1972年9月8日テキサス州オースティンのミュニシパルオーディトリウム公演を皮切りに,9月30日カナダはバンクーバーのバンクーバー・ガーデンズ・アリーナ公演で幕を閉じる1972年第2次北米ツアーから,ツアー中盤に当たる 9月22日カリフォルニア州ロサンゼルスのハリウッド・ボウル公演をオーディエンス収録したもので,過去に Sigmaレーベルから「Hollywood Bowl Revisited (Sigma 55)」(過去ブログ「Hollywood Bowl Revisited (Sigma 55)」参照)として発売されており,発表当時ハリウッド・ボウル公演の決定盤との評価を受けていましたが,メーカー情報にもあるように今回はそのアッパー版の第一世代のコピーを使用してのプレスです.

 Sigmaレーベルと言えば ダイカンプラザ 9FLIGHTHOUSE ですね.

 この日の音源は「Hollywood Bowl Revisited (Sigma 55)」以外に,別音源を使用して 9月24日のサンフランシスコのウィンターランド・オーディトリウム公演とカップリングしての 4枚組で同Sigmaレーベルから「Dark Side Of The West (Sigma 32)」(過去ブログ「Dark Side Of The West (Sigma 32)」参照)としてリリースされていますが,今回のものが,9月22日ハリウッド・ボウル公演の決定盤となるでしょう.

 オーディエンス録音と言っても,オーディエンス・ノイズも少なく,非常に高音質で収録されています.

 1972年のツアーは,1月20日の英国ブライトン・ドーム公演から年間を通じて,第1部では「The Dark Side Of The Moon」のプロトタイプを,第2部とアンコールでは往年の曲を演奏するセット・リストですが,「The Dark Side Of The Moon」も流石に 9ヶ月間演奏しているので,演奏的にもかなり纏まっています."The Great Gig In The Sky" の 1分43秒から 2分36秒までシンセサイザーを使用したソロを演奏しています.

 第二部で演奏される“Careful With That Axe, Eugene”の,6分台後半から 7分台におけるデイヴ・ギルモアのギターは本当に素晴らしく,"A Saucerful Of Secrets" は翌日の 9月23日ウィンターランド・オーディトリウム公演を最後にセットリストから消えるので,最終的な演奏の一つを聴くことができます.アンコールに演奏される "Set The Controls For The Heart Of The Sun" もメインテーマが終了した中間部のインプロヴィゼーションも興味深いです.

 "A Saucerful Of Secrets" の "Celestial Voices" パート当たりで,若干音質が落ちるのが残念ですが,この演奏も非常にコンパクトにまとまっています.
 屋外公演だった事もあり第2部終了,つまり "A Saucerful Of Secrets" の後に,花火が多数打ち上げられる音も収録されています.

 メーカー情報では
 『近年登場し、話題の1972年ハリウッド・ボウル公演の、ロブ・バートランド氏が録音した「Recorder 2」のアッパー版を収録。「First generation R2R copy」と称される同音源ベスト・ヴァージョン。これに比べると、これまで「Recorder 2」の最良版と信じていた「HOLLYWOOD BOWL REVISITED」(Sigma 55)が、完全に一世代前のサウンドに聴こえてしまうのが驚きです。元々、1972年ツアー最高峰の高音質音源であり、「ジェネ若」と言ってもそんなに差があるものなのか?と思われるのも無理からぬところ。しかるに本盤は、高域のシンバルの響き、より太く強烈になったベースの力強い音、よりふくよかに、より立体的になった、これまで聴いたことのなかった音の完成度を誇る、新たなる2014年版ハリウッド・ボウル公演音源なのです。ここでまでクリアネスが増していながら、妙なイコライズを感じさせないのは、間違いなくマスターの持つ品質の高さからくるものでしょう。音がより硬質に、力強く前に出る感じを各所で確認することができます。音が整理されているうえに焦点があったような印象を受けるのは流石です。(ためしに「Great Gig In The Sky」の1分10秒目からの次第に迫りくるロジャーのベースを聴けば、これまでとの違いは容易に理解できると思います。異様なほどの違いが体感できる Brain Damage等は、これを聴いてから既発を聴くと1枚膜がかかったような音に聴こえます。)勿論、一般の音楽ファンにとっては、その差は微細なものかもしれません。それほど大騒ぎするほどのことか?と思われるかもしれませんが、フロイド・コレクターにとっては、この有名音源の「First Gen R2R」トランスファーの出現は間違いなく大事件であり、特に貴方が長年、フロイド音源をコレクションされているのなら、まさに万障を排して入手すべき重要音源であります。この音で聴ける The Travel Sequence (On The Run) のメイソンのシンバルワークとギルモアのクリエイティブなギターワークは必聴です。フロイドの最良の時を、最高の音で封じ込めた1枚と言えるでしょう。原音に存在していた微細なノイズは軽減済。過去最高のハイ・クオリティ・サウンドで聴ける「Recorder 2」の決定版。』
との事.

