土曜日、あり得ない混み様の店内に、あり得ないスタッフの少なさで働いていた午後の事。
警察官と警備の男性7人が店内にドカドカと入って来た。
店長と何やら話している。
何かあったのか?と思い、接客の後で店長に聞いたら「ブーツが盗まれた」との事だった。

セキュリティータグ(防犯装置)に付いている強靭なワイヤーを特殊なハサミで切り外し、履いたまま店外へ出たものと見られた。
防犯カメラには金髪でデブのオバハンが映っており、一部始終が見えたが、逮捕には至らず。

実は先週も同じ手口でやられているのを副店長が知っていたが、警察にも警備にも店長にも報告していなかった事も判明。
恐らく同一犯か、その仲間だと思われる。

今の職場の前に働いていたデパートでは、毎年10月末か11月初旬になると、警察官による「窃盗団」の手口及び顔の映像を見ながらの勉強会が開催されていた。
窃盗団はスコットランドとアイルランドから南下して来て、この時期はクリスマス前となる事もあり、ちょうどこの時期に国境地のカーライルやニューキャッスルで大々的なグループによる窃盗が行われるのである。

単独犯ではなく、グループで大量に盗んでいくため、捕まりやすいと思うが、これが難しい。
忙しい時期の忙しい曜日、スタッフの少ない昼の時間帯を狙って来る上、毎回、変装してくるから、いくら写真を覚えたとて無理というもの。

去年は巨漢だったが、今年はガリガリという女もいて、見た目が完全に変わってしまうと、こちらも疑う余地が無い。
また、警察による「コイツを見たら警察へ!!」の写真が200枚近くあり、無理やー!!と匙を投げてしまいたくなったのを覚えている。

もう随分前であるが、カーライルの「TOP SHOP」では、280枚が一瞬にして消えた。
誰一人スタッフが見ていない事から、スタッフが関与していたのか?と疑いも出たが、防犯カメラには警察が見慣れた犯人の顔が映っており、犯人グループはバトン式に手渡しで天外へ持ち出す様子が映っていた。
店の前には、大きなトラックが停車していた。
そこに運び込まれていたが、誰も不審に思わなかったのもまた不思議。

私達が警察に言われた事は、とにかく1人1人の客の目を見て挨拶をしろと言う事だった。
目を見られると、犯人は覚えられると思い、犯行しにくくなるのだと言う。
そういう心理的な作戦も、少しは防止につながるのだそう。
「何かお探しですか?」と声をかければ、更に有効的だとか。
「自分は見られているな」と居心地が悪くなるのだそう。

そういう事もあり、私の前の職場のデパートでは、客に必ず笑顔で挨拶することを義務付けられていた。
この癖が抜けず、私は今の職場でも「ハロー」と誰彼構わず声をかけるのであるが、時にジジイから怪訝な顔を露骨にされたり、宇宙人を見るような顔をされる事もあり、ちょっとためらう事も多くなった。

結局、今回も警察から「とりあえず、1人1人に声をかけ、気にかけてますよ。見てますよ。と言う合図を送って下さい。それだけでも違いますから」と言われた。
店長はこれを実践すべく、私達に義務付けたものの、実践するのは真面目組のみ。
爪の長い女と、やたら祖父母が亡くなっては休む女は実践しない。

さてこれが効果をもたらすのか否か・・

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