書籍の売り上げは、本の表紙やタイトルと密接に関係しているといいます。

たしかに、本を買うときに、中身を読んでから買う人はほとんどいません。タイトルと表紙を見て「おもしろそう!」と思えば、人は本をレジにもっていくのです。

中身を読まずに、本が買われていく。これはスゴいことです。編集者のなかには、一冊の本のタイトル案を1000個も出す猛者がいるそうです。いかにタイトルが重要かの証左といえるでしょう。

同じことは、文章にもあてはまります。

たとえば「メールの件名」「メルマガの件名」「ブログの記事タイトル」など。それらは、本でいうタイトルのようなものです。そこで読み手の興味を引けなければ、本文の精読率は確実に下がるでしょう。
 
ブログで「文章の書き方」についての記事を書く場合、読者の興味を引くのは、次のどちらでしょうか?

A「文章は見出しが大事です」
B「あなたのブログは読まれていません」

おそらくBに軍配が上がるのではないでしょうか。なぜなら、Bには読者に「それって私のこと?」と思わせる力があるからです。

たとえ書く内容が同じでも、記事タイトルのでき次第で、読まれるか、読まれないかの運命が決まるのです。


ちなみに、メールで連絡事項を伝える場合は、どのような連絡事項かがひと目で分かる件名にしておく必要があります。

「佐藤雄二さんの送別会の詳細」と件名にあれば、飲み会の案内であることが一目瞭然です。

しかし、「こんにちは\(^ ^)/」という件名であれば、迷惑メール扱いされても文句は言えません。

「佐藤雄二さんの送別会の詳細」という件名も、「4月4日開催・佐藤雄二さんの送別会の詳細/山田太郎より」と具体的に書けば、より親切です。

メールの件名を具体的に書くことは、読み手に負担・ストレスを与えない、ということです。メールを「見た、見ない」の行き違いも減ります。たかが件名、されど件名。ちょっとした気遣いが大切です。

件名のないfacebookの記事投稿などであれば、件名の代りとなるのが最初の1行です。

「今日は朝からあいにくの雨。昨日よりも気温が10℃も低くなりました。10時に高尾山駅で待ち合わせて~」と書くよりも、「雨のなか、高尾山に登りました!」と書き始めたほうが、精読率は高まるでしょう。

文章には「起承転結」や「序破急」のような型があります。しかし、インターネット上、とりわけリアルタイムでどんどん情報が流れて行くような媒体(facebookやtwitter)では、「冒頭で読み手の興味を引く」という書き方が理想的です。