貸切バスの新運賃、料金制度。知ってました? | 嵐山と桂離宮の間くらいにある旅行会社のブログ

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国道交通省は4月1日から、貸切バスの新運・新料金制度を施行した。

新運賃? 新料金? 何?

と、言う方がほとんどだと思うが、要するに貸切バスのチャーター代金が

法律により規制され、今までの値段より上がるというもの。

2年前のゴールデンウィークに入る直前に関越道で起こった悲惨な事故。

それから度々発生する観光バスの事故・・・

なぜ? こんなに事故が発生するのか? 国がバス会社等を始めとする関係機関へ

聞き取り調査を行うと、貸切バスの値段が旅行会社のダンピング合戦により、

価格急落し、安全面に経費を使えなくなってしまった。

というのが、バス会社などの言い分。

そんな中、また・・・   名神高速道路の一宮インター付近を逆走するバス会社も・・・





確かに、私がこの業界に入った当時、貸切バスの値段は今の倍近くした。

安くなっているのは否めない・・・

しかし! なぜ安く売らなければならなくなったのか!? 

国はその部分を解っていながら、口にはしない・・・

今から16年前、平成10年現在で全国の貸切バス事業者は約2,300社。

それが平成11年5月の規制緩和による自由競争化により、

平成21年には約4,400社。

10年で2倍近くに増えている。

これでは価格競争になって当たり前だ・・・

国は自らが行った、規制緩和という改悪の反省を素直にせず、

安全という正義を振りかざして、国民へまた負担を押し付ける・・・




さて・・・

新料金とは??



運賃を走行したキロで計算し、料金を乗務員拘束の時間で計算し、

それを合計した金額が貸切運賃となる・・・

貸切バス事業者はこの運賃料金の金額を国が決めた上下限に従って、

自社で設定し、6月末までに国へ報告しなければならない・・・

勿論、この金額を無視すれば行政処分が下る。

その運賃や料金も、バスが車庫から出庫した時から算出するので、

バスの配車場所が車庫から遠いと不利だ。

京都駅に配車と仮定すれば、京都駅に近いバス会社を我々旅行会社は優先して利用するだろう。

京都は縦に長い府だ。 北は丹後半島、日本海に面し、南は三重県や奈良県に境している。

当然、丹後地方にだってバス会社はある。

今までは、福知山や舞鶴のバス会社も京都市内の配車を快く引き受けてくれた。

しかし、これからは我々旅行会社がこの地方のバス会社を利用する事は躊躇する。

需要と供給のバランスを考えると、京都府は南部人口が圧倒的に多い都道府県。

従って、旅行者人口も南部で多くなる。

北部地方のバス事業者はどうするのか?? これは京都府に限って言える事では無い。



また、特殊車両は5割増、深夜早朝運行は2割増・・・

まるでタクシーだ・・・



同じ行政である観光庁は観光から経済の活性を訴え、

国土交通省は規制をして観光業の経済活性に歯止めをかける法律を作る。

何とも、歯がゆい感じだ・・・



私たち旅行会社が言いたい事は1つ。

国が安全という名のもとで決めたこの法案!

もっともっと国民の皆様に知って貰える様に、マスメディア等を使い、

コマーシャルをしていただきたい!  消費税の様に・・・

お客様のほとんどはこの法律を知らない。

去年はこの料金だったのに、何故今年はこんなに高いの!!?

と、怒られるのは我々旅行会社だ。