今日も子どもたちは輝いていました。
美味しそうに色づいた桑の実を見上げ、私に採ってくれ!とせがむ子どもたち。
どうやってとればいいのかなぁ?なんてはぐらかし続けていたら、Hくんが持ち上げるのもやっとの大きくて重い棒を突然振り回しはじめた。
桑の実に当たったり、
当たらなかったり。
周りにいた子どもの頭にも、上から振り下ろした棒があたったり当たらなかったり。笑
(危険がないように保育スタッフは横に居ました)
やめてよ!
あぶないやんか!
そんな声が出てもいいのに
それに文句を言う子はいませんでした。
みんな、その不器用に振り回される棒の行方を、桑の実に当たるように祈りながら見上げているのでした。
そして、僅かに落ちた桑の実をみんなこぞって拾いました。
だけど見つけられた子も、
見つけられなかった子もいました。
だけど、誰も奪い合いませんでした。
見つけられなかった子は、早々に諦め違う遊びに移っていきましたが、
Wちゃんは、いつまでも桑の実を探していました。
草の間をかき分けて、最後までその場に居ました。
Wちゃんの口は桑の実の青に染まっていました。
その後、泥んこになった子ども達。
お弁当を食べる前に手を洗いにいこうではないかと、私を水辺に連れていってくれることになりました。
何故か近場の水辺は横目でスルーして、遠く離れた川のほとりまで誘導されました。
(なぜそちらだったのかは結局わかりません。笑)
しかしその川で手を洗うためには、子どもにとっては大きな石段があり、手をついてしっかり気をつけないと降りれないのです。
降りるときは特に問題もなく、
一緒懸命川辺に降りました。
問題は、手を洗って帰るときに起こりました。
一人の女の子Hちゃんが、洗った手を汚したくないので、抱っこして石段を上がらせてくれと私に頼みました。
私は
『Hちゃん、なんか怒ってるんだけど、どうしたらいいか誰か一緒に考えてくれないかなぁ?』と言いました。
すると、隣に立っていたMちゃんはキレイに洗った自分の手を出し3秒眺めました。
・・・。
しばらくの沈黙の間。
するとMちゃんが動きました。
洗い終わりキレイになった手を汚しながら、下へと降りていきました。
そしてHちゃんの手をとり、上まで連れて上がりました。
そしてまた下へ降り、手を洗いに行きました。
Hちゃんはありがとうとは言いませんでした。
だけどMちゃんもそんなことは求めていませんでした。
『お腹すいたーーー!』と
みんな笑顔でお弁当に向かいました。
損も、得もない。
見返りや、期待もない。
目の前の出来事にただ集中して生きている。
自分はどうしたいか。
自分ならどうするか。
自分はどう考えるか。
彼らはいつまでこうやって美しく生きれるのだろうか。
いつまでも忘れないで欲しい。
目の前の出来事だけを見て
自分の気持ちを何より大切に
いつまでも、いつまでも生きていて欲しい。
(ようちえん年中組保護者 マカ)