尖閣への妄想 ② | 追憶の骨 (bones)

追憶の骨 (bones)

音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。


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ついに日本が先にアクションを起こしてしまった。
すべてが中国側のシナリオ通りに。

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手のひらを返したように怒りを表明する中国の国家元首。
慌てて連絡を取る日本外務省、時すでに遅し。

計画されたデモは予定通り暴動へと発展する。

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世界のメディアが一斉に暴動シーンを世界中で流し始める。メディアは暴動シーンが大好きだ、どこぞの都知事よりも。

予定された行動はさらに続く。天気予報どころではない。
詳細に書き上げられた「釣魚島」の地図が国連に提出される。

その地図を元に自国の主張の正当性を解説する地理学者。
中国大陸の大陸棚上に尖閣諸島があることがよくわかる…、
これもTV番組だ。

 §

それまで1ヶ月以上表舞台から姿を消していた次期国家元首。
クリントン国務長官との会談さえキャンセルしている。

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ところが暴動が起きた2日後である。
事態を把握に来たアメリカ国防長官とのいきなりのツーショット画像が世界中で配信される。


「メディアを利用するとはこういうことだ」、
と言わんばかりに。

「日本国内の一部の政治勢力が茶番を演じている」

まさしく中国側のシナリオ通りに。

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Two Tribes / Frankie Goes To Hollywood   1983

冷戦時代の風刺、最後には全員で乱闘するところがシュールな映像。
 
 §

2010年、中国漁船衝突事件への政府の対応は大きな不信を招いた。

都知事が尖閣諸島の購入を発表したとき、いささかなりとも
胸がすっとする思いをした人は少なくない、寄付金の額がそれを物語る。

「無策な政府 VS 血気上る都知事」

マスメディアが得意気に報じていたこの記事は、すでにゴシップだ。

これは最初から「領土問題」、つまり「国際問題」なのだ。

決定的に欠如しているもの、それは「危険感受性」ではないか。
尖閣諸島をめぐる問題は、この国でもっともナーバスな問題だ。

日中国交正常化の時でさえ、棚上げされた事案なのだ。

今回の事態を「想定外だ」とする総理大臣。
まるで幼い子供がライターを初めていじって「やけど」したかのようだ。
茶番といわれても仕方がない。

「平和ボケ」とはこのことだ。

<おわり>