ヘッジファンドは、ヘッジしてるのではなく、
実態は投機しているにもかかわらずど~してヘッジファンドって
名前がついたかというと、投機といういうと響きが悪いからだ。
投機=ギャンブル、危ない。
という連想が働くが、アングロサクソンはお金を直接扱う仕事に
あまり抵抗はないようだ。お隣のフランスとはだいぶ違う。
日本もどちらかと言えばお金に対してはネガティブな印象があるので、
胸を張って「投機が仕事です。」とは言いにくい。
昔CTAの資格を米国と英国でとった時に、
ヘッジファンドと呼ばれるのがいやだったので
「CTA」(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)とか
デリヴァティブ・ファンドマネージャー(派生商品ファンドマネージャー)
という自己紹介していた。
普通のヘッジファンドマネージャーと違って、
100%開示しているし、隠し事は投資手法以外はほとんどない。
どちらも、資格試験があって、それぞれ米国、英国のお役所で
そう呼ばれる正式なタイトルだ。
たけれども、巷ではまるでなじみがなかった。
その業界の人なら知ってはいたが...。
そうこうしているうちに、訪れ先で、
今「ヘッジファンドマネージャーが来てる!」とか、
「この人はヘッジファンドだ。」とか紹介されるようになって、
結局あきらめて「ヘッジファンドマネージャー」になってしまったって訳。
どうも英語の世界では結局「ヘッジファンドマネージャー」という響きは
そんなに悪いものではないらしい。
もっともヘッジファンドマネージャーを代表するジョージソロスなどは
悪名高い投機家というレッテルを張られている場合もある。
でも英雄扱いもされているから面白い。
ということで、私は、日本ではヘッジファンドマネージャーは
やっていないので、そういう自己紹介はやらなくなった。
最近、ある日本のテレビ局のプロデュ―サーに会った時に、
番組に出てもらうに当たって、「どうやって紹介されたいですか?」
と聞かれたので「マーケット・グル」と言ったら、
「浅原彰晃みたいですね」と笑われてしまった。
「グル」というのは英語の世界では「専門家」を表す
普通の表現だと思っていたが...
日本では狂信的な教祖様になっている。
日本語って難しい。