娘が2歳になったばかりの頃であろうか、義母から「この子(うちの娘)は片付けがちゃんと出来る子ね。うちの歴代の孫3人は片づけた試しがないわ。怒鳴って怒鳴って、最後は脅して片付けさせるのよ」と言われた事がある。

長男夫婦がそもそも、家を何年も片付け、掃除もロクにしない夫婦であるから、その夫婦の子供が片付けないのも驚かんけどな・・と思いながら今に至る。
次男夫婦の家は見たことがないが、嫁は家事を一切しない。
だからお手伝いさんを雇っているのであり、その子供が玩具を片付けないのも、これまた驚かないのである。

数日前、娘に「晩御飯やから玩具を片付けて~」と言うと、「○○ちゃんは片付けへんで」と言い出した。
私は「幼稚園でおやつの時間の前に玩具片付けるやろ?それと一緒。食べる前は、玩具を片付けてから食べるねん」と言い聞かせた。
すると娘が「いや、○○ちゃんは片付けせーへんねん」と連呼する。
「何で?何で○○ちゃんは片付けせんでええの?」と言う。
ハテ・・これは娘の作り話なのであろうか、妄想なのであろうか・・と思い、翌日、幼稚園の先生に聞いてみた。

私は「この子が○○ちゃんは、おやつの前に玩具を片付けなくて良いと言うのですが・・」と聞いてみた。
ベテランばあちゃん先生は「ああ、そうよ。親御さんの方針やねん」とアッサリ答えてくれた。

先生は「結構そういう方針を取ってる家庭があんのよ。毎年2,3人はいてると思うけどね。片付けは本人が成長し、片付ける必要性が出てきて初めて片付ける意味と必要性を知る。その時に本人がやり始める事であって、それまでは親が片付けを押し付けるのは強要と同じこと。幼稚園でも決して強要しないで欲しい。本人がやりだすまでは、片付けの意味を教える必要はないっていう方針」だと教えてくれた。

目からウロコと言うべきか・・そんな「方針」が方針だったなど、考えた事もなかった。
「しつけ」と「強要」が紙一重と何かの本で読んだ事はあるが、玩具の片付けが強要とは思ってもみなかったのである。
ましてや毎年2.3人いてるというのにも驚く。
ナニそれ・・・流行の方針?

私は「じゃあ本人が気が付くまでは親が片付けを?」と聞いてみた。
先生は「さあ、その家によると思うけど、去年までいた○○ちゃんの所は、玩具を片付けないって言うてはったけどね。玩具がグチャグチャで困るのは本人。どこに何があるのか分からなくても、それも本人の責任。そうやって、玩具を片付けた方で見やすさ、取り出しやすさ、快適に遊べる事を知って行き、自発的に片付けるようになるのを待つっていう感じ?」と言った。

子供と片付けを一緒にし、それを教えている私も正解で、全く教えないのも正解という事か・・。
何だか各家庭ごとの方針があまりにも違うと、どういう和解点で共存して行けるのだろうか・・と今後の学校生活を考えてしまう。

だとすると、私の前の職場で頻繁に起こっていたトイレを流さない事件も、腐ったままの食品を何か月も何か月も冷蔵庫に入れたまま事件も、皆が弁当を食べるテーブルに履いてきたスニーカーを置く事件も、自分が飲んだコーヒー&紅茶のカップを洗わずに放置したまま事件も、この方針の女達だったのだろうか。

娘が通うバレエ教室の待合室で、我が子にチョコレートやポテトチップスを食べさせ、そのゴミをゴミ箱に入れる事なく平気で帰れてしまう母親達自身も、この方針で育ったからこそ、ゴミをゴミ箱に入れないままなのだろうか。

だとしたら、一体何歳で気が付くというのだろうか・・。
40歳前後の母親達が未だ気が付いていない「片付けの必要性」は、何歳で覚醒されるのか。
謎の方針である。

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