miss Clawdy」に流れ、最後は「You Shook Me」でメドレーが締めくくられていたのです。
とどめはアンコールの開始場面!これまでは幕開けとなった「C'mon Everybody」の歌い始めから録音が残されていますが、ここでは一度ステージから引っ込んだZEPが再び現れるところまでもドキュメント。しかも彼らがステージに戻れば、プラントによって「ここからはロックンロールをやろうと思う。そこで二人のベーシストを紹介するよ、フィル・カーソンとジョン・ロー(というように聴こえる)」と語り掛け、しかも「C'mon Everybody」はイントロから完全収録。カーソンはアトランティック・レコードの重役でZEPと親密だったことがマニアにはよく知られるところですが「ジョン・ロー」と聴こえる名前はジョンジーをからかった呼び方かもしれません。そのせいでプラントが「二人のベーシスト」といった風に紹介したのではないでしょうか?
確かに今回の音源ですが、音質面においては過去のアイテムを超えられるようなレベルではなく、おまけに「Black Dog」以降はマイクの向きが変わったと思われる音のこもりまで感じられます。さらには未収録部分まで存在する訳ですが、それでも今回の発掘によって初めて聴けるようになったパートの衝撃はあまりにも大きい。そこで今回の限定のプレスCDに際し、ピッチの見直し以外には余計な手を加えることをせず、さらには別音源で補填する手段もあえて避け、あくまで音源とドキュメントとしての歴史的価値を尊重し、テープの原音を忠実に封じ込めることだけに神経を注いでいます。もちろん余計なイコライズなど一切施していません。それはヒスノイズさえもナチュラルで自然に聴こえる質感を聴いてもらえば明らかなこと。大好評を博した929アイテムの再リリースに続き、本当に久々となる928のブランニュー・ソース、これは間違いなくマニア感涙モノでしょう!』
928 (No Label)
Live At Festival Hall, Osaka, Japan 28th September 1971
Disc 1
1. Introduction
2. "Good Evening"
3. Immigrant Song
4. Heartbreaker
5. Since I've Been Loving You
6. Black Dog
7. Dazed And Confused
8. Stairway to Heaven
TOTAL TIME (74:47)
Disc 2
1. Celebration Day
2. Bron-Yr-Aur Stomp
3. That's The Way
4. Going To California
5. We Shall Overcome
6. Tangerine
7. Down by The Riverside
8. What Is And What Should Never Be
TOTAL TIME (38:09)
Disc 3
1. Moby Dick
2. Whole Lotta Love
3. C'mon Everybody
4. High Heel Sneakers
TOTAL TIME (64:07)
Immigrant Song
Stairway to Heaven
Whole Lotta Love
[参考]
Come On Everybody (MUD DOGS-008~010)
Please Please Me (T3CD4-1~3)
Please Please Me (WECD-710928)
GTO 928
Live In Japan 1971 (LSD-47~59)
1971 Japan Tour
September
23 Budokan Hall,Tokyo,JAPAN
24 Budokan Hall,Tokyo,JAPAN
27 Municipal Gymnasium,Hiroshima,JAPAN
28 Festival Hall,Osaka,JAPAN
29 Festival Hall,Osaka,JAPAN
[参考記事]
「Black Dog(SBD:1971/9/28)」
『16/10/11 NEW!
Brand New Source of "928"
12 minutes recording before the show-start
「まさかこの中に警察の方 いらっしゃらないでしょうね?」(9:13)→場内困惑
Sound quality: VG+/Excellent
Total recording time: 177 minutes (all new source)
Includes the complete version of "Whole Lotta Love"
Unfortunately there are some serious tape damaged and several cuts on "Since I've Been Loving You" & "Dazed And Confused"
Some important tracks are missing from the original tapes (sadly), but sound is mostly OK and this is enjoyable stuff
詳細は10月11日(火)深夜にご紹介致します。』
同時掲載されていたカセットの写真
何と,レッド・ツェッペリン初来日 4公演目に当たる,1971年9月28日大坂フェスティバル・ホール公演の新発掘ソースでの商品リリースです.
