平和島ヴィーナスシリーズは6日目。
いよいよ最終日を迎えました。

 
(2R発売中に安定板使用のアナウンスがあり、
 装着に取り掛かる喜多那由夏選手。
 このあと7Rでイン逃げを決めて快勝)


今日も強い追い風が吹き荒れる一日となり、
風速は最大で10mに。

3Rから安定板使用でのレースとなりました。



今日のレース結果は、

1R ④土屋 千明 4コースまくり
2R ③今井 美亜 3コースまくり
3R ①島田なぎさ 1コース逃げ (3連単11010円)
4R ②藤崎小百合 2コース差し
5R ②芦村 幸香 2コース抜き
6R ①菅野はやか 1コース逃げ
7R ①喜多那由夏 1コース逃げ
8R ③藤堂 里香 3コースまくり (3連単20510円)
9R ③藤原 菜希 3コースまくり
10R ④今井 美亜 4コースまくり差し
11R ①金田 幸子 1コース逃げ
優勝戦12R ③後藤 美翼 3コース差し (3連単13540円)




さて、今日はさっそく優勝戦の話題にいきましょう。

まずは優出メンバーの今日の様子を写真で。

 
(⑤川野芽唯選手と①長嶋万記選手)

 
(今日2連勝を飾った今井美亜選手から
 パワーをもらう?④落合直子選手)

 
(今日はとにかく笑顔が目立った⑥魚谷香織選手。
 リラックスムードで大外から一撃を狙う)

 
(野田祥子選手、⑤川野芽唯選手、藤崎小百合選手)

 
(③後藤美翼選手)

 
(千葉真弥選手は今節でのデビュー初1着ならず、
 残念そうな師匠の①長嶋万記選手)

 
(7R発売中にボートを水面に降ろし、
 最終調整に取り掛かる②平高奈菜選手)

 
(外枠からV獲りを狙う福岡勢。
 ⑤川野芽唯選手と⑥魚谷香織選手)

 
(④落合直子選手)

 
(⑥魚谷香織選手)

 
(⑤川野芽唯選手と②平高奈菜選手の100期コンビ。
 準優に続くワンツーを狙う)

 
(ボートを水面に降ろしたのは8R発売中。
 優出メンバーで最も遅い始動となり、
 余裕を感じさせた①長嶋万記選手)

 
(試運転のあと意見交換していたのは、
 ⑤川野選手、③後藤選手、⑥魚谷選手、④落合選手。
 強力な内枠2人を破っての優勝を狙う)





そして迎えた優勝戦の時間。

 

【優勝戦12R出走表】
1、長嶋 万記 (優出52回目、優勝12回)
2、平高 奈菜 (優出48回目、優勝11回)
3、後藤 美翼 (優出4回目)
4、落合 直子 (優出24回目、優勝3回)
5、川野 芽唯 (優出11回目、優勝4回)
6、魚谷 香織 (優出52回目、優勝7回)

コンディションは追い風8m、波高6cm、
気温29.5℃、天候:晴れ。

依然として強い追い風が吹くなか、
西陽を浴びながら頂上決戦が始まりました。

 

進入は枠なりの3対3。

1マークは①長嶋選手がインから先マイと思いきや、
②平高選手が2コースからツケマイ敢行。

内枠2艇の激しい攻防となりました。

両者は競り合ってターンが流れぎみとなり、
ブイ際にはぽっかりとスペースが。

これを見逃さなかった③後藤選手が、
3コースから差し抜けて先頭へ。

そのころピット内で見守っていた選手たちは、
「おっ!?」「あれっ?」「来た?」「ミックミク?」と、
なにか虚をつかれたようなリアクション。

目の前で起こっている劇的な現実に、
あっけにとられているような雰囲気でした。

 
(12R、1周バック直線)

2マークを先取りした③後藤選手が
完全に抜け出して単独先頭へ。

予選18位のシンデレラガールが、
ミラクル連発で頂点まで駆けあがりました。

 
(12R、1周2マーク)