Hollywood Bowl 1972:First Generation Reel To Reel Master (Sigma 111)
 
 Live At Hollywood Bowl,Los Angeles,CA,USA  22nd September 1972

 Disc 1
 [The Dark Side Of The Moon]
  1. Breathe
  2. The Travel Sequence
  3. Time
  4. Home Again
  5. The Great Gig In The Sky
  6. Money
  7. Us And Them
  8. Any Colour You Like
  9. Brain Damage
  10. Eclipse
  TOTAL TIME (41:46)

 Disc 2
  1. One Of These Days
  2. Careful With That Axe, Eugene
  3. Echoes
  4. A Saucerful Of Secrets
  5. Set The Controls For The Heart Of The Sun
  TOTAL TIME (74:42)

 The Travel Sequence 
 
 Time
 
 Brain Damage
 
 Echoes
 
 A Saucerful Of Secrets
 


 本CD「Hollywood Bowl 1972:First Generation Reel To Reel Master (Sigma 111)」には,2つのボーナスアイテムが付いています.

 ボーナス1
  同日(9月22日)のハリウッドボウル公演 8mm映像を,ファン主宰レーベルである Harvested が編集した「Hollywood Bowl 1972 (Bonus DVDR)」のボーナスDVDR が,初回プレス分に限り,付属しています.当時の 8mm映像で,オーディエンス・ショットなので,画質は悪いのですが "Careful With That Axe, Eugene" のロジャー・ウォーターズのスクリーミングと同時にステージ後方での花火は,ネット上に上がっているブライトン・ドーム公演のもの同様に何回観ても,鳥肌ものですね.

 メーカー情報では
 『1972年9月22日のハリウッド・ボウル公演のライヴ映像を約21分、8ミリフィルム映像より収録。
 大元は過去にハーヴェステッドが発表した「8mm 1972-1977」。画質にガンマ補正を行うことにより、多少映像が鮮明になりました。ハーヴェステッドの説明によると1980年代後半に入手したフィルムマスターをS-VHSにコンバートし、それをDVD化したとのこと。
 画質は当時の8ミリとしては十分に良好であり、それにプレスCDでも使用されている「Recorder 2」音源をシンクロさせて収録しています。全体的に暗めの映像ですが、当時のライトシステムの効果等をしっかりと確認することができます。Breathe からメンバーアップの見事なズーム映像が続きますが、フォーカスもしっかりと効いており、貴重な'72年秋の北米ツアーの様子を実にリアルな映像で楽しむことができます。惜しくも細切れの映像ばかりで、完奏しているナンバーはありませんが、例えば Money のギターソロなど、演奏者の手元もしっかりと映ってたりと見ごたえ満点です。Us And Them をリリカルに歌うギルモアの姿には感動させられます。Eclipse でのロジャーの熱唱、頭上ライトのアップはまさに名シーン。
 ボトルネック演奏を聴かせるギルモア(必見!)、強烈なベースノートを繰り出すロジャーと4人の演奏が一丸となって舞いあがる One Of These Days、幽玄のステージを展開する Eugene では、途中からステージ下部の花火、ウォーターズのスクリーム、更には打ち上げ花火と実際に観ていたら何処を見たら良いのかと思えるほどに劇的なステージを観ることができます。これはロック史に残る名シーンと言えるでしょう。黒のストラトを操るギルモアの勇姿が最高の Echoes、メイソンのドラムさばきがアップで楽しめる A Saucerful Of Secrets と、全部で21分であることが信じられない程に「濃い」素晴らしい内容を楽しむことができます。「Crackers」を含め、3種の最高音質音源が残されている72年ハリウッド・ボウル公演が、ここまで良質な映像で残されている偶然に感謝の念を覚えるほどです。』
との事.

Hollywood Bowl 1972 (Bonus DVDR)
 
 Live At Hollywood Bowl,Los Angeles,CA,USA 22nd September 1972
 COLOUR NTSC Approx. 21min.

