ヤンバルクイナとマングース そして宮古島へ! / ぬぬパナ八重山勉強会の旅 その3 のつづき

かねてよりお会いしたかった、砧打ち職人の砂川猛さんを訪ねましたカメラ


砂川さんの工房「工房風樹」へ。
車から降りると、庭先まで「カーン!カーン!カーン!」という大きな音が響いていました。
おおおっ、、、これが砧打ちの音だ~\(゜□゜)/

砧打ち職人の砂川猛さんです。
宮古上布は砧打ちを含む仕上げの工程を「洗濯」といいます。
織りあがった反物の糊や油汚れを落とすために沸騰させたお湯で約30分煮込み、その後に移し替えて常温になったら踏み洗いを数回繰り返します。その後、もみ洗い、振り洗い、濯ぎを繰り返して、仮砧打ち、組合の検査終了後にさらにサツマイモの澱粉糊で糊づけ、干して半乾きの状態で、幅だしし重しをかけて、布を安定させてから仕上げの「砧打ち」をします。
工房風樹はこの洗濯の工程をするところです。かつては砧打ち職人は洗濯屋といわれたのだそう。

宮古上布の重要無形文化財の指定条件には「洗濯(仕上げ加工)の場合は、木槌による手打ちを行い、使用する糊は、天然の材料を用いて調製すること。」とあります。
砧打ちが必要条件となっているのが宮古上布の特徴です。

織りあがった布の糸の質、糸の太さや撚り加減、染め具合や織り、最終工程である洗濯職人はすべてを見て知ることになるのだそう。


木槌は4kgとズッシリ重い(゚_゚i)
イスノキでできています。車輪梅がつかわれることもあるのだそう。

身を以て知りたいタイプなので、木槌を持たせていただきました。重いー。
これ落とすことはできても振り上げるのはキビシイ。。。

砧台にはアカギや琉球松がつかわれます。
4kgの木槌で打ちつけられるわけで、相当な堅い樹でも凹んでくるのだとか。
樹の相性があるそうで、どっちも堅すぎてもいけない。

掘りごたつのような段差があるところから打っていらっしゃいました。


一反の反物を仕上げるのに、2万回以上打つ砧打ちは10~12時間かけるのだそう((((((ノ゚⊿゚)ノ
糸の太さや撚り具合にばらつきがあったり織段があると手間がかかるとのこと。

打ち込むと肉眼ですぐにわかるほど、艶がでます。これが宮古上布の特徴。


写真だと難しいのですが、左側が砧打ちなし、右側が砧打ちあり。

砧打ち後の糊引き2回のもの

蠟引きされたような艶が特徴の宮古上布。


織り目を整え艶を出す命を吹き込むかのような仕上げ。そして、里帰りした宮古上布と向き合うことから、宮古上布の歴史と未来も探求されていました。

無地場が多いと艶が一目立ちますが、このツヤツヤは糊がとれると抑えられます。

このアンティーク宮古上布も里帰りさせ仕上げをお願いすることに。


砂川さんと奥様、上原則子先生を囲んで。チームぬぬパナ♪


ぬぬぬパナパナ八重山勉強会の旅は、主宰の浦令子さんに「朝香さま、何処に行きたい~?行きたいとこあげて~」といわれていたので、遠慮なく列挙させていただいたのですが…、スゴイ!ホントに願いを叶えてくださいました。

ぬぬぬパナパナのぬぬというのは、つくり手と着る人をつなぐという意味が込められていますが、まさにその通り、道をつくっていただきご縁をつなげていただいております。

つくり手と着付け師、和裁師、そして着る人がつながる旅、つづきます(^-^)/

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