以前に、分かりやすい文章を書くために「修飾と被修飾の距離を近づけよう」という記事を書きました。

参考記事:文章の書き方/原則:修飾と被修飾の距離を近づけよう

今日も文章について、ひとつ大事な原則をお伝えします。

それは「長い修飾語」を先、「短い修飾語」をあとにもってくるというものです。

<例文>

そこにいたのは、20代の化粧を厚く塗ったアメリカ人だった。



なんとなく「ん?」という感じになりますね。

「20代の化粧」……ああ、若者向けの化粧品を使ってるということか。

と思う人もいるかもしれません。



ところが実は「20代の」は、「化粧」ではなく、「アメリカ人」を修飾しているのです。

つまり「20代の」と「化粧を厚く塗った」が、どちらも「アメリカ人」を修飾している文章というわけです。

例文では、「短い修飾語」が先、「長い修飾語」があとにきて、

20代の化粧を厚く塗った

となっていました。

これを「長い修飾語」を先、「短い修飾語」をあとにもってくる、の原則にあてはめて修正してみます。

化粧を厚く塗った20代の



はい、これで本当の意味が見えてきました。

正しい文章でもう一度見てみましょう。

そこにいたのは、化粧を厚く塗った20代のアメリカ人だった。

これなら「ん?」とはならないはずです。

もちろん、すべての文章にこの原則が当てはまるわけではありませんが、何か意味が伝わりにくいなあ、と感じたときには、「長い修飾語」が「短い修飾語」よりあとにきていないか、文章をチェックしてみましょう。


追記

今回の例文は、修飾語の長さによる語順に焦点を絞って説明しましたが、下記のような原則もあてはまります。

原則:>(1個以上の述語を含む複文)を先にして、<>述語を含まない文節=文の最小単位)をあとにする

この原則につきましては、下記の記事を参考にしてください。

参考記事:文章の書き方/修飾の順番