【優勝戦12R結果】
1着 ③後藤 美翼 3コース ST.15
2着 ①長嶋 万記 1コース ST.12
3着 ②平高 奈菜 2コース ST.11
4着 ⑤川野 芽唯 5コース ST.25
5着 ④落合 直子 4コース ST.15
6着 ⑥魚谷 香織 6コース ST.25
決まり手=差し
2連単③① 4550円(13番人気)
3連単③①② 13540円(40番人気)



平和島で地元東京支部の女子レーサーが優勝するのは、
04年GWレースでの濱村美鹿子さん以来。

実に約11年ぶりの偉業となりました。


3周回を終えてピットに戻ってきた③後藤選手は、

 

盛大に出迎える選手たちに向かって
深々と頭を下げてお辞儀しながら帰還。

 

その瞳に涙はなく、
笑顔いっぱいでの凱旋となりました。

 




涙を流す"仕草"を見せていたのは①長嶋選手のほう。

 
(12R終了直後。①長嶋万記選手)

通算12回目の優勝戦1号艇で初めて敗れ、
6年近く続いてきた不敗神話がついにストップ。

 
(12R終了直後。泣く"仕草"を見せる①長嶋選手に
 慰める"仕草"で応える⑥魚谷選手)

しかしいつまでも無敗を続けられる選手はいないわけで、
いつかは必ずこういう日がくるもの。

レース後に長嶋選手が見せていたのは充実した表情。
敗戦という新たな経験を真正面から受け止め、
次の戦いへ生かそうという意志を感じさせるものでした。

長嶋選手ならきっとこの経験を糧とし、
さらに強さを増していくことでしょう。

次節は21日からの児島ヴィーナスシリーズに出場予定。

まずはデビュー通算500勝を、
そしてリベンジの優勝を狙う一節になりそうです。

 
(12R終了直後。①長嶋万記選手)


②平高選手は果敢なまくりを見せるも
あと一歩及ばず3着。

これまで優勝戦2号艇は8戦全敗だっただけに、
その壁を打ち破ろうとする決意を込めた、
渾身のまくりだったように見えました。

次節は24日からのGⅠ福岡周年に参戦。

まずは2節休みなしで走った疲れを癒し、
万全の状態でGⅠに臨んでほしいところです。

 
(12R終了直後。②平高奈菜選手)
 
(12R終了直後。②平高奈菜選手)


⑤川野選手は5コースからまくり差しを狙うも、
後藤選手に行く手を阻まれる格好となって4着。

しかしこの一節で貴重な上積みに成功し、
女子賞金ランキング12位をキープ。

次節は18日からのびわこ一般戦に出場予定です。

 
(12R終了直後。⑤川野芽唯選手)
 
(12R終了直後。⑤川野芽唯選手)


④落合選手は4コースから5着に終わり、
連続2連対が12走でストップ。

それにしても今節は、
2・1・1・1・1・2・2・2・②・⑤着
近況の絶好調ぶりを示す一節となりました。

そして今節の平和島戦に続き、
次節は18日からの多摩川一般戦、
次々節は26日からの江戸川一般戦と、
今月は東京3場巡り。

次節多摩川では4節連続優出なるか注目です。

 
(12R終了直後。④落合直子選手)
 
(12R終了直後。④落合直子選手と坂口愛選手)


⑥魚谷選手は6コースから6着に終わるも、
レース後はなんとも清々しい表情で
お世話になった人たちへ挨拶回りしている姿が。

 
(12R終了直後。敬礼しながら挨拶する⑥魚谷香織選手)

苦しみ抜いたシリーズ序盤戦から
見事に立て直して優勝戦まで勝ち上がった一節で、

なにか大きな手ごたえを掴んだような、
そんな充実ぶりをうかがわせる表情に見えました。

次節は21日からの児島ヴィーナスシリーズに出場予定。
これはちょっと見逃し厳禁の一節です。

 
(12R終了直後。⑥魚谷選手、藤崎選手、大橋栄選手)
 
(12R終了直後。⑥魚谷香織選手)


