記事より~河北新聞

学校法人東北文化学園大(仙台市)の補助金不正受給事件で、仙台市民オンブズマンが旧新日本監査法人(現新日本有限責任監査法人)と同社の公認会計士に約7億8000万円を返還請求するよう仙台市に求めた訴訟の判決で、仙台地裁(畑一郎裁判長)は13日、監査法人側に請求通りの額を返還させるよう市に命じた。

 学校法人は大学開学時の1999年、負債を隠して資産を水増しした会計書類を市に提出。大学整備促進補助金の交付を申請し、8億1000万円を不正に受け取った。学校法人は後に一部を返還した。

 オンブズマンは「監査法人と会計士は不正経理を見抜けずに監査証明を出し、市の交付審査を誤らせた」と主張。市は「不法行為が個別、具体的に示されず、請求の特定を欠く不適法な訴えだ」として訴えの却下などを求めていた。

 訴訟に補助参加した監査法人側は「監査に怠りはない上、学校法人の偽装行為を発見することは不可能だった。監査報告と補助金交付との間に因果関係もない」と反論していた。

 公認会計士は、学校法人の財務書類の監査手続きを怠ったとして2004年12月、金融庁から業務停止6カ月の懲戒処分を受けたが、昨年9月の証人尋問では「基準に従い、十分な監査を実施した」と述べ、過失を否定した。

 オンブズマンは当初、学校法人の元幹部2人も返還請求対象としたが、一部が返還されたり、市が元幹部に損害賠償を求めた訴訟で賠償を命じた判決が確定したりしたため、取り下げた。



一見すると、新日本有限責任監査法人に対して、7億8千万円の賠償請求が通ったような感じもしますが、実際は、仙台市が新日本有限責任監査法人に対して請求するように求めた訴訟なんですね。


しかし仙台市民オンブスマン、7億8千万円という金額はどこからくるのでしょうか。一部が返還されたとありますから、3千万が返還金額??


訴えられることになる(かも)新日本監査法人に対して同業者なので同情含みですが、やはり世間的には『不正があった=それを見抜けなかった監査法人がすべて悪い』かの思い込みがあるようです。


俺らは別に神の目とか持っているわけでなく、第六感とかも監査法人に勤務する大半の人は持ち合わせてません。加えて、強制調査権のような権利も、監査人の業務遂行上与えられているわけではないので、隠し通されたことを発見することは至極困難であります。(ドラマ「監査法人」であったように、勝手にクライアントの倉庫とかにズカズカ入っていくのは、立派な犯罪ですし。。。)


しかし、そこらへんのことはまだ世間的に十分に認知されていないと思われます。

どちらかというと、㋚のようなイメージをもたれていることが多いのかと。

これは極端な例ですが、ある地方都市のクライアントまでタクシーで行っていたときに、タクシーの運転手と雑談の際に、こちらが会計士ということを言うと、「あの会社、なんかやったの??」みたいな反応をされました。


まぁこれは極端な話ですが、しかしそれほど理解されていない(または湾曲されている)っていうのは事実です。


そこらへんを考えると、このような訴えを起こした仙台市民オンブスマンも、会計士とその業務に関しては十分に理解されてない方々なのかなと個人的には思ってしまいます。


そして、そんな訴えを認めてしまった仙台地裁、こちらに対してはがっかりです。



ちなみにタクシーでの、そんな一件があって以来、タクシーの運転手との会話の中では自分が会計士であるとは言わなくなりました。雑談する際には、タクシーの運転手の方のイメージのまま話をあわせるようになりました。


先日は、部品メーカーの営業だったり、その前はデザイン会社だったり、銀行の担当者だったり、なんかいろいろな仕事についてます。