 

 収録されている映像の一部
 

  1. Speak To Me
  2. Breathe
  3. Money
  4. Us And Them
  5. Eclipse
  6. One Of These Days
  7. Careful With That Axe, Eugene
  8. Echoes
  9. A Saucerful Of Secrets
  TOTAL TIME (20:47)

 ボーナス2
  「Recorder 1」「Recorder 2」に続く,同日の3番目のマスター音源「Recorder 3」を収録した2枚組「Hollywood Bowl 1972:Low Gen Reel To Reel Diff Master (Special Bonus 2CDR)」が,初回ナンバリング入りステッカー付きに限り付属しています.
 モノラル音源ながら,曲間のチューニング,既発未収の "Speak To Me" を含み,最長の 2時間12分を収録したものです.

 メーカー情報では
 『1972年9月22日のハリウッドボウル公演を2時間12分に渡って全曲収録。
 1972 年としては平均的な音質のモノラル・オーディエンス録音ではありますが、曲間が殆どカットされている「Recorder 1」が117分、「CRACKERS」でお馴染みの「Recorder 2」が126分に対し、本盤は132分と、収録時間では圧倒的に長く収録されています。
 ジャケットにも掲載しているリールテープよりダイレクトにデジタル化している今回のテイク。
 既発2種の極上音質に比べると、音質的には分が悪いのは事実ですが、鮮度の良い、安定した音像でショウの全貌をしっかり収録しています。
 The Great Gig In The Sky の途中にカットがあったりとこれもまた完璧な内容ではありませんが、曲間のチューニングを含め、これだけしっかりと録音しているのは注目すべきポイントですし、何と言っても既発 2種未収の当日の Speak To Me が完全に聴けると言うだけでファンは本盤を入手する価値があります。フロイド史に残るハリウッドボウル公演の全貌を唯一トータルに捉えている音源です。』
との事.

Hollywood Bowl 1972:Low Gen Reel To Reel Diff Master (Special Bonus 2CDR)
  
 Live At Hollywood Bowl,Hollywood,CA,USA 22nd September 1972

 Disc 1
 [The Dark Side Of The Moon]
  1. Speak To Me
  2. Breathe
  3. The Travel Sequence
  4. Time
  5. Home Again
  6. The Great Gig In The Sky
  7. Money
  8. Us And Them
  9. Any Colour You Like
  10. Brain Damage
  11. Eclipse
  12. One Of These Days
  13. Careful With That Axe, Eugene
  TOTAL TIME (69:08)

 Disc 2
  1. Tuning
  2. Echoes
  3. A Saucerful Of Secrets
  4. Set The Controls For The Heart Of The Sun
  TOTAL TIME (63:09)


狂気



狂気(デラックス・エディション)



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狂気(コレクターズ・ボックス)(DVD付)




PINK FLOYD / ピンクフロイド 狂気40周年記念 DARK SIDE OF THE MOON 【 公式商品 / オフィシャル 】



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[参考]
 Hollywood Bowl Revisited (Sigma 55)
  
 Staying Home To Watch The Rain (GDR CD 9013)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-PF - Staying Home To Watch The Rain
 Damn Braces: Bless Relaxes (Siréne-060)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-PF-Damn Braces:Bless Relaxes(Siréne-060)
 Dark Side Of The West (Sigma 32) 
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想

1972 2nd North American Tour
 September
  08 Municipal Auditorium,Austin,TX,USA
  09 Music Hall,Houston,TX,USA
  10 McFarlin Auditorium,Southern Methodist University,Dallas,TX,USA
  11 Community Center Arena,Tuscon,AZ,USA
               [Rescheduled To 15 September]
  11 Memorial Hall,Kansas City,KS,USA
  12 Civic Center Music Hall,Oklahoma City,OK,USA
  13 Henry Levitt Arena,Wichita,KS,USA
  15 Community Center Arena,Tuscon,AZ,USA
  16 Golden Hall,Community Concourse,San Diego,CA,USA
  17 Big Surf,Tempe,AZ,USA
  19 University Of Denver Arena,Denver,CO,USA
  22 Hollywood Bowl,Los Angeles,CA,USA
  23 Santa Clara Fairgrounds,San Jose,CA,USA
               [Rescheduled To San Francisco]
  23 Winterland Auditorium,San Francisco,CA,USA
  24 Winterland Auditorium,San Francisco,CA,USA
  27 Gardens Arena,Vancouver,BC,Canada
  28 Memorial Coliseum,Portland,OR,USA
  29 Seattle Arena,Seattle,WA,USA
               [Rescheduled To University Of Washington]
  29 Hec Edmundson Pavilion,University Of Washington,Seattle,WA,USA
  30 Vancouver Gardens Arena,Vancouver,BC,Canada (Two Shows)

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