並列助詞「~たり」を正しく使えていますか?

<例文>
私たちは、チラシをまいたり、値引きをすることで、残のり商品を売ろうとした。

↑意味は伝わりますが、文章としては崩れています。

残りの商品を売るために、「私たち」がしたのは、「チラシまき」と「値引き」のふたつです。

両者は、並列の関係にあります。

したがって、「~たり」という並列助詞を使うことは問題ありません。

ただし、並列助詞「~たり」は、反復して使うのが原則になります。

<例文の修正>
私たちは、チラシをまいたり、値引きをしたりすることで、残りの商品を売ろうとした。

「チラシ」の「~たり」だけでなく、並列の言葉(値引き)にも、同じ並列助詞「~たり」をつけました。

もしも「~たり」を使いたくなければ、書き方を工夫する必要があります。

<書き方を工夫1>
私たちは、チラシまきや値引きをするなどして、残りの商品を売ろうとした。

<書き方を工夫2>
私たちは、チラシまきをするほか、値引きをするなどして、残りの商品を売ろうとした。

ちなみに、「~たり」には、単独で使用する用法もあります。

「風邪をうつされたりしたらたいへんだ」

↑ひとつの動作や状態を例に挙げて、ほかにも同類の事柄があることを暗示する用法(副助詞的用法)です。

この用法があるために、並列助詞「~たり」の片方が抜け落ちる間違いが多いのかもしれません。

くり返しになりますが、並列助詞「~たり」は、反復して使うのが原則です。