1973年2月,3月と英国内で公演を行ったキング・クリムゾンは,3月30日ドイツのハノーファー公演を皮切りに,欧州ツアーを開始しますが,4月9日フランスのパリ公演で幕を閉じるという,非常に短期間のツアーでした.

 本CDRは Virtuosoレーベルがリリースした「Mother Of Deceit (Virtuoso 003)」の初回プレス分に付属しているボーナスCDRで,1973年4月2日ドイツのジンデルフィンゲン公演をオーディエンスで収録したものです.
 既発ではメーカー情報にも記載があるように Peace Frog レーベルからリリースされた「Incredible Scenes (Peace Frog 098S)」がありますが,同一音源によるものです.但し,使用したマスターの世代の違いなのか,カット部分は「Incredible Scenes (Peace Frog 098S)」より少なくなっています.逆にトリートメントの違いなのか若干「Incredible Scenes (Peace Frog 098S)」の方がクリアに聴こえます.まぁ,どちらが世代が若いのかは微妙ですが...
 音像は多少遠いですし,少し篭っていますが,今から40年近く前の録音という事を考えれば,充分聴く事ができる音質でしょう.ちなみに本ツアーのセットリストから想像するに,本音源には演奏されたであろう,"Dr Diamond","Larks' Tongues In Aspic (Part 1)",および "Easy Money" が含まれていません.

 メーカー情報では
 『同一音源の別タイトルとして『INCREDIBLE SCENES(Peace Flog098S)』があるが、どちらも同一のマスターを使用している。冒頭「Improvisation」は「Easy Money」の演奏後半から雪崩れ込んでプレイしたと思われるインプロの途中からの収録で、73年中のインプロで度々披露していたお馴染みの定型メロディ が特徴的。特にこの日は何度も何度もアプローチを変えつつ定型のメロディを披露しており、その変幻自在さに心底驚かされることだろう。トラック分けとして トラック1、2で分けられているが、演奏はずっと切れ目無く続いており、合計で約12分間にも渡る極上の即興演奏が収録されている。「Exiles」もま た勿論この73年初期独特の、まだイメージが完全に整理しきれていない演奏。ウェットンのヴォーカルアプローチやメロトロンの重ね方が非常に面白く、壮大 な浮遊感と不思議な間延び感のある演奏となっている。同様に「Book Of Saturday」の終わりから「Improvisation」に雪崩れ込むというこの時期独特の演奏形態で、この日の「Book Of Saturday」のインプロはクロスのヴァイオリンが約1分間弱ほどソロを取っている異例の箇所があり、そこから他の楽器が次々を不気味な音とリズムを 重ねてゆくという非常に面白いアプローチが聴ける。この「Book Of Saturday」のインプロは12分45秒(!)もある壮大強烈なものだが、途中の9分55秒付近からは「Exiles」の主旋律に酷似したメロディー が何度か突然現れては消えてゆくという特徴的な箇所もあり、曲のイメージの集積と拡散方法に72年後期のイメージを色濃く感じさせるものになっている。本 作は前記した通り、ショウの途中からの不完全収録音源である。これに加えて「The Talking Drum」の4分06秒付近ではフェイドアウトしそうになってまた戻るというマスター音源による欠点があり、また極上のアンサンブルとビルの即興的なドラ ミングが随所で炸裂する極上テイクの「Lark's Tongues Aspec Par II」も終演直前の6分07秒付近で突然カットという非常さはあるのだが、聴き処が大変多い優れた音源だ。メインディスクとなる『MOTHER OF DECEIT』のボーナスディスクCDR扱いではあるが、この内容は一枚モノのメインタイトルとしても充分に成り立つ驚愕音源だと思う。ファンなら絶対必 携盤だ。』
との事.

Sindelfingen 1973 (Bonus CDR)
 $cinnamonの音楽そしてときどき競馬予想-King Crimson Sindelfingen 1973
 Live at Austelungushalle, Sindelfingen, GERMANY 02nd April 1973

 1. Improvisation #1
 2. Improvisation #2
 3. Exiles
 4. Book of Saturday
 5. Improvisation #3
 6. The Talking Drum
 7. Larks' Tongues in Aspic (Part 2)
 8. 21st Century Schizoid Man

  Robert Fripp:Guitar & Mellotron
  John Wetton:Bass & Lead Vocals
  David Cross:Violin, Viola & Mellotron
  Bill Bruford:Drums & Percussion

 Improvisation #1
 
 Exiles
 
 Book of Saturday
 
 Improvisation #3
 


[参考]
 Incredible Scenes (Peace Frog 098S)
 $cinnamonの音楽そしてときどき競馬予想-King Crimson - Incredible Scenes (Peace Frog 098

 1973 1st UK Tour Dates
  February
   10 London, Marquee, UK
   11 London, Marquee, UK

  March
   16 Greens Playhouse, Glasgow, UK
   17 Cityhall, Sheffield, UK
   18 Rainbow , London, UK
   19 Townhall, Birmingham, UK
   21 Cityhall, Newcastle, UK
   22 Townhall, Leeds, UK
   23 Free Trade Hall, Manchester, UK
   23 Unknown
   24 Winter Gardens, Bournemouth, UK
   25 Colston Hall, Bristol, UK

 1973 1st European Tour Dates
   30 Niedersachsen Halle, Hanover, GERMANY
   31 Concertgebouw, Amsterdam, NETHERLANDS

  April
   01 Rheinhalle, Dusseldorf, GERMANY
   02 Austellungshalle, Sindlefingen, GERMANY
   03 Staatstheatre, Darmstadt, GERMANY
   05 Palatza Delo Sports, Reggio Emillio, ITALY
   06 Palazzo dello Sport, Rome, ITALY
   08 Volkhaus, Zurich, SWITZERLAND
   09 Olympia, Paris, FRANCE


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