国立劇場 三月歌舞伎公演へサーチ (~3月26日まで)


●菅原伝授手習鑑 ~車引~ 吉田社頭車引の場

「菅原伝授手習鑑」は昌泰の変(菅原道真が藤原時平の讒言により太宰府に左遷された事件)
をモチーフに描かれた人形浄瑠璃、歌舞伎の傑作。

「車引」はその中のひとつ場面。
これぞ歌舞伎ビックリマークといえる、隈取り、元禄見得、飛び六方が見られるので、はじめての
歌舞伎鑑賞や海外の方の鑑賞にもおススメの演目。歌舞伎の様式美を堪能できます。

車引の三つ子が三人揃いで着ている紫の格子は童子格子という文様。
童子格子は大江山の酒呑童子の意匠から名づけられた名称で、太い筋のそれぞれの脇に
細い筋を1本添えた格子で子持ち格子…、なんですが、子供であることを強調する意味で
紫×白の太縞格子も童子格子というようです。
襦袢は、松王丸は白地に松、梅王丸は赤地に梅、桜丸は赤地に桜。

松王丸(錦之助)、梅王丸(萬太郎)、桜丸(隼人)の三つ子が新鮮でした。
この三つ子は若い役なんですが、ほんと若い…。
萬太郎の声はとても良い。これからが楽しみの役者さんです。

この日の観劇の装いは、車引を意識して御所車文様の帯を選びました。
格子よりは雅やかなほうをチョイス。


幕間にお弁当を割り箸 
観劇の幕間は時間が短いので、おしゃべりしていると食べ損ねます。



●處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし) ~切られお富~

お富(時蔵)はかつての恋人与三郎(錦之助)との逢瀬が旦那である赤間源左衛門(橘三郎)
に知られるところとなり切り刻まれます。じつはお富を手に入れようとした蝙蝠安(弥十郎)の
策略。後に与三郎と再会し彼のために自分を傷だらけにした源左衛門を強請にいき、そして
その片棒を担がせた蝙蝠安を出刃包丁で刺し殺してしまう。与三郎に二百両を渡し、
最後は切り口上で幕。お富は悪婆といわれる役柄の典型です。

お富が強請に行く場面から着る悪婆の衣裳は弁慶格子のきものに翁格子の帯。
きものの弁慶格子は経と緯の幅が同じ太縞で経緯の交差する部分は色が重なり濃くなる碁盤格子。
帯の翁格子は太い縞の格子の中に細い縞の格子を交えた文様。
翁三番叟の衣装に格子がつかわれたからとも太い縞(翁)が細い縞(孫)を守る見立てともいわれます。

ひゃー、時蔵の凄味と刹那的な色気がすごーい(ノ゚ο゚)ノ
弁慶格子と翁格子がわかりますでしょうか。


ちなみに、勧進帳の弁慶の衣裳は翁格子。弁慶格子ではないので要注意ですビックリマーク
まぎらわしいのですが、弁慶格子という名前は、歯切れよく男らしい柄の印象から
名づけられた名称で、勧進帳で弁慶が着ているのわけではないのです。
切られお富では、どちらの格子も見られます。この格子×格子の装い上は必見です目

この手のお話は実は苦手汗、どの登場人物にも共感できないのですが、
お富(時蔵)が強請にいったときにみせる茶目っ気と立ち回りのキレの良さ、見惚れました(〃∇〃)恋の矢

ジャーン!! 中村時蔵さんとカメラ 
何と国立劇場の舞台の上です\(゜□゜)/
素顔の時蔵さんのお肌は艶艶でツルツルでいらっしゃいました。


つづきは別記事で(^-^)/

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