【2Min】此の花が朽ち果てるまで 47 | 沼から出られない

沼から出られない

元トンペン、現アニメ沼。ハイキュー!!、 東リベ、呪術、ウィンブレ他新規開拓中。
旦那22年秋に認知症診断。本人希望ありオス柴りゅーをお迎え、凶暴化により訓練出すも変わらず。23年春に胃がんステージⅣ診断、抗がん剤中断、緩和へ移行。24年4.22永眠

気持ちよかった、でしょ。僕の言葉に。
ああ。だから・・・したく、なかったんだよ。ミノヒョンが、つぶやく。
思ったのと違う反応に、少しだけ。
違和感を覚える。

僕は、女じゃなきゃ、いやなんだ。・・・テミン。
いくら、テミンのことが、好きでも、こういう関係には、なりたくないんだよ。

どうして、だよ。男でも女でも、いいだろ?
別に結婚してくれなんて言ってない。今だけでも、いいんだ。それなのになぜ。
ダメなんて、言うんだよ。だったらなんで、付き合ったりするの?
エルから手を引かせるためだけに演技しただけなら、それだけでよかったんだ。

余計なことを。

「女じゃなきゃいやな理由って、なに?」
ミノヒョンの顔を、撫でる。いつになく冷たい目で、見つめられて。
「理由なんかない。自分で決めてる、だけだ」
「どうして、決めてるの?」
「道を誤らないため、だよ」
「道を誤る?」
「そうだ。今は、いい。でも、この先はどうなる?」
真剣な目。その目は、僕を見ていない。
「正しくありたいんだよ。テミンを好きな気持ちに、嘘はない。
・・・でも。それとこれとは、別だ。そんなこと、しなくても」

・・・しなくても? 生きていける。そうだろ? だから、僕は。
この気持ちを、乗り越えるまでは。

抱けない。抱けないんだ・・・テミン。