(((さらうんど)))「See you, Blue」 | Rotten Apple

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[Japan,Pop/FutureFunk]

01.Siren Syrup
02.Boys & Girls
03.To Fail To Fake
04.Hibiscus
05.Please Be Selfish
06.乙zz姫 [Sleeping Beauty Part3]
07.Time Capsule
08.梔
09.Her In Pocket


正直何かのレビューを目にする度に「Get Lucky」から語られるのは飽き飽きしているし(ブーメラン)、いつまで経ってもビルボードチャートの1位に居座る「Uptown Funk」は早くそこをどいてくれとしか思えない。いまだにBandcampでリリースされ続けるフューチャー・ファンクに至っては懐かしさすら感じる。
(((さらうんど)))新作からの先行曲「Siren Syrup」を聞いたときにも同じ印象を抱いていた。確かにそれは良いものではあるけれど、もう時代遅れだしみんな飽き飽きしているよと。そんなことを思っていた自分をぶん殴ってやりたい。

イルリメこと鴨田潤とTRAKS BOYSによって結成されたポップバンド(((さらうんど)))の新作「See you, Blue」は今年を代表する素晴らしい一枚だ。彼らが築き上げてきた都会的ポップミュージックとフューチャー・ファンクを上手くクロスオーバーさせ、クラブではなくデスクトップ(もしくはカーステ)で聞くことを想定されたような心地よい音が耳に残る。
フューチャービートを大胆に取り入れたDorianとの共作「Hibiscus」、Seihoとの共作「To Fail To Safe」。軽快なカッティングが清々しい「Please Be Selfish」、彼ららしい詩世界が繰り広げられる「Time Capsule」。佐野元春「Come Shining」をサンプリングした「乙zz姫」は80'sフレイヴァー溢れるラップソング。本作にてサンプリング手法を取り入れたのはSAINT PEPSIらフューチャー・ファンク勢の影響も多少はあるのだろう。

ジャパニーズカルチャーをサンプリングしたヴェイパーウェイブというインターネットミュージックは、ヴェイパーブギーからフューチャー・ファンクへと変化を遂げ、奇しくも元々のサンプル元であった日本で新たに進化を遂げようとしているのかもしれない。まぁよくわからんけど今年を代表する一枚なのでぜひ。