なお優勝戦でスタート正常が灯った瞬間、
今節のスタート無事故を達成。

今節は追い風コンディションが続き、
ゼロ台前半も続出する激しいシリーズでしたが、
誰もフライングを切ることはありませんでした。

ヴィーナスシリーズは今年これまで4節行なわれ、
4月徳山、6月戸田、7月平和島と、
3節でスタート無事故を達成。

これは特筆すべき点ではないでしょうか。





さて、勝った後藤選手は表彰式へ向かい、

そのころピットでは、

 

東京支部勢を中心に続々と水面際に集結。

足元を見ると、裸足にサンダルの選手が5人ほど。
待ち切れない様子で気合十分です。

そんな準備万端の選手たちのもとへ、

 

表彰式を終えた主役がいよいよ帰還。

 

万雷の拍手とハイタッチの嵐で迎えられました。

 

そしてそのままの勢いで揚降機へ移動し、
さっそく水神祭がスタート。

  

10人ほどの手で担ぎ上げられる後藤選手。

しかしこれでは誰も満足しなかったようで、

 

もう一段高くリフトアップされると、

 

美しく翼を広げるような態勢から、

 
 
 

前方一回宙返り1/4ひねりで水面へ。

それと同時に、

 

後ろから次々になだれ込んでくる選手たち。

水しぶきの勢いがスゴすぎて
なにがなんだかよく分かりませんでしたが・・・、

 

浮き上がってきたのは後藤選手、芦村選手、渡邊佳選手、
藤原選手、大橋由選手、富樫選手の6人でした。

今日は12Rの時点で水温27℃。
絶好の水神祭日和だったことでしょう。

 
 

そして6選手が水面にあがってくると、

そこに駆けつけたのが
2着の長嶋選手と3着の平高選手。

 

長嶋選手がひれ伏すように
深々と頭を下げながら握手で祝福すると、

 

それ以上に頭を下げて
恐縮しながら応える後藤選手。

拍手と笑いに包まれる
水神祭のフィナーレとなりました。

過去をさかのぼってみると、
昨年2月の丸亀男女ダブル戦でも、
長嶋選手のイン戦を4コースまくりで
破った経験があった後藤選手。

2人の対戦は今後ますます
目が離せないものとなってきそうです。

 



今節の後藤選手は3・4・1・5・2・4・4・①・①着

得点率18位のぎりぎりで予選を突破し、
準優で6コースまくり
優勝戦で3コース差しを決めて劇的に頂点へ。

デビュー通算40本目の1着が
嬉しい初Vのゴールとなりました。

ちなみに後藤選手はこれまで3コースで
通算7本の1着がありましたが、
決まり手はまくり6本、恵まれ1本。

実は3コース差しは今日が初めてでした。


後藤選手のこれまでの優出歴は、
13年12月の多摩川男女ダブル戦(優出2着)、
14年10月の大村夢の初V決定戦(優出6着)、
15年3月の常滑男女ダブル戦(優出5着)。

そして4回目の優出で栄冠を射止めました。

ちなみに109期生の優勝は、
永井彪也選手に続いて2人目

優出4回は109期では
島村隆幸選手(10優出)に続く2位タイです。


後藤選手は108期でやまと学校に入学し、
109期に編入して卒業。

やまと学校時代のリーグ勝率は5.09で、
卒業記念レースでも優出4着に入る活躍。

11年11月にデビューすると、
2期目で早々とB1昇格を果たすなど、
前評判どおりの走りを見せてきました。

その後はなかなか成績が上がらず苦戦していましたが、
このところ一気に自力アップしてきた印象。

今期の勝率は今日現在5.08で、
自己ベストを上回るペース。

今期はA級初昇格を目指す戦いになってきそうです。


今後の出場予定は、
児島ヴィーナスシリーズ(7/21~26)
津オールレディース(8/15~20)

注目を集めてヴィーナス2連覇を狙う次節の児島で、
どんな走りを見せるのか楽しみなところです。


西高東低といわれて久しい女子戦線のなか、
東京から生まれたニューヒロイン。

次代に夢が広がるような活躍を、
今後も見せてほしいところです。


後藤選手、おめでとうございました。

 




