意味のズレた無自覚言葉を使っていませんか? たとえば、「基本的に」「ある意味」「要するに」「逆に」「ふつうに」など、です。

使うのは構いませんが、正しい意味を備えていなければ、相手に誤解を与えかねません。

<例1>
私は基本的に音痴なので、人前で歌いたくありません。

「基本的」の「基本」とは、誰が決めたどういう基本でしょう? 漠然としていてよく分かりません。

また、「基本的に音痴」という言葉をそのまま解釈するなら、「例外的に音痴じゃないこともある」と考えられます。 本当にそうなのでしょうか?

<例1の修正>
私は音痴なので、人前で歌いたくありません。

このように、「基本的に」という言葉を使わずに、シンプルに言えばいいはずです。

<例2>
あの教授の授業は、ふつうに嫌いだ。

「ふつうに」とはどの程度でしょう? 誰の基準なのでしょう?

<例2>
あの教授の授業は嫌いだ。

このように「ふつうに」を使わなくても、十分に伝わります。


ほかにも気をつけたい無自覚言葉はいくつもあります。

「ある意味、切ないです」
※「ほかの意味」では切なくないのでしょうか?


「要するに、君たちのアイデアはいつも打算的で、なおかつ~」
※「要するに」と言っておきながら、要約されていない。「要は」も同じ。

Aさん:「明日は朝、7時集合でどうかな?」
Bさん:「いや、逆に、8時くらいというのはどう?」
※「逆に」と言っておきながら、逆を言っていない。


話し言葉であれば、表情や口調で言葉を補完できるので、誤解を招くリスクは低めかもしれません。

一方、文章で無意識言葉を使うのは、誤解やトラブルのもと。ビジネス文章での使用は、とくに気をつけましょう。