お茶と点心 | ワールドウォッチャーの『世界に喝!』

ワールドウォッチャーの『世界に喝!』

現中国在住、全世界を飛び回ってきた元商社マンが酔った勢いで物申す。偏屈斎!

  日曜日中山に居る三十年来の友人と「茘湾湖」側のヤムチャ店でお茶とヤムチャで時間を過ごした。広州市で二大ヤムチャと云えば「食は広州に在り」の広州酒店と魯迅も何度か訪れた「陶陶居」。この二店はまだ行ったことはないが、愉しみは先にとっておくことにしよう。






「陶陶居」の文字は清朝末から明代にかけて活躍した思想家であり政治家それに書家の康有為の直筆。こんな立派な看板を掲げては料理人も必死にならざるを得ないだろう。




はい、魯迅先生ですね。なんだかスターリンに似てなくもないのは髭の所為だろうか。魯迅も康有為も来日している。魯迅は留学で、康有為は「変法自強運動」と呼ばれる国政改革が失敗し、日本に亡命した。そういえば、近代史の立役者である孫文、蒋介石、周恩来も日本に来ている。





さて、さて話は横道にそれたがヤムチャの話。康有為が活躍していた清朝末から民国にかけて「茶館」が中国の主だった都市にあった。いわゆる茶店、喫茶店ですな、この「茶館」の茶請けのお菓子が広東・香港で発展してヤムチャ(飲茶)になったと思うが、如何なものであろうか。

ヤムチャ(飲茶)は字の通りで本来はお茶を愉しむこと。台湾の「凍頂烏龍茶」の最高級品は茶葉と金の重さが同価格であると。

いまでもヤムチャに通う通人は上等なお茶とせいぜい点心は二三点を頼むだけ。



我々もそれにならって点心はこの大根餅と水晶餃子にお粥に止めた。安かったな、帰りにレジにて二人で70元(約1200円)位だった。ヤムチャは通人の作法で行った方が経済的なのを改めて知った。