【'15 女子賞金ランキング】 (7/14現在)
1、平高 奈菜 20,341,000円(③)
2、遠藤 エミ 19,379,000円
3、寺田 千恵 17,789,000円(①②③)
4、鎌倉  涼 17,535,000円(②③)
5、山川美由紀 16,192,000円(①②)
6、松本 晶恵 15,692,000円
7、小野 生奈 14,657,000円(③)
8、日高 逸子 14,645,000円(①②③)
三浦 永理 14,645,000円(①②③)
10谷川 里江 14,133,000円(②)
11大瀧明日香 14,118,000円
12、川野 芽唯 13,864,000円
13、金田 幸子 13,757,000円(②)
14、藤崎小百合 12,814,000円
15、竹井 奈美 12,269,000円
16、中里 優子 11,885,000円
17、宇野 弥生 11,839,000円(①)
18長嶋 万記 11,799,000円(②)
19平山 智加 11,737,000円(①②③)
20福島 陽子 11,354,000円

57後藤 美翼  7,038,000円
(※昨日より順位が上がった選手は↑、下がった選手は↓。
 カッコ内はクイーンズクライマックス出場歴。○は第○回大会)


なお浜名湖男女ダブル戦(7/9~14)は
シリーズ最終日を迎え、

女子優勝戦は③三浦永理選手
伝家の宝刀・3コースまくり差しで快勝。

テクニカルエリーが本領を発揮し、
ついに悲願の地元初Vを飾りました。

前節の多摩川男女ダブル戦に続く2節連続Vで、
今年早くも5回目の優勝。

そして通算29回目の優勝で、
女子歴代単独10位となっています。

 
(三浦永理選手。写真は4/26戸田)

戸田一般戦(7/11~14)も最終日を迎え、
遠藤エミ選手が優勝戦1号艇で登場。

インからコンマ14の好スタートで逃げ切り、
見事に自身2回目の混合戦Vを飾りました。

これが通算8回目の優勝で、
こちらも今年5回目の優勝となっています。

 
(遠藤エミ選手。写真は5/25宮島)

桐生一般戦(7/12~16)は
予選最終日のシリーズ3日目。

寺田千恵選手が得点率7位、
小野生奈選手が得点率8位、
片岡恵里選手が得点率18位で予選を突破。

寺田選手が準優11R3号艇、
小野選手が準優10R3号艇、
片岡選手が準優11R6号艇で登場です。

 
(小野生奈選手。写真は6/10戸田)

そして明日いよいよ三国での
SGオーシャンカップ(7/15~20)が開幕。

女子レーサーからは
平山智加選手鎌倉涼選手の2人が参戦です。

 
(平山智加選手。写真は4/26戸田)
 
(鎌倉涼選手。写真は4/24戸田)



ではこれにて平和島ヴィーナス@cafeは終了。

次回の更新予定は8月4日、
丸亀でのGⅠ第29回レディースチャンピオンです。

現時点での出場予定メンバー(支部別)は、

群馬 土屋千明、松本晶恵
埼玉 中里優子
東京 渡辺千草、永井聖美、平田さやか、櫻本あゆみ
静岡 松瀬弘美、倉田郁美、池田浩美、長嶋万記、三浦永理、山下友貴
愛知 谷川里江、大瀧明日香、細川裕子、宇野弥生
三重 垣内清美
福井 今井美亜
滋賀 水口由紀、香川素子、遠藤エミ
大阪 高橋淳美、西村歩、落合直子、原田佑実
兵庫 古賀千晶
徳島 新田芳美岩崎芳美、岸恵子
香川 山川美由紀、平山智加、平高奈菜
岡山 福島陽子、寺田千恵、堀之内紀代子、金田幸子、樋口由加里、喜井つかさ
広島 角ひとみ
山口 片岡恵里、向井美鈴、津田裕絵
福岡 日高逸子、藤崎小百合、魚谷香織、川野芽唯、小野生奈、竹井奈美、渡邉優美
佐賀 
長崎 池田紫乃、滝川真由子
(※赤字は歴代レディースチャンピオン覇者)

真夏の丸亀ナイター頂上決戦をお楽しみに。