先月のことですが、二月大歌舞伎は昼の部と夜の部の両方を観劇する機会に恵まれました♪
今更感がいたしますが、夜の部のことも覚書として。


●「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」
吉原百人切り事件を元にしたお話。下野の国の絹売り商人が花魁道中に遭遇し花魁に一目惚れし吉原へ通い詰め上客となるものの、花魁には情夫がいて身請け話を袖にされてしまいます。しばらくぶりにやってきた商人は面目を潰されたにもかかわらず鷹揚な振る舞いでわだかまりなく思えるのですが、籠釣瓶という刀を持っていて鞘から抜くと…という。。。

菊之助演じる八つ橋の花魁道中がよくみえる東側花道ヾ(@°▽°@)ノ  ←ありがとうございました


八つ橋の艶然した思わせぶりな微笑と纏わりつく空気感。そして八つ橋に心を持っていかれた佐野次郎左衛門の表情に歌舞伎座の温度が上がったような気がしました。
このお話あまり好きではないのですが、序盤でグッと魅き込まれました恋の矢


籠釣瓶とは妖刀といわれる「村正」のことです。徳川家に仇なす刀、抜けば血をみる妖刀といわれました。徳川家康の祖父清康、父広忠は村正で殺された、息子の信康の切腹の介錯も村正だった、という説から、反徳川からは縁起物のように珍重され、幕末は倒幕派が村正を求めたことで数多くの偽物がつくられ市場に溢れたといわれています。しかし徳川美術館には家康からの尾張徳川への形見分けとして村正が伝わっており妖刀伝説を否定しています。妖刀といったら美しい刀のような気がしますが、実際の所、村正は三河武士に普通につかわれた実用向けの刀のようです。

話が逸れましたが、最後の吉右衛門演じる次郎左衛門のつぶやきが妖刀の不気味さをだしていて、怖いです…(・_・;) 理屈でなく場面場面が印象深い舞台でした。


●「浜松風恋歌」
繁吹く波文様の赤い振袖に海松文様の帯、引抜きでスパッと変わるのも眼福~♪
どこか虚しい重た~い演目の後は、美しい舞踊で良かった。浄化されて歌舞伎座を後にいたしました。


【2月24日の装い】東京◇曇り(湿度32%) / 最低気温5℃ 最高気温8℃

志ま亀の巻き絵文様の小紋に貝桶文様の染め帯をコーディネート

上巳の節句が近かったので、雛飾りの道具にちなんで貝桶文様の帯にいたしました♪

演目にちなんだ装いだと…、刀の鍔とか八つ橋(燕子花)とか…? ちなみ柄だとより歌舞伎鑑賞が楽しめますが、志ま亀は歌舞伎座にあう!と思っておりますので、この装いも自己満足♪

縮緬地に松竹梅と宝尽くしのバッグは衿秀の和想庵、ぞうりは神田胡蝶



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