台湾語の文法 ①補語全般 | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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※2013年の記事のリライト。完全に自分の復習用です。ので、間違いもあると思います。お許しください。


主に華語(普通話)との違いを中心に整理しています。なので、華語と同じような内容はバッサリ省略。入門テキストに書いてあるようなことも省略。


台湾語の文法がわかると、台湾華語が台湾語の影響をどれだけ受けてるかってことがよくわかる(例外もある)。本日は




台湾語の補語について



1)様態補語、程度補語は“甲(kah)”で導く。“到(kah)”の字が使われることもある。『東方台湾語辞典』には、介詞(前置詞)“到(kau)”が音便変化したものという説明がある。


 氣甲半小死。(氣得要死。)

 走甲裂褲跤。(跑得褲子都要掉。)



その影響で、台湾華語では様態補語、程度補語を「到dao」を使って表すことも多い。例えば


 我聽到這句話簡直氣到要死。




2)極端な程度を表すときには補語が省略され、「甲」で終わることも多い。


  兩兄弟拍甲(足厲害)。


このような、文の最後にロジック上はくるはずのない語がくることは台湾語には多い。この補語を導く“甲”だけでなく、“還”や“又”の意味の“擱(koh)”や“講(kóng)”などで終わることもある。これらは「まだなにか言いたいことがあるが、聞き手はそれをすでに理解している」ということを表すマーカーとだと考えられる。このことに関してはまた改めて。




3)一部の補語は、“動詞+アスペクト助詞”の後に現れ、動作が進行中の状態や完成後の状態を表す。


 坐著真爽。(のんびり座っている)→進行中

 洗了真清氣。(洗得很乾淨。)→ 完成後

 講了毋著。(說得不對。)→ 完成後



4)方向補語に関して

①通常軽声で発音するため、日常の会話の中では「合音現象」が起こる。“起來”“出來”“轉來”“轉去”などの第二音節は常に弱化する。



②“去”が補語になると、「意外、望まない結果」の意味が出ることもある。


 飯攏予阮小弟食去

(ごはんは弟に全部食べられてしまった)



③“起來”は華語とだいたい同じ意味だが、「開始」を表す“起來”が結びつくことのできる動詞が華語より少ない。


(華語)天上下起雨來了。 

 (台語) 天頂咧落雨矣


(華語) 他怎麼唱起歌來了 

 (台語) 伊哪會咧唱歌



④華語の場合、複合方向補語の間に目的語がくるが、台湾語は”出來”“入去”などは離して使えない。


(華語)老師拿出一本書來 

(台語)  老師提一本冊出來


(華語)  奶奶走進屋裡去  

(台語)  阿媽行入去厝內