この日の音源は既発で,Wendyレーベルから 『 Please Please Me (WECD-710928) 』,Tranturaレーベルから 『 Please Please Me (T3CD4-1~3) 』,Last Stand Discレーベルから13枚組の 『 Live In Japan 1971 (LSD-47~59) 』,Mud Dogsレーベルから 『 Come On Everybody (MUD DOGS-008~010) 』,Empress Valley Supreme Discレーベルから 『 GTO 928 』等々、数多くのタイトルがリリースされています.
7月に,BLIND FATH から,『ロックカーニバル 飛行船野郎狂熱のロック』 がリリースされ,そのボーナス・ディスクとして1971年9月28日大坂フェスティバルホール公演の Black Dog の SBD(:SoundBoard)音源が付属していたのは記憶に新しいですし,レッド・ツェッペリン・ファンにとっては驚きでしたが,今回は,新発掘の同日のオーディエンス音源がリリースされました.
しかも,今まで "Whole Lotta Love" メドレーは,不完全で,後半部分は不明だったのですが,今回は "Whole Lotta Love" メドレーを完全収録.
これだけでも,無条件に買いです.(笑)
ピンク・フロイドの箱根アフロディーテ新音源がリリースされる前日にも,このような緊急告知がありましたが,店のこの音源にかける意気込みが判りますね.
当然,10月11日深夜告知の翌日には
「 10/12 ★レッド・ツェッペリン「928」のナンバー入りシール・ステッカー付きは予約完売致しました。お問合せ多数の為、急遽100セット(No.201~300)を用意させて頂きました。本タイトルはこれにて終了となりますので、オーダーの方はお早めにお願い致します。 」
通常,200枚のプレスですが,今回はプレス数も増加させた模様.
11時20分頃にお店のHPを参照すると,既に予約完売
「 10/12 ★レッド・ツェッペリン「928」は予約完売致しました。 」
凄い!
プレスCD 300枚を半日で予約完売.
音像は少し遠目ですが,中々バランス良く各楽器の音を捉えています.
開演前の12分間収録しており,開演を待つ当日の様子をドキュメント的に知る事ができるのも興味深いですね.
充分,聴ける音質ですが,"Black Dog" 以降,篭った感があるのは少し残念,またマスター・テープの劣化等に伴う "Since I've BeenLoving You","Dazed And Confused" 等は,流石に厳しいものがあります.
今回は,提供者からのカセットをそのままプレスしているようですが,この公演日は複数のオーディエンス録音("Black Dog" はサウンドボード有)が存在するので,後,数か月もすれば,トリートメントのし直し含め,同日の疑似完全盤が販売されるのでは無いかと思います.(笑)
ただ音の質感等を調整するのは,かなりの作業になるでしょう.
後は,BLIND FAITH がボーナス・ディスクとしてリリースした,同日の "Black Dog" のサウンド・ボード音源の全長盤が何時頃リリースされるのか.年末商戦でしょうか.
