母は父が好きです。

 

ずっとずっと専業主婦として、家の中で父を支えてきました。

 

 

「お父さんが頑張ってくれたから・・・」

 

 

だから

 

できる限りのわがままを聞いてきたのでしょう。

 

できる限りの依頼もこなしてきたのでしょう。

 

 

 

その父が 進行性の病気になり

 

どんどんできないことが増えています。

 

 

 

 

一人で歩けていたのに

 

杖なしでは歩けなくなり

 

歩行器が必要になり

 

最近、歩行器でも 見ていて怖いくらい よろけるようになりました。

 

 

 

 

一人で食べられていたのに

 

こぼすようになり

 

手先もおぼつかなくなり

 

食事に一時間近くかかるようになりました

 

 

 

 

大の字で朝までぐっすり寝る人だったのに

 

夜のトイレに歩行器でふらふら歩いていくため

 

母がつき添うようになりました。

 

病気の影響で一時間・・(ひどいときは30分おき)に起きるようになりました。

 

でも自分でトイレに行きたいのです。

 

オムツはしたくないのです

 

母もさせたくないのです。

 

だから、毎晩1時間おきにトイレに行き

 

終わるまでトイレの外で待っているそうです。

 

 

 

昼間会う母は、疲れた顔をしています。

 

せめて 週1のデイサービス(9時~17時まで)を

 

週2にしてもらったら?と提案しているのですが

 

お父さんがかわいそうだから・・

 

行きたくないって言ってるから・・・

 

と、聞く耳を持ちません。

 

 

 

母は茶道教室を開いています。

 

その前の日だけが 楽しそうです。

 

私は茶道の時間、父の付き添いです。

 

 

 

「好き」という気持ちと、

 

眠れない辛さ

 

24時間目を離せない怖さ と戦う母。

 

 

 

子どもが小さかった時と同じだ・・と思いつつ

 

これから成長して、できるようになる子どもと

 

確実にできなくなっていく父。

 

 

これが介護というものなんですね。

 

 

今日の夜も、母は1時間おきに起きているのでしょう。

 

 

そして、こんな毎日を送っている人が 

 

 

数えきれないくらい 涙の夜を過ごしているのでしょう。