戦争法制(36) 「デモのその先に」 | 追憶の骨 (bones)

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音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。


(朝日新聞 9月14日)

「デモで政治は変わらない」
「民主主義なんだから選挙で勝てばいい」

安保法が成立してからというもの、こんな言説がまかり通っている。戦後初…、いや日本で初めての違憲立法(憲法違反の法律の成立)を国民は止める事が出来なかった。その意味では安倍晋三の完全勝利には違いない。

「じゃ、デモなんかしても意味ないの…?」

… はたして本当にそうなのだろうか・・?


■ 為政者はデモされたくない

これは16日の国会前の警備、テレビなどで見た方も多いだろう。


… バッカじゃね~の!!

僕が現着したのは、この画像の時間より少し後、道路の両端を封鎖する装甲車の車列とおびただしい数の警察官、デモに来た人たちを歩道に閉じ込める作戦なのは誰の目にも明らかだ。

本来感じるべき威圧感よりも、透けて見えるバカバカしい作戦にあきれ返る気分で一杯だ。下らない、下らなすぎる。国会周辺が安倍晋三という愚者の小心で溢れかえっていた。

魂胆は見え見え。


8月30日のような、こんな画像を配信されたくないのだ。

デモ参加者をできるだけ歩道に追い込め、樹木の下に覆い隠し、可能な限り参加者の人数を少なく見せかけるつもりだろう。そのために膨大な警察官が導入されている。安倍晋三は明らかにビビっていた。

やっぱり為政者はデモを起こされたくないのだ。


■ デモ批判の言説

例えばこんなツイートがある。


8月30日の大規模デモを最初に批判したのは橋下徹だった。

… サザンのコンサートで意思決定??

引き合いに出されたサザンオールスターズもいい迷惑だろう。(笑) あの大規模デモ、国民が声をあげる姿を見て「感覚的な拒否感」が走ったのか、無理なロジックの意味不明な文面には焦りが表れている。

デモには十分なパワーがある。

「デモで政治は変わらない」、彼らは必死にふれまわっている。

ロジック抜きで、デモされるのがイヤなのだ。


自民党や公明党、安保法制に賛成する著名人や学者、シニカルを気取るお笑い芸能人まで、実に多くのオッサンたちがデモに拒否反応を示している。「誤解だ~」「熱狂だ~」「マスコミに乗せられている~」、そんな言い訳は醜態にしか映らない、その事にさえ気づいていない。


■ デモのその先に

(ANNnewsCH 9月19日)

この日本で個人が意思を表明するにはちょっとした決意が要る。プラカードを持って道路に立つなんて簡単にはできない。危機感があって、情報を集めて内容を知り、自分でジャッジして初めて外に出る事が出来る。それだけの手順を踏まないと、なかなかできることではない。

それを「誤解だ~」「熱狂だ~」と言われれば、反感が先に立つのは当然だろう。彼らはそんな事さえ理解できなくなっている。もう感性が劣化してしまったのだろう。

(News-i 9月25日)


現在、来年の参院選に向けて野党の動きが始まっている。何もしなければ自民党の圧勝、すぐに憲法改正が発議されて、下手をするとあのクソみたいな自民党草案が大幅に採択されるかもしれない。そうなれば国民は人権の大部分を失ってしまう…、そういう局面に来ている。

政党だけに任せておく状況ではなくなっている。

デモのその先に、できることは何なのか。


<(37)につづく>