メーカー情報では
『二週間ほど前の929関連アイテムの再リリースは元々ZEP初来日公演から45周年を記念して企画されたものであり、新音源リリースではなかったにもかかわらず、ここでの告知から驚くべき速さで完売、改めて1971年来日公演の絶大なる人気ぶりを痛感させられました。それどころか、この時の再リリースをきっかけとして初来日公演の新たなテープの提供者が現れたのだから驚きのタイミングでした。
ZEP初来日公演と言えば今や武道館初日と929こそ決定的な高音質音源のアイテムがそれぞれに存在していますが、それら以外の公演となれば音質が悪かろうが、不完全収録であろうとも注目されるであろう、大きな歴史的価値を持っているもの。なんということでしょう、今回のリリースに当たって提供されたマスター・カセットの音源は9月28日の大阪フェスティバル・ホール初日公演、つまり「928」の新たなオーディエンス録音だったのです。
929ほど決定的な音源やアイテムが存在しないことから、こちらも凄まじい名演だったにもかかわらず印象の薄い928。そこで今回の音源を紹介する前に、これまでに出回ってきた928の音源についておさらいしてみましょう。
recorder 1
928ショーを捉えたオーディエンス録音としてはもっともポピュラーなもの。
ステレオ録音で音像は意外なほどオンな状態。ただし音質が濁った感が否めず、もう少しマスターかジェネレーションの低いバージョンが登場すればさらに聴きやすくなるのでは。全体的な録音イメージが同年のフロイド大阪(当店が各種リリース済)の音源によく似ているので、同じテーパーによって録音された可能性も考えられます。
そして録音は「Whole Lotta Love Medley」の「Hello Mary Lou」が終わったところまで。
recorder 2
recorder 1では聴かれなかった「C'Mon Everybody」や「High Heeled Sneakers」といった曲が演奏されたアンコール部を解き明かしてくれたという点で意義のある音源ではありましたが音質が非常に悪く、ダビングを繰り返したようなヒスノイズの強さと、それの向こうから音像の遠い演奏が鳴って来るという状態が辛い。
recorder 3
こちらは最近になって「Black Dog」のみが発掘されたサウンドボード録音。
完全版の登場が待たれます。
このように今まで三種類の音源が確認されていましたが、今回は「recorder 4」であり、オーディエンス録音としては三番目の登場となるもの。
928ショー全体を捉えたオーディエンス録音としては、LPブートの時代からの定番音源と呼べる「recorder 1」以来。そうした状況からも、今までいかなる形でも出回っていなかったブランニュー・ソースであることを理解していただけるかと思います。そんな衝撃のニュー・マテリアルではありますが、45年もの間眠っていただけのことはあり、いくつかの劣化や録音の欠損というデメリットもあります。
最初にそれらの問題を挙げておきますと
「Since I've Been Loving You」の 4分半ばから一分近くにかけて起こるテープの劣化のドロップアウト。
「Dazed And Confused」では長い演奏が災いしてテープの面変え(7:30)と劣化によるカットがエンディング付近で確認できます。
さらに「Stairway To Heaven」が終わった辺りで、今度は二本目のカセットにかけ変えとなってしまい(録音者としては余裕を持ってチェンジしようとしたのだと思いますが)、結果、さわりだけ演奏してみせた「Please Please Me」と「From Me To You」というビートルズの二曲の場面と「Celebration Day」の出だしが欠けてしまいました。今回の新音源における最大の欠点と呼べる箇所です。
その後はスムーズに録音が進行しましたが、今度は「Moby Dick」でテープチェンジのカットが入り(13:06)、アンコール「High Heeled Sneakers」の終盤で遂にテーパーが用意したカセットが尽きてしまいました。初来日の中でも大阪二日間はショーがあまりに長かったことから、単一ソースで完全収録されたオーディエンス録音というのがまったく存在しないのですが、今回の音源もまたしかり。
そして音質に関してですが、演奏の音像は奥行きのあるもので「recorder 1」には及びません。しかしながら「recorder 2」のようなザラザラに荒れた質感とはまるで別次元な、非常にナチュラルで鮮度の高い状態はマスター・カセットからの収録ならではのもの。今回の音源によって「High Heeled~」などのアンコール部分をようやく「音楽」として聴けるように感じるマニアが多いかと思われます。
それでは今回の音源のメリットを紹介いたしましょう。
先に挙げた欠点を補って余りある、928の新事実が明らかとなるのです!それがCDボタンを押した瞬間からさっそく訪れるという衝撃。何しろZEPが登場する前におけるフェスティバル・ホールの雰囲気を12分にも渡ってドキュメントしてくれるのです。まずは出ました、司会者によるMCが聴かれるのですが「ロックファンとして、レベルの高い大阪の方々へお願いが…」と語り掛ければ、テーパー近くのファンが「名古屋もいるよ、名古屋も」と答える。この場面だけでも捧腹絶倒の場面なのですが、その後に聴かれた「まさかこの中に警察の方 いらっしゃらないでしょうね?」という客席からの意味不明な野次には周囲がドン引き(笑)。ZEP登場前、正に嵐の前の静けさと呼ぶべきのどかな光景でした。
今回の音源が明らかにしてくれた928の新事実はライブの終盤に集中します。
まず何といっても遂に登場した「Whole Lotta Love」の完全版は世界中のマニアの注目を浴びることでしょう。そうです、ようやく「Hello Mary Lou」の後が聴けるようになったのです!
