おはようございます。日本中をさわやかな感動に包んでくれた「カーリングチーム」が出場する大会が始まりました。


「チーム青森」が出場するカーリング女子の日本選手権が8日、青森市で始まった。トリノ五輪でブレークしたカーリング熱を反映して、会場の市スポーツ会館には試合開始前から観客の長い列ができた。受け入れ側は「何人のお客さんや報道陣が来るのか想像つかなくて……」と、急きょパイプいすを用意したり、報道控室を確保したり、ばたばたの準備で初日を迎えた。

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 残念ながら、「チーム青森」は、一勝一敗という結果に終った初日ですが、大注目の中でも、伸び伸びといつものチームワークを発揮してほしいと思います。



No.271:男の美学


 昨日の日経新聞朝刊に「NAKATAルネッサンス」という記事が掲載されていました。日本サッカーの進化を端的に物語る選手として、「中田英寿」をクローズアップしていたのです。

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 筆者の「武智幸徳」氏は、信念を貫き、数々の前例を破ってきた中田英には、「越境者」のイメージがあるといいます。飛びぬけた国際経験を誇る、頼れる代表選手であり、行く先々で、その国の言葉を話すことを心がけながらも、自分の生活スタイルは決して崩さず、早くからホームページ で情報を発信し、肖像権ビジネスの拡張に努めた先駆者でもあり、そのうえ、菓子メーカー東ハトの非常勤執行役員まで勤めているという多彩(多才)さが・・・。


「他人のマネをするということは、自ら考える必要がないだけに実はとっても楽だし、言い訳もできるため、責任を感じることも少ないように思います。しかし、それを続けていくと、どんな経験をしても『・・・のおかげ』『・・・のせい』になってしまう。逆に自分で考えて行動したことは成否にかかわらず自分の糧、経験になる。それには、すべての行動、言動に対して自己責任が出てくるわけで簡単なことではないと思いますが・・・」


「自分で考えるときには、できうる限りの情報を集めてよく吟味してから答えを出す必要があると思っています」


こういった中田英の言葉がしめすエピソードを紹介し、彼は、常に「どうして?」と素朴な疑問を突きつけて、既存の制度や枠組みと対峙し、打ち破ってきたというのです。


「出る杭は打たれる、といいますね。この言葉の意味を考えると、みんな同じでなければならないという前提があるんだと思います。でも実は最初から『人間は全く同じヒトなんていなくて、自分の普通がみんなの普通ではなく、他の人の普通が自分の普通でもない』と考えていればどうでしょう?そう考えると『並んでいる杭』があることの方がおかしいと思えませんか?」


「重要なのは、周りの意見等をしっかり吟味して最終的には自らの意志で決める、ということだと思います。その決めたことが、他の多くの人の普通と違うと、大きな反発を受ける可能性もありますが、それは常にあることという前提で行動しているので、あまり気にならないです」


 妥協のなさは彼の生き方だけでなく、プレースタイルにも表れていますよね。


「サッカーを見に行く人たちは一体、そこに何を求めているのでしょうか。それは自分たちには想像もできない、日常にはないような刺激なんだと思います。一言で言ってしまえば、それは華麗な技です。想像を超える華麗なパスワーク、正当華麗さを持ったタックル、芸術的なドリブル・・・。自分にとってサッカーにおける最大の目標もそこにあります」


 まさしく、超一流のプレーヤーは、同じような言葉を発して、しかもそれをさりげなく実践し、私たちを心底「魅了 」してくれています。


 昨晩TBS系列で放映された「誰も知らない素顔のイチロー」でも、彼は、普段から「プロ」である以上、観客が、「すごい!うまい!」と、素直に感動するようなプレーを心がけていると言い切っていました。それも、ファインプレーではなく、平凡な何気ないプレーでこそ、その「違い」を魅せつけて行きたいという、独特の「こだわり」で。


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 国際舞台で活躍する二人の発言には共通する「男の美学」のようなものを感じます。「勝つこと」だけを目標にするのではなく、そのまだ「先にあるもの」をめざしている「求道者」のような印象です。正々堂々として、かつ、ファンを「魅了」することを決して忘れない。そんな「姿勢」に、私たちは「感動」し、「敬服」するのだと思います。


 この杭は太く、強く、折れず、流されない。


・・・「NAKATAルネッサンス」は結んでいるのですが、今後、毎月の連載が楽しみになってきました。



PS.

「浪速の闘拳:亀田興毅」が6ラウンドKO勝ちをおさめた。ローブローを叩き込んでの勝利だ。レフリーがKO勝ちを伝えた後、互いの健闘をたたえる息子を押しのけ、ヤ○ザのように興奮して相手コーナーに詰め寄る「亀田の親父」が印象的だった。

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 世界の頂点をめざす目的意識の高さと、厳しい練習をこなす姿勢は「天晴れ」だが、少なくとも彼らの「美学」は、ヒデやイチローとは「対極」にあるのだろう。「勝つ」という目的のためには、「手段」も選ばないという割り切りと一緒に・・・。