それに続いたのはジーン・ヴィンセントの「Be-Bop-A-Lula」。これは前日の広島でも取り上げていましたが、ここではペイジが間奏でエルヴィス・プレスリー「Heartbreak Hotel」のソロを弾くという面白い展開。広島ではこの曲からエンディングへと向かいましたが、ここではさらにヴィンセントつながりの「Say Mama」。これも71年のメドレーらしい選曲で、そこからさらにファッツ・ドミノやプレスリーで知られる「Lawdy Miss Clawdy」に流れ、最後は「You Shook Me」でメドレーが締めくくられていたのです。
とどめはアンコールの開始場面!これまでは幕開けとなった「C'mon Everybody」の歌い始めから録音が残されていますが、ここでは一度ステージから引っ込んだZEPが再び現れるところまでもドキュメント。しかも彼らがステージに戻れば、プラントによって「ここからはロックンロールをやろうと思う。そこで二人のベーシストを紹介するよ、フィル・カーソンとジョン・ロー(というように聴こえる)」と語り掛け、しかも「C'mon Everybody」はイントロから完全収録。カーソンはアトランティック・レコードの重役でZEPと親密だったことがマニアにはよく知られるところですが「ジョン・ロー」と聴こえる名前はジョンジーをからかった呼び方かもしれません。そのせいでプラントが「二人のベーシスト」といった風に紹介したのではないでしょうか?
確かに今回の音源ですが、音質面においては過去のアイテムを超えられるようなレベルではなく、おまけに「Black Dog」以降はマイクの向きが変わったと思われる音のこもりまで感じられます。さらには未収録部分まで存在する訳ですが、それでも今回の発掘によって初めて聴けるようになったパートの衝撃はあまりにも大きい。そこで今回の限定のプレスCDに際し、ピッチの見直し以外には余計な手を加えることをせず、さらには別音源で補填する手段もあえて避け、あくまで音源とドキュメントとしての歴史的価値を尊重し、テープの原音を忠実に封じ込めることだけに神経を注いでいます。もちろん余計なイコライズなど一切施していません。それはヒスノイズさえもナチュラルで自然に聴こえる質感を聴いてもらえば明らかなこと。大好評を博した929アイテムの再リリースに続き、本当に久々となる928のブランニュー・ソース、これは間違いなくマニア感涙モノでしょう!』
928 (No Label)
Live At Festival Hall, Osaka, Japan 28th September 1971
Disc 1
1. Introduction
2. "Good Evening"
3. Immigrant Song
4. Heartbreaker
5. Since I've Been Loving You
6. Black Dog
7. Dazed And Confused
8. Stairway to Heaven
TOTAL TIME (74:47)
Disc 2
1. Celebration Day
2. Bron-Yr-Aur Stomp
3. That's The Way
4. Going To California
5. We Shall Overcome
6. Tangerine
7. Down by The Riverside
8. What Is And What Should Never Be
TOTAL TIME (38:09)
Disc 3
1. Moby Dick
2. Whole Lotta Love
3. C'mon Everybody
4. High Heel Sneakers
TOTAL TIME (64:07)
Immigrant Song
Stairway to Heaven
Whole Lotta Love
[参考]
Come On Everybody (MUD DOGS-008~010)
Please Please Me (T3CD4-1~3)
Please Please Me (WECD-710928)
GTO 928
Live In Japan 1971 (LSD-47~59)
1971 Japan Tour
September
23 Budokan Hall,Tokyo,JAPAN
24 Budokan Hall,Tokyo,JAPAN
27 Municipal Gymnasium,Hiroshima,JAPAN
28 Festival Hall,Osaka,JAPAN
29 Festival Hall,Osaka,JAPAN
[参考記事]
「Black Dog(SBD:1